サービスを運営する上で、KPIを設定し、これをもとに改善を行なうことと思います。 しかし、KPIは適切に設定しなければ、サービスが間違った方向に進んでしまいます。 この記事では、KPIを効果的に設定する方法について解説します。
KPIとは
KPI(Key Performance Indicator)とは、簡単に言うとパフォーマンスを測る重要な指標のことです。
KPIを設定したら、その定量的なデータを観測→改善案を企画→実装→再度観測→……を繰り返し行なう、これがKPIの主な役割となります。
この一連のプロセスは、ひとえにサービスのコアバリューを育てるためにあります。
PVやUUといったありきたりな要素をKPIに安易に設定しがちですが、「その要素を伸ばすことがコアバリューの醸成に寄与するか」をしっかりと考えなければなりません。
KPIの設定方法
KPIは、以下を満たす形で設定することで、より効果的なものになります。 具体的な事例は次章に示します。
- コアバリューの醸成に寄与すること
- その指標を改善することでサービスのコアバリューがより強固になる指標であること
- 定点観測可能なもの
- 日次/週次でユーザの行動を反映した変化を得られる指標であること
- 定量的であること
- 数値として測定できる指標であること
- 分かりやすいこと
- プランナーだけでなくエンジニアやデザイナーにとっても理解しやすい指標であること
- 行動をとりやすいこと
- その指標を改善するための具体的な施策がイメージしやすいこと
また、設定するKPIの数は1〜3つ程度に留めます。 数が多くなると、観測が大変になることはもちろん、1つのKPI改善に割けるリソースも相対的に少なくなってしまいます。
そのときに最も重要なKPIを設定し、定期的に見なおすことで対応しましょう。
ケーススタディ
クックパッドニュースのKPIに対する取り組みが、よい事例として参考になるので紹介します。
開発者の記事によると、KPIをPVや記事数から読了率や回遊率に変更した、という記述があります。
クックパッドニュースはメディアサイトですから、コアの体験は「記事を読むこと」です。コアの体験となる「記事を読むこと」にまつわる数値として「読了率」「回遊率」をKPIに採用しました。
ユーザがメディアに求めていることは、PV/記事数が多いことではなく、気になる記事がすべて読みたくなるほどよい体験を提供してくれること、あるいは興味があるであろう記事に導いてくれること、そう考えた上での方針転換だと思います。
新しいKPIはコアバリューの醸成に寄与するため、とても理にかなっているのではないでしょうか。
KPIを設定したら
KPIの設定が完了したら、それぞれを視覚的に観測しやすいよう、日次/週次の値をグラフとして表示し、定期的に観測する機会を設けます。
また、それぞれを改善するための改善案を考え、実装につなげます。
改善案の考え方
KPIをもとに改善案を考える方法の1つとして、以下の手順があります。
- KPIの構成要素を細分化する
- 細分化された要素について、よりよくするためのアイデアを出す
- アイデアがコアバリューの醸成に寄与するかどうかを判断し、しない場合は却下する
- 残ったアイデアに対して重要度/緊急度をつける
- 実装タスクとして発行する
重要なのは「コアバリューに反していないか」です。 いくらKPIを改善できそうなアイデアだからといって、サービスのあり方と関係のない方向に改善しては意味がありません。
例えば、先のクックパッドニュースの例ですが、読了率を増やすために記事の内容を薄くしては元も子もありません。
KPI単体ではなく、サービスと照らしあわせて考えましょう。
おわりに
なぜそのKPIなのか、それをどう改善につなげるのか、をチーム全体が理解することが重要です。 サービスを改善する際の参考にしてみてください。