「コンサル料として正式な支払い」招致委元理事長が声明

「コンサル料として正式な支払い」招致委元理事長が声明
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2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致を巡り、フランスの検察当局が捜査の対象としているおよそ2億2000万円の振り込みについて、招致委員会の元理事長でJOC=日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は「コンサルタント料であり、正式な業務契約に基づく対価としての支払いだ」という声明を発表しました。
今回の問題を受けて、招致委員会で理事長を務めたJOCの竹田会長と、招致委員会の樋口修資元事務局長は、13日に連名で声明を発表しました。
この中では、フランスの検察当局が捜査の対象としているおよそ2億2000万円の振り込みについて、「サービスに対するコンサルタント料で、監査法人などにより正式に監査を受けたものだ」としています。さらに「招致委員会からの支払い」と明記したうえで、「招致計画作り、プレゼンテーションの指導、ロビー活動など多岐にわたる招致活動の業務委託、コンサル料など数ある中の1つであり、正式な業務契約に基づく対価として行ったものだ。契約した会社は実績のある代理店で、アジア中東の情報分析のエキスパートであり、何ら疑惑を持たれるような支払いではない」と強調しています。
声明では、こうした点をIOC=国際オリンピック委員会にも伝えたことを明らかにしたうえで、「フェアな招致活動で全く潔癖である」と結論づけています。

鈴木長官「引き続き情報収集を」

2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致委員会で理事を務めていたスポーツ庁の鈴木大地長官は13日午後、成田空港で報道陣の取材に応じました。
鈴木長官は、フランスの検察当局が捜査の対象としている招致委員会からのおよそ2億2000万円の振り込みについて、「JOC=日本オリンピック委員会からは、招致活動の一環でコンサルティング料としてクリーンな形で支払ったと聞いている。私も招致活動に関わったが、全貌については把握していないので、そういうことなのかと思う。捜査の状況を見守りつつ、引き続き情報収集していきたい」と話していました。

招致委員会 その役割と活動費

東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会は、招致活動の中心的な役割を担う組織として2011年9月に設立され、東京都やJOC=日本オリンピック委員会などで構成されました。会長には東京都知事が就任し、実質的な指揮を執る理事長をJOCの竹田恒和会長が務めました。
招致委員会は詳細な開催計画の策定など立候補手続きを進めたほか、国際会議でのプレゼンテーションや国内の支持率向上を図るPR活動を行いました。そのうえで、開催都市を決める投票の投票権を持つIOC委員に支持を広げるため、ロビー活動に詳しいコンサルタントなどの協力を得て、アジアやアフリカのIOC委員を中心に東京の魅力をアピールする活動を展開しました。
2013年9月に東京がオリンピックの開催都市に決定したあと、おととし1月に大会の準備と運営に当たる組織委員会が新たに発足し、招致委員会は解散しました。
招致委員会の活動報告書によりますと、招致活動にかかった費用の合計は、2011年9月から2013年9月までの2年間で89億円に上ります。使用目的の内訳は、「立候補ファイルの策定」が10億円、「国際招致活動」が41億円、「招致機運の醸成」が38億円となっています。
また、招致委員会と東京都の負担の内訳は、招致委員会が54億円、東京都が35億円で、今回問題になっている、招致委員会がコンサルティング料として支払ったおよそ2億2000万円は、この54億円の中に含まれます。招致委員会の負担分は、寄付金や協賛企業からのスポンサー料などで賄われたということです。