2016年5月12日14時25分
「平和の思いをみんなで分かち合おう」をテーマに、能勢町の浄るりシアターで15日、フリーマーケットやワークショップなどのイベント「PEACE MARKET のせ」が開かれる。学徒出陣で太平洋戦争を体験し、反戦を訴える同町在住の清洲辰也さん(93)に共感した町民らが企画した。「能勢の里山から平和な世界を目指す一歩を」と意気込んでいる。
清洲さんは大学生だった20歳の時に入隊し、ベトナムで敗戦を迎えた。南シナ海で輸送船が故障し、2週間飲まず食わずの漂流も経験。多くの学友を戦争で失い、「戦争だけは二度としてはならない」との思いを強くした。一昨年と昨年、自身の戦争体験に触れながら「戦争のない平和な世界をつくろう」と呼びかけた新聞の折り込みチラシを作り、町内全域に配布した。
チラシを見た町民らが清洲さんのメッセージに感動し、連絡を取って交流するようになった。交流の輪は広がり、十数人が集まって「平和の思いを能勢から発信できないか」と話し合い始めた。主婦石井はるみさん(54)は「チラシから反戦への強い思いが伝わってきて感銘を受けた。ご高齢の清洲さんのために何かせずにいられなかった」。
まずは多くの人に参加してもらおうと、フリーマーケットを企画し、町民らで実行委員会を結成。出店者を募ると、約50店舗が趣旨に賛同して参加を決めた。市民団体や障害者団体、商店などが、手芸品やスイーツ、ピザなどを販売する。ラテンやアフリカ、カントリー音楽を楽しめるライブステージも企画した。
「出あい語らい学びの場」のコーナーでは、シリアの難民救済やパレスチナとイスラエルの共生、沖縄のジュゴンの保護に取り組んでいる各団体によるワークショップも開かれる。
実行委員の細谷常彦さん(68)は「色んな人が参加できるイベントにしたい。世界中でテロが起きているが、出会いと交流の場があることこそが平和につながることだと思う」。多くの町民の心を動かした清洲さんは「催しは人生最大の喜び。感謝あるのみ。来年以降続くことを切望します」とコメントしている。
イベントは午前10時半から午後3時半まで。雨天決行。問い合わせは細谷さん(090・8121・3854)。当日は熊本地震の被災障害者を支援する募金箱も設置する。