俺の職場はブラックではない。コーヒーは、ブラックよりミルクを入れる派だ。
しかし身近に1つブラックなものがある。それは職場の同僚の比喩的表現である。とてもブラックなジョークなのだ。聞いている方は面白いと感じるよりも先にヒヤァッとする。なにせ彼は、誰彼構わずそのブラックな比喩的表現をかますのである。
たとえば、髪が伸びるのがとても早い女性社員に対して「座敷わらし級に髪伸びるの早いですよね」と言ったり、
また、クシャミを「へしっ」とする男性社員に対しては「コンニャクをリノリウムの床に叩きつけたみたいな音ですね」と言ったりした。
さらには、会議中にうまく仕切ることができなかった後輩に対して「コンビニ弁当の中のバランのような緩い仕切りだな」と言った。
コンビニ弁当のバランと言われた後輩に関しては、そのように喩えられたことで逆に励まされたみたいだった。座敷わらしとコンニャクに関しては、言われた側は苦瓜を生のままかじったような苦笑いをしていたので心情は察するに余りある。
このような比喩的表現をする当の本人は、まったく悪気はないようである。むしろ「見たままを言うよりも、衝撃的な喩え話をする方が相手に伝わりやすい」とすら言っている。確かに、一理弱ある。