いわゆる「三放」(恋愛・結婚・出産を放棄すること)ならぬ「七放」(恋愛・結婚・出産・自宅・人間関係・夢・希望を放棄すること)世代には申し訳ないが、どの時代にも、自宅や結婚まで放棄せねばならない階層は存在していたと思う。国全体で見れば、「中産層」の方が大問題だ。豊かな中産層が安定的な民主主義にとってどれほど重要か、あらためて話す必要はないだろう。
一見ばらばらに感じられるこれらの事例を一つにまとめるキーワードがある。「中産層というファンタジーの崩壊」。マンションと中産層に注目してきた東洋大学のパク・へチョン教授は、こんな仮説を打ち出した。これまで韓国の中産層を築き上げてきた「大学進学→就職→結婚→4人家族→マンション」という連結ベルトが、逆の順番で崩れてきているという仮説だ。ソウルではマンションを手に入れるなど想像もできず、私教育費の心配で子どもを生まず、先月の青年失業率は12.5%で過去最悪という状況なのに、どうして結婚うんぬんと言えるのか。
連結の最後の環となる大学進学について見てみよう。行政自治部(省に相当)の人口統計によると、同年代が最も多い1971年生まれの世代は94万6354人。その子ども世代に当たり、同年代が最も少ない2005年生まれは43万6313人。今や大学ではなく、学生が羨望(せんぼう)の対象だ。
「私も中産層になれる」というビジョンが、今の韓国を建設してきた。そのビジョンを先頭に立って復元すべき与党のセヌリ党と野党の「共に民主党」の政治家たちは、権力闘争に全力投球してばかりいる。