うつ病は一つの要因だけでなるものではなく、性格や遺伝的な要因生活環境の変化、脳の機能か正常に働かなくなったなど、さまざまな要因が重なって発症すると考えられています。
つまり、いろいろな原因やきっかけかあり、誰でもなりうる可能性かあるこころの病気と言えます。
まじめで完ぺき主義という人に多い
たた、うつ病になった人の発病前の性格(病前性格) に共通点があることは、昔から精神医学の専門家が指摘していました。たとえば、まじめで完ぺき主義、何ごとにも一生懸命取り組む人は、会社や学校など日常の集まりの場でも人望があり、人気者ということも多いでしょう。こういう人こそ「実はうつ病で悩んでいる」というケースが多いのです。
真面目な人はまわりに頼りにされると、時には限界を超えるまでがんばってしまいます
そしてある日突然、布団から起き出せなくなって自分のからだの異変に気づいた、という人も多いようです。まじめで完ぺき主義の人は、融通がきかすに頑固、人の目を気にしすぎるという面を持つことが多い様です。いい意味で「いい加減」であったほうが心も身体も元気でいられるのだと覚えておくといいでしょう。
もちろん真面目な人が全てうつ病になるわけではありませんし、真面目で無い人(失礼)がうつ病にならないわけではありません。あくまでも傾向としてなりやすい人が多い、というだけのこと。
うつ病になりやすい性格
循環気質
・社交的で親切、性格が明るくてユーモアに富み、活動的。
・一方で物静かで気弱、悲観的という抑うつの要素も持つ。
※ドイツの精神医学者:クレッチマーが提唱
メランコリー親和形性格
・保守的で秩序を愛し、人との円満な関係を好む。何か頼まれると断れない。
・人と争うのを嫌う。
・律儀で誠実、貞任感が強く、几帳面で仕事
※ドイツの精神医学者:テレンバッハが提唱
執着性格
・責仕感や正義感が強く、几帳面で仕事熱心、きまじめな性格。
・思い込みが激しく、頭の切り替えがなかなかできない。
・何事も徹底的にやらなければ気がすまないので、誤魔化しや大ざっぱなことを嫌う。
※日本の精神医学者:下田光造が提唱
本人へのアドバイス
まじめで完璧主義の人は頑張りすぎて自分が疲れていることに気づかないことも。適度な息抜きも大切です。
周囲の人へのアドバイス
物事に一生懸命なあまり、疲れがたまっているように見えたら休息をとるように働きかけましょう
日常の出来事や病気もきっかけになる
人生に変化をもたらす出来事がうつ病のきっかけとなる事もあります。たとえば、結婚や出産などの喜ばしい出来事も、環境変化によるストレスを招き、うつ病のきつかけとなるケースがあります。
大きな出来事がなくても、将来や老化に対する不安や周囲の人とコミュニケーションかうまくとれない焦燥感・絶望感などがじわしわと大きくなりうつ病を招く人もいます。
きっかけになりやすい出来事
仕事
・就職・転職
・栄転・昇進
・仕事の過労
・転勤
・リストラ・降格
・退職
家庭
・結婚
・妊娠・出産
・引越し
・家の購入やリフォーム
・子供の独立
・離婚・恋人との別れ
その他
・大きな病気・事故
・親しい人の死
・ペットロス
・入学など
からだの病気がきっかけになることも
がんになった人のうち2割か、糖尿病では2割程度の人がうつ病になるといわれています。インフルエンザなど、誰もがなる可能性の高い病気でもうつ病になることがあります。元々からだの病気ではあっても、うつ病になると元の病気の症状を悪化させるので心のケアも同時に必要です。
薬でもうつ状態になるってご存知でしたか?
薬を飲むとき、副作用の欄を注意して見ると「抑うつ」と書いてあることがあります。なかでも、ステロイドなどの副腎皮質ホルモンや血圧を下げる降圧薬は、うつ状態が起こりやすいといわれています。
薬によってうつ状態になった時は薬をやめたり量を減らすなどの方法をとれば、殆どの場合は回復出来ます、
本人へのアドバイス
心身のストレスがうつ病の大きな原因。心の弱さなどではないことを理解しましょう。
原因となる病気と薬の例
病気
脳・神経系
バーキンソン病、脳梗寒などの脳血管障書など循環器系心筋梗寒など消化器系過敏性腸症候群など
内分泌・代謝
糖尿病、ビタミン日に欠乏症、甲状腺機能亢進症・低下症など
自己免疫
全舅性工リテマトーデス( SLE )など感染 肝炎、インフルエンザ、A旧Sなどその他 がんなど
薬
解熱・鎮痛薬
インドメタシン、イブプロフェン、ペンタゾシンなど
消化器作用薬
シメチジンなど向精神病薬刃ロペリドールなど
降圧薬
メチルドバ、レセルビン、レシナミン、クロニジン、プロプラノロールなど
化学療法薬・抗生物質
アシクロビル、ビンクリスチンなど
利尿剤
スビロノラクトン、アセタゾラミドなど
ホルモン
副腎皮質ホルモン、インターフェロン
私自身欝になったこともあり、欝病になった友人や同僚を見てきました。うつ病は人生をも変えてしまう怖い病気でもあり、早期に治療すれば怖くない病気でもあります。
欝気味だな、と感じている方。いい意味で楽観的に捉えるのは良い事ですが、症状を軽く見すぎない様にしましょう。病院や薬は大切ですが方針が合わない医師や、とにかく薬を出せばいいとだけ考え薬を大量に出し、知らず知らずの内に薬漬けの状態にされてしまう事も。そんな医師には要注意です。
うつ病を知るQ&A
Q:うつ病は治る?
A:適切な治療をすれば、治ります。治療といっても薬を飲んで休息をとるなど。
手術など特別な治療が必要なわけではありません。自己判断で個人輸入して薬を飲んだりするのは危険です。
Q:今は症状が軽いけれど、もっと悪くなる?
A:ほうっておくと悪化することもあります。「そのうち勝手に治るだろう」と軽くみないことです。
うつ病も他の病気と同じ様に、早期発見・早期治療だと症状が軽い段階で対処出来ます。悪化すると人生に大きく影響することも。
Q:すぐに病院へ行ったほうがいい?
A:一人で悩まずに専門家に相談しましょう。今の仕事や環境を大切に思うのなら、そして家族や友人に心配をかけたくないのなら出来るだけ早く相談して下さい。
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