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京急、品川再開発控え構造改革 中計でホテル売却・本社移転

2016/5/11 22:55
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 東京都と神奈川県を地盤とする京浜急行電鉄が事業構造改革を急いでいる。11日に発表した2021年3月期まで5カ年の中期経営計画で目指すのは利益の6割を鉄道に依存する収益構造の是正だ。目線の先は20年以降に本格化する品川駅周辺再開発。将来の沿線人口減少も視野に入れ、新たな収益源を探る。

 「この5年間で長期ビジョンの実現に向けた土台づくりを進める」。日本経済新聞社の取材に対し、原田一之社長は新しい中期計画の位置付けをこう語った。5年間の設備投資額は2600億円と16年3月期までの直近5年間から5割増やす。一方、21年3月期の営業利益目標は330億円と17年3月期予想からの伸びは1割にとどまる。

 構造改革を急ぐ背景にあるのは19年度にも始まる品川再開発だ。京急は約6万平方メートルの所有地が対象になる。その間、駅ビル「ウィング高輪EAST」や駅前の複合ビル「シナガワグース」などの賃貸収入が止まる。

 数千億円規模の投資負担と収入減少にどう対応するか。中期計画の目玉の一つ、東京・お台場のシティーホテル「ホテル グランパシフィック LE DAIBA」売却。手にする約650億円は訪日外国人の宿泊需要を取り込むビジネスホテル「京急EXイン」や収益の安定につながる賃貸オフィスに振り向ける。

 もうひとつの目玉、横浜市への本社移転にも狙いがある。横浜市が前向きな姿勢を示すカジノを含む統合型リゾート(IR)への参画だ。本社移転に加え、原田社長自らが横浜商工会議所のIRに関するワーキンググループの座長に就いた。

 本業の鉄道は好調だ。訪日客の増加で羽田空港と都心を結ぶ路線の利用が伸び、16年3月期の運輸収入は786億円と過去最高を更新した。にもかかわらず、連結最終損益は赤字転落した。

 神奈川県三浦半島で進めてきた鉄道延伸と宅地開発の計画を凍結し、150億円規模の土地の評価損を計上したからだ。沿線の三浦市などではすでに人口減少が始まっている。ドル箱の羽田アクセス線も東日本旅客鉄道(JR東日本)の新線構想で競争激化は必至だ。

 11日、記者会見した川俣幸宏グループ戦略室部長は「営業利益に占める鉄道事業の割合を品川再開発後は3割に減らす」と強調した。「京急最大の変革期」となる2020年以降をどう乗り切るか。「この5年間がカギとなる」(原田社長)

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