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仏像返還差し止め「有効」 韓国検察、対馬の寺に通知 返還問題は長期化か
長崎県対馬市の観音寺から2012年に盗まれ韓国に持ち込まれた同県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」を巡り、韓国検察が、3年前に同国の裁判所が返還を差し止めた仮処分が今も有効で、現段階での返還は困難とする通知書を寺側に送ったことが12日、分かった。寺側が明らかにした。返還問題の長期化が懸念される。
菩薩像を巡っては、韓国中部の浮石寺が「数百年前に日本に略奪された」として所有権を主張。日本政府や観音寺は返還を求めたが、大田地裁が13年、浮石寺の訴えに基づき仮処分決定を出した。決定から3年が既に経過し、韓国政府は法律上、取り消しを申請できる状態となっている。像を盗んだ一団は韓国で逮捕され、大田の国立文化財研究所が保管している。
通知書は、観音寺が今年3月、早期返還を韓国政府に求めた要請書への回答。通知書を受け取った観音寺前住職の田中節孝さん(69)は「返還問題が長期化しかねず心配だ」と話している。(共同)