舛添都知事の公用車問題。知ってはいましたが馬鹿馬鹿しいので話題にも上げてきませんでしたが、都知事が公用車で湯河原の別荘との足には使わない、と「敗北宣言」を致しましたので、私の本望ではありませんが、ものの見方の一つとして私見を述べたいと思います。
まず、舛添さんがなぜこれほど批判を受けたか、ですが彼にはファンと敵が明白に分かれていて敵がとにかく声高にいろいろ叫びます。また、批判というのはする方の声が大きくなり、賛同派の声は普通、聞こえてきません。その結果、批判側の声は更に盛り上がる、という悪循環に陥ります。それは中国の文化大革命の際に資本主義らしき人を弾圧したこともそうですし、ドナルドトランプ氏が嫌いな反対派が様々なボイスを上げるのと同じでしょう。あるいは「99%と1%の人」の対立の時もそうでした。
フィリピンの大統領選ではフィリピン版トランプと言われるドゥテルテ氏が当選となりました。この方もトランプ氏同様、相当、ストレートなしゃべりでかなりの旋風を巻き起こしそうです。こう見ると世の中は「色濃い人」が上に立つケースが増えている一方で、いかに批判をかわしながら職務を全うするか、ということがキーになります。
では舛添さん。私は彼のことを調べたことはありませんが、ぱっと見では、体裁を気にする方のように見えます。それがタレント時代からの知名度の高さも手伝っているとは思います。ちやほやされた時代もあったでしょう。正直、役人には不向きの浪費型人間です。
では、もしも舛添さんが湯河原の別荘に行くのに新宿から湘南新宿ラインに乗っていたらどうなるか、ですが、多分、その場合、どうせグリーン車ですから乗っている間はあまり騒ぎ立てられることもないし、驚きもありません。但し、乗り降りなど警備安全上の話をすれば危険この上ないと思います。
戦前、浜口雄幸という首相が東京駅で暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負い、最後、それが間接的に原因し、お亡くなりになりました。著名人は常に危険との背中合わせです。ケネディ元大統領もそうですし、身近な例ではAKBの握手会にも暴漢はいました。年間48回も湯河原に行くということはほぼ毎週という意味です。金曜日の公務が終わって新宿から乗る電車は当然限定されてきます。暴漢にとってはこれほどやりやすい標的はいないのです。
それでもというのならばガードマンをつけるという手があります。国家元首級の方のみならず、民間のトップでもガードマンをつけるのは当たり前です。私が秘書をしていた時も「親分」に警察上がりのガードマンが一名必ず、付き添っていました。しかし、このガードマンの値段が高いのです。多分、公用車の方が安くつくと思います。この議論はそのあたりのことが抜け落ちている気がします。テレビでもやっていましたが3000円安い商品を買うのに3500円のコストをかけるのと同じかもしれません。
今回の公用車の件は残念ながら舛添さんだから湧きあがった話で石原さんなら絶対になかったはずです。世の中、物事冷静、沈着、公平に見ることも必要です。これが舛添さんではなく一般的な知事だったら、という議論は一応展開しておく必要があるでしょう。
では私ならどうするでしょうか?
クルマは自己負担にすればよい、それだけです。実は北米には通勤手当はありません。自分のお金でバスなり、電車なり、車通勤なりをします。その代り、給与で全部お支払いします、という仕組みです。というのは通勤時間に事故にあった場合、労災になるかどうかの認定上の問題が生じるからです。通勤は労災ではない、というのが海外での通例です。
ところが舛添さんの様に公用車に乗っているとき、事故になったらどうなるのでしょうか?多分、労災になるのでしょう、仮にそれが湯河原の別荘に行くときであっても、です。一般には通勤災害ですが、公用車は動く公務室だと考えれば業務災害とも考えられます。ある意味、とてもグレーだと思うのです。だからこそ、公用車は日中の公務から公務の時に限定し、家からの足は舛添さんに自分で車と運転手をアレンジしてください、といえばよいのです。或いは公用車でも通勤部分は完全自己負担にするべきでしょう。
しかし、この論理は危険をはらんでいます。日本のすべての会社が「当社も通勤手当を廃止し、その分を給与に上乗せします」と言いかねないのです。そうしたら困るサラリーマンもいるでしょう。なぜならばどこに住もうが上乗せされる金額は同じになるのですから遠方通勤者はとんでもない持ち出しになります。ところが都心に高額ローンを抱えた人からすれば「住宅の金額が違うのだから平等である」という論理をかざすでしょう。つまり、舛添さんの公用車議論はとんでもない議論に発展させる余地がある、ということなのです。
もっと原点に戻ると、個人的には舛添さんが湯河原に別荘を持っている、かつ、かなりの頻度でそこに通っている、という事実が公然となったこと自体がどうなのか、と思います。舛添さんは逆立ちしても都知事です。世界主要都市の一つのトップであることを忘れてはいけません。世界は不和の時代ですからいつ何時、どんな危険が迫るかもしれません。
吉田茂さんも大磯に別荘があり、その時代にはそこでずいぶん公務もしていました。戦前は都会から離れた大磯が安全だということもありました。しかし、今はそんな時代ではなく、著名人やトップは個人行動があまり公になることは慎むべきでしょう。
そういう意味で舛添さんの公用車問題というのはある意味、持ちあがるべき性格の問題ではなかったと思うのですが、こういう話題は日本人は本当に大好きだと思います。ある意味、上も下も同じ釜の飯を食うという文化が増幅されているのだろうと思います。
それにしても昔なら「いつかは俺も公用車で別荘に行ける身分になりたい」という野望を持った人も多かったと思うのですが。時代は本当に変わりました。
では今日はこのぐらいで。
記事
- 2016年05月11日 10:00
舛添都知事の公用車問題
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