アメリカ大統領選挙について、連日ニュースで報道されています。
でも、いま選挙がどんな状況なのか理解できている人ってどの程度いるのでしょう。
ドナルド・トランプ氏が優勢なのか、それとも、ヒラリー・クリントン氏に決まりそうなのか、現状把握できている人ってほとんどいないんじゃないでしょうか。
そもそも、米大統領選の仕組み自体がよく理解されていないのではないでしょうか。
かくいう僕も、最近までアメリカの政治や選挙については知識がほぼゼロでした。でも、いい大人なので選挙のことについて自分の意見を語れる程度には知識をつけたい!ということで、ニュースや書籍で多少勉強しました。こういう風にブログ記事にもできますしね。
この記事は、以前の僕のようにアメリカの大統領選についてまったく理解が追いついていない人向けに書きました。興味があり、機会があれば仕組みを知りたいと思っている方にはぴったりかと思います。
いまニュースで報じられていることについては、多少は理解が進むはずですので、ぜひ興味のある方はご一読ください。
4年に1度、約1年かけて間接選挙で米大統領を選ぶ
オリンピックが開催される年に大統領選は開催されます。アメリカで最も大きなイベントのひとつです。
日本のように、首相を選ぶ際に国民の投票機会がないのに対して、アメリカでは国民が間接的にではありますが、大統領選挙人(予備選挙では代議員)を選ぶ形で選挙が行われます(以下イラストの通り)。
大統領選挙人(代議員)とは、「〇〇党の誰々さんを大統領に推薦する」という感じで公言している人たちのことで各州にいらっしゃいます。国民が彼らに投票をすることで、間接的に大統領に投票をすることになるのです。
少しややこしいですが、トランプさんに大統領になってほしいと思う国民がいるとしたら、トランプさんを支持する選挙人(代議員)に対して投票をすればよいのです。
このようにして2016年の2月〜6月まで、アメリカの全50州で順次、各党の代表のひとりを間接的に選んでいく予備選挙が続き、その後の全国党大会で各党大統領候補を正式にひとり選出、最後の本選挙にすすみます。
ちなみにこれまでの戦績の例としては、アイオワ州における民主党の1位がヒラリー・クリントン氏、共和党の1位がテッド・クルーズ氏(しかし2016年5月に撤退)。ニューハンプシャー州における民主党の1位がバーニー・サンダース氏、共和党の1位がドナルド・トランプ氏でした。詳しい戦績はWikipediaなどに掲載されています。
民主党と共和党の二大政党の戦い
アメリカでは100年以上、このどちらかの党から大統領が選ばれています。他にも比較的規模の小さな党が存在していますが、基本的には今回の選挙もこれらの2つの党から大統領が選ばれると考えて間違いないでしょう。
民主党の有力立候補者ヒラリー・クリントン
民主党の中でもひときわ存在感が大きいヒラリー・クリントン氏。現オバマ政権では国務長官を務めています。
主な政策としては、司法制度の見直し、大学の学費軽減など。その他では次のようなことを発言しています。
就任後の100日間に取り組む優先事項として、雇用創出とインフラ整備、最低賃金の引き上げ、男女の賃金格差の解消、処方薬の価格引き下げを含む医療制度改革の拡充。
共和党の有力立候補者ドナルド・トランプ
もしかして大統領に選ばれてしまうのでは?と、日本国民の多くが危惧している共和党立候補者のひとり、ドナルド・トランプ氏。もし選ばれれば、アメリカ初の、公職または軍関連の職を務めたことがない人物での大統領となります。
今のところ掲げている主な政策としては、移民抑止、国境強化など。また、トランプ氏はその過激な発言に注目が寄せられています。
「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」
「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」
「国境に万里の長城を造る」
「世界は俺を中心に回っているんだ!」
「おい!そんな小汚い子供より、俺を先に助けろ!!金ならいくらでもやるぞ!!」
「貴様ーーー!!俺を誰だと思ってるんだ!不動産王のトランプ様だぞ!!」
発言の一部のみ切り取っているので過激に聞こえてしまうかもしれませんが、このように歯に衣着せぬ発言がアメリカ国民の心を掴んでいます。
う〜む、ここだけみると、漫画やアニメで真っ先にやられる敵キャラみたいだ…
予備選挙と本選挙を経てアメリカ大統領が選ばれる
2016年5月現在行われている選挙は「予備選挙」。これが6月まで続きます。アメリカ大統領選では大きく、この予備選挙と本選挙の2段階で大統領を選ぶ形式となっています。
予備選挙とは
上でほぼ解説してしまいましたが、各党の代表をひとりに絞るために行う選挙のこと。民主党ではサンダース氏に対してヒラリー氏が大差をつけてリードしています。
共和党では今後の予備選挙でドナルド・トランプ氏の過半数票獲得が予想されているため、彼以外の候補者が撤退しました。つまり、トランプ氏の共和党代表内定が事実上決定しているということになります。
本選挙とは
各党で選ばれた代表者同士が一騎打ちで戦う選挙のこと。こちらも予備選挙と同じように間接選挙で大統領を選びます。
有権者が、民主党と公明党のどちらの党を支持しているかを公言している選挙人を選ぶことで、各州の勝敗を決定。過半数を獲得した党が、その州の選挙人を総取りするという形式で進められていきます。
選挙人は全米50州で538人いるため、270人分の選挙人を獲得した時点で大統領が決定します。そして2017年の1月20日に、晴れて正式に第45代アメリカ大統領が誕生する予定です。
まとめ
2016年5月現時点の予想では、民主党代表はヒラリー・クリントン氏。共和党代表はドナルド・トランプ氏に決定しそうですね。
本選挙までは約半年ありますが、今後のこのお二人の言動には目が離せません。何か動きがあり次第、このブログにも追記していきたいと思います。それではまた。