昔より今の女性のほうが「不幸」なのはなぜ?
「ヤバすぎる経済学」が教える意外な理由
「イクメン」や「女性活躍」といった言葉に代表されるように、一昔前に比べれば女性の職場進出は進み、仕事と家庭も両立しやすくなったように見えます。女の子だから大学に行かせてもらえないということも減ってきましたし、寿命も延びました。
ところが、そんな状況の改善にもかかわらず、最新の研究では35年前の女性より現在の女性のほうが、幸せ度が低いという結果が出ています。しかも、専業主婦でも働いていても不幸せと感じているそうです。ここでは、意外な話題満載の『ヤバすぎる経済学』から、女性の幸福度にまつわる話題を掲載します。
専業主婦も働く女性も不幸せと感じる社会
「女性の幸せ度が低下している矛盾について」(リンク先はPDFファイル)という新しい論文を、ベッツィ・スティーヴンソンとジャスティン・ウォルファースが発表した。これは大きな論争を呼ぶこと間違いなしだ。ほとんどどんな経済・社会の指標で測っても、この35年間は女の人たちにとって素晴らしい時代だった。
避妊技術の発達で妊娠をコントロールできるようになった。教育もずっと受けられるようになり、昔から男ばっかりだったいろんな仕事にもどんどん進出している。性別間の賃金格差は目に見えて縮まっている。女の人の寿命はこれまでなかったほど長くなっている。家事や子育ての仕事を担う男の人たちが増え始めた、なんていう研究もある。
そんな変化が起きているのを頭に置いたうえでみると、スティーヴンソンとウォルファースの論文の主張は衝撃だ。調査によれば、35年前に比べてこんにちの女の人たちは、自分は不幸せだと感じている。同じ期間で見た男の人たちの幸せ度の変化と比べると、なおのことそうだ。