福島 南相馬市の避難指示 7月中に解除へ

東京電力福島第一原発の事故に伴って福島県南相馬市に出されている避難指示について、政府は7月中に解除する方針であることが関係者への取材で分かりました。政府は13日、市議会に伝えることにしていて、避難指示が解除されれば、対象となる住民は1万人を超え、これまで解除された自治体の中で最大となります。
南相馬市は、原発事故で市の南部から西部にかけての地域が避難区域となり、今もおよそ1万1700人に避難指示が出されています。
政府はこの避難指示について、宅地や周辺の除染が終わり生活環境が整ったとして、放射線量が比較的高く、1世帯がある帰還困難区域を除き7月中に解除する方針で調整を進めていることが関係者への取材で分かりました。
相馬地方では伝統の夏祭り「相馬野馬追」が7月下旬に開かれることから、政府は、その前をめどに解除したい考えで、13日開かれる南相馬市議会の全員協議会で伝えることにしています。さらに15日から開かれる住民説明会での意見などを踏まえたうえで、具体的な日程を調整することにしています。
避難指示が解除されれば、対象となる住民は1万人を超え、これまで解除された自治体の中で最大となります。
5年前の福島第一原発の事故により、福島県内では一時、合わせて11の市町村に避難指示が出されました。去年9月にはすべての住民が避難した楢葉町の指示が解除されたほか、葛尾村と川内村でも来月中の解除が予定されていて、今後は、住民の帰還に向けた環境整備をどのように進めて行くかや、帰還困難区域を含む原発周辺の地域の放射線量の低減が課題となります。