熊本県を中心とする地震は、同じ場所で2回震度7が起きる前例のない災害となった。14日から発生した震度1以上の地震も700回を超えており、専門家は家屋倒壊などへの注意を呼びかけている。
気象庁は20日、16日午前1時25分に熊本県熊本地方で発生したマグニチュード(M)7.3の本震で、同県益城町と西原村で震度7を観測していたと発表した。益城町では14日夜のM6.5の前震でも震度7を観測していた。同庁によると、同じ場所で震度7が2回起きたのは観測史上初めて。
震度7の観測は1995年以降では阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、今月14日の益城町に続き5例目。
20日午後10時までに発生した震度1度以上の地震は718回。震度7は2回、6強は2回、6弱は3回、5強は3回、5弱は7回となった。
M3.5以上の地震回数は2004年の新潟県中越地震の同時期を上回り、過去最多ペース。
日本地震学会長の加藤照之・東京大教授は「1回の揺れで耐えられる設計でも、2度3度だと壊れる可能性がある。大きな地震の後しばらくは建物の倒壊に注意が必要だ」と指摘する。