2014年7月8日の解散後も、元メンバーの活動を見続けているし、さらにはBiSのマネージャーであった渡辺淳之介についての書籍「MOBSPROOF EX CREATOR LIFE is HARD『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』」まで執筆してしまった。
しかし、そんな状況にいるのは私だけだろうか? 文化とは形を変えて連綿と継承されていくものだ。
text by 宗像明将YouTube上のメディア「lute/ルーテ」にて、ライブ・楽曲・プロデュースという3つの側面から探っていく動画が公開されている。KAI-YOU.netではluteと連動し、彼女たちがどのようにして激しいライブシーンをつくり上げてきたのかを全3回に渡って掲載。第1回では90年代に活躍したライブアイドル現場を知る方たちにインタビューを敢行し、現在につながるルーツを探った。第2回は「アイドル戦国時代」とともにあったBiSに迫った。最終回となる今回は、いよいよ現在のライブアイドルシーンで何が起こっているのかを解き明かしていく。 KAI-YOU編集部
アイドルブームのスピードを実感
参加しているのは、ヒップホップアイドルユニット・lyrical schoolのキムヤスヒロ、ニューウェーブアイドルグループ・ゆるめるモ!と、同プロデュースチームによる新グループ・レッツポコポコの田家大知。
さらに、暗黒系アイドルユニット・NECRONOMIDOLのリッキー(彼はアメリカ出身だ)、激しいパフォーマンスと「ベルハー」の愛称で知られるBELLRING少女ハートの田中紘治(彼は自身を『ディレクター』と定義する)。そしてセルフプロデュースのアイドル・生ハムと焼うどんの西井万理那と東理紗だ。
座談会の間中、生ハムと焼うどんの2人が常に前のめりであることにも注目したい。これでは大人が気圧されても仕方ない。
この座談会で面白いのは、田家大知と西井万理那と東理紗がももいろクローバーZが好きだと話していると、リッキーがももいろクローバーZのマレーシア公演に仕事で関わっていたと話しだす部分だ。
映像では語られていないが、もともと映像作家である田中紘治は、「ももいろクローバー」時代に番組制作の仕事をしていたことも忘れてはならない。
どれもこの5年程度の話であり、ももいろクローバーZと仕事をしたり、ファンだった人々がすでにアイドルのプロデューサーになっているわけだ。このスピード感は近年のアイドルブームの産物だろう。
生ハムと焼うどんが、当時セルフ・プロデュースの高校生だったにも関わらず、2016年3月2日に赤坂BLITZでのワンマンライブを成功させたことは、この連載の初回でも触れた。
さらに、BELLRING少女ハートは、2016年4月30日にTOKYO DOME CITY HALLでワンマンライブを開催した。
キャパシティの大きなライブハウスで、アイドルたちのワンマンライブが続いている。
相次ぐライブアイドルたちのメジャーデビュー
さらに、2016年の春から初夏にかけては動員力のあるライブアイドルが次々とメジャーデビューしていく。lyrical schoolが4月27日、BiSHが5月4日、バンドじゃないもん!が5月18日、妄想キャリブレーションが6月1日という具合だ。
そんなBiSや「アイドルとメタルの融合」をテーマに結成されたBABYMETALの登場後、ロック系のアイドルが非常に増えた印象がある。
だが、松隈ケンタ率いる音楽制作プロダクション・SCRAMBLESほどのクオリティのサウンドのロック系アイドルはそういない。
また、BiSの影響か「なんでもあり」というスタンスのアイドルも増えた感があるが、ほとんどは単に破綻しているように見える。そして、やがて話題を聞かなくなる。
プロデューサーのオガワコウイチやメンバーのカナミル(望月かなみ)がBiSの影響を何のてらいもなく公言するおやすみホログラムのようなグループが、BiS解散後に研究員(BiSファンの総称)の流入先になったのは非常にレアケースだ。
松隈ケンタもまた、おやすみホログラムの「揺れた」という楽曲をTwitterで絶賛していた。
おやすみホログラムさんの曲すごくいいなにこれ、すげー
— 松隈ケンタ【SCRAMBLES】 (@kenta_matsukuma) 2015年8月12日
Have you heard ‘揺れた’ by oysmhologram on #SoundCloud? #np https://t.co/HuiLw011IV
ディアステージ発のアイドルがもたらした新たな文化圏
上述の妄想キャリブレーションは、でんぱ組.incを生んだ秋葉原のライブスペース&バーのディアステージから登場した妹分グループだ。
体育会系アイドルを標榜する彼女たちは、まさに「叩き上げ」という言葉が似合うステージを展開する。
彼女たちも2013年当時、ディアステージに所属した(2016年4月に卒業)七星ぐみや恋汐りんごらを新メンバーに迎えたことで、一気にサイリウム文化圏になった。
当時からディアステージ関連の現場では、華やかなサイリウムが振られていた。その一方、新体制になる前のバンド文化圏の名残もあったバンドじゃないもん!の現場では、サイリウムは今ほど振られていなかったのだ。現状からは想像し難い話だろう。
なお、同時期にBiSにもディアステージからテンテンコが加入したため、BiS、バンドじゃないもん!、ディアステージとそれぞれのヲタが集まっての飲み会が開催されたものだ。
同じヲタとはいえ文化圏が違うので、衝突を避けるための親睦会だった。
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