予告映像も公開アームストロングの選手時代を忠実に再現 「疑惑のチャンピオン」試写会レポート
ツール・ド・フランスを7連覇し、その後ドーピングを行ったと告白したことで記録を剥奪された元プロロードレーサー、ランス・アームストロング(アメリカ)の半生を描いた映画「疑惑のチャンピオン」が7月2日、ツール・ド・フランスの開幕に合わせて公開される。上映に先立ち試写会が行われ、12日には予告映像が公開された。
“限りなく真実に近い”フィクション
ストーリーはアームストロングが欧州でレース活動を開始する場面からスタート。劇中には往年のライダーや関係者が実名で描かれる。チームメートだったフロイド・ランディス(アメリカ)や医師のミケーレ・フェラーリ(イタリア)、監督だったヨハン・ブリュイネール(ベルギー)など、一目で誰だか分かるほどそっくりだ。
登場する機材が年代ごとに忠実に再現されているのも見逃せない。選手のバイクや所属チームのジャージ、チームカーやバスにいたるまで、実際にアルプスで撮影したという背景と重ねると、まるで当時の映像をそのまま観ているようだった。
ドーピング行為についても生々しく再現している。血液ドーピングに詳しくない人は、劇中で再現されたドーピング行為の種類や陽性回避の手法を目の当たりすることで、よりリアルな印象を持つだろう。行為に手を染めるに至る選手の心情の描写にも注目だ。
実際の走行シーンはサイクリング・コンサルタントで元選手だったデイヴィッド・ミラー氏(イギリス)が、出演する選手集めから手がけた。ミラーは「至近距離からの撮影で、パーソナルな映像を見せるよう試みた」とコメント。往年のサイクルロードレースファンから、映画ファンまで幅広い層が納得できる実録ドラマといえる。(敬称・呼称略)
「疑惑のチャンピオン」上映情報・作品概要
公開日: 2016年7月2日(土)
上映館: 丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国公開
上映時間:103分
◇ ◇
監督: スティーヴン・フリアーズ
原案:「Seven Deadly Sins: My Pursuit of Lance Armstrong」デイヴィッド・ウォルシュ著
出演: ベン・フォスター、クリス・オダウド、ギヨーム・カネ、ダスティン・ホフマン
原題:「The Program」
配給: ロングライド
2015年/イギリス/英語(日本語字幕)