白鵬駄目押し…横審がダメ出し
東京・両国国技館で12日に行われた大相撲夏場所5日目の取組で、横綱・白鵬が小結・魁聖を寄り切った後、土俵下に突き飛ばした。白鵬は3月の春場所でも駄目押しで審判の親方に大けがをさせ、今場所4日目(11日)にも駄目押しで二所ノ関審判部長(元大関・若嶋津)が苦言を呈したばかり。12日に視察した横綱審議委員会(横審)は、白鵬に自制を求めた。
取組後、白鵬は「押しても離れても相撲が取れている」と気にするそぶりはなかった。しかし、横審の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は「駄目押し気味だった。熱心に観戦するお客さんにけがをさせてしまうと思ってもらいたい」と述べた。7月の名古屋場所で横綱昇進10年目に入る白鵬について、守屋委員長は「そのくらい横綱という地位にいると、(周囲が)たてまつってしまう。自分のやっていることを、間違えて考えてしまうのが人間の常」と、おごりを指摘した。
白鵬は春場所で嘉風に勝った後、土俵下に突き落とし、ぶつかった井筒審判長(元関脇・逆鉾)に太ももの骨を折る大けがをさせ、審判部から注意を受けた。繰り返される白鵬の駄目押しに、八角理事長(元横綱・北勝海)は「また言うと、書かれてしまうから」と慎重な発言に終始した。【村社拓信】