今日の川崎駅での停電で京浜東北と上野東京ライン(とその他いくつかの路線)が死んでたから山手線も激混みで遅延していたんだけど、なんか新橋駅で非常停止ボタンがーとか言って数分停止したり、何も言わずにどこかの駅で2分ぐらい停車したりと言った感じでのんびり進行になっていた。
いっそのこと「30分間動きません」とか言ってくれればホームに降りて休憩するなり別の路線に乗り換えるなりの決断ができるんだけどなんかはっきりしないし待ってればすぐに動くし車内は混雑していて降りるのも一苦労だしって状況だった。
そんな中、少し空き始めた浜松町に着くころ、網棚から固いカバンを乱暴に引きずり出すような音が聞こえた。
平行に並んだ金属棒の棚に、スーツケースの角を擦るような連続音。
「ガリガリガリ」と言うほど雑な音ではなくて「ブリュブリュブリュ」といった感じの音だったが遅延している電車内でのことだし、誰かが降りる準備をしているのだろうと気にも留めなかった。
数秒後にわかに広がる知ってる匂い、悪臭。ふと思い出すさっきの音。「ブリュブリュブリュ」。
すぐに電車のドアが開き、降りていく数十人と共に匂いは消えた。
今日も誰かが漏らした。