これから挙げるのは、最近直接耳にした事例だ。
事例1。サムスン電子の協力企業に入社したAさんは、すぐにBMWを買った。税金を除いて、月給の手取り額は250万ウォン(現在のレートで約24万3000円。以下同じ)ちょっとなのに、前払い金やリース料を合わせると車代だけで月に100万ウォン(約9万7000円)ほど飛んでいく。ソウル江北の郊外であっても、少なくとも5億(約4800万円)はする33坪(約110平方メートル)のマンション。給料取りでは不可能な夢だとAさんは信じている。Aさんに喜びを与えてくれるのは、マンションではなく自動車だ。
事例2。引っ越しのため数週間にわたって延南洞の物件を探し回ったBさんは、新たな発見をした。Bさんは30代半ばの独身。似たような境遇にある、この街の「独身の部屋」には共通点があった。本箱や本立ては一つもない代わりに、中・大型の壁掛けテレビは例外なく付いていた。もちろん、Bさんの夜の楽しみも映画と芸能番組だ。結婚せずとも退屈になることはない。
事例3。天安で開業した歯科医師Cさんの携帯電話番号は011で始まる(2004年の識別番号変更以前に契約した携帯電話であることを意味する)。40代後半というCさんの年齢を考慮すると、時代錯誤的というジョークも聞こえるが、Cさんにとっては、自分の病院で働く20代の看護助手たちの方がむしろ要領を得ない存在だ。月給200万ウォン(約19万4000円)にもならない彼らは、最新のスマートフォン(多機能携帯電話端末)が発売されるたび端末を買い替える。看護助手たちの答えはこうだ。「私を幸せにしてくれるものが、一つくらいあるべき」
事例4。地方の大学が、学生の減少で生じた空きを中国からの留学生で埋めている-というのは公然の秘密。しかし、近ごろは非常事態に見舞われている。忠清道地方の大学教授Dさんは、中国・広東省に出張した。学会に出席するためではなく、留学生誘致のためだった。中国経済のハードランディングで、中国に展開する韓国企業の求人が急減し、当然ながら中国人学生にとって韓国留学の魅力も低下した。Dさんの大学にとっては、目の前の心配事だ。