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「見えない電波」を見るのが想像以上におもしろかった

2016/05/13
大森 敏行=日経NETWORK (筆者執筆記事一覧
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 企業で無線LANの利用が急速に広がっている。以前から使われてはいたが、企業システムといえば有線LANがメイン。無線LANが注目されることはあまりなかった。

 企業で無線LANが使われるようになった背景には、ノートパソコンやスマートフォンといった無線LANに対応した機器の普及がある。特にスマートフォンは今や1人に1台の時代。BYOD(私的デバイス活用)の流れもあり、企業に無線LANを設置するのは今や当たり前になっている。

 ところが、無線LANの構築には有線LANの構築とは異なる難しさがある。「無線LANにつながらない」「通信速度が遅い」といったトラブルをどう解決していいかわからず、苦しんでいる企業の話をよく聞く。

 実は、個人的には「無線LANのトラブル」と言われても日経NETWORKに異動するまでピンと来ていなかった。家庭の無線LANのイメージが強かったため「アクセスポイントのデフォルトの設定でたいてい大丈夫じゃないの?」くらいの認識だった。

 ところが、実際には企業内の無線LANはトラブルの宝庫だ。設置場所の形状や材質を事前に調査し、電波が透過するかどうかを確認しないと、電波が届かない場所ができてしまう。また、企業の無線LANでは一般に複数のアクセスポイントを使うため、各アクセスポイントがどのチャネルを使うかをきちんと設定しなければ、容易にチャネルの重複が起こる。チャネルが重複しても通信できなくなることはないが、通信速度は低下する。

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 こうしたトラブルの解決がなぜ難しいのか。最大の原因は「電波は目に見えない」という点にある。有線LANは通信を行うケーブルが目に見えるため、そこで通信が行われていることが明確にわかる。コネクターが抜けていたり断線していたりするトラブルも見つけやすい。

 ところが、有線LANとは異なり、無線LANのトラブルは空中で起こっている。何が起こっているのかが見えないのだ。これを何とかして目に見えるようにできないのだろうか。

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