伊藤博敏「ニュースの深層」
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パナマ文書を「魔女狩りの道具」で終わらせてはいけない! 世界がいま学ばなければいけないこと

2016年05月12日(木) 伊藤 博敏
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【PHOTO】gettyimages

節税は悪なのか?

「パナマ文書」が公開され、予想通りに「魔女狩り」が始まった。

文書に名を載せた企業や個人は、タックスヘイブン(租税回避地)を利用して節税を図る怪しい連中で、その企みを暴くことは税の公平性を取り戻し、二極化の解消にもなるから好ましい――。

こういった観点からマスコミは実名報道、追求を受けた企業や個人は、「適切に処理」「キチンと納税している」と、弁明に追われた。『週刊文春』の取材を受けた堀江貴文氏が、「BVI(英領バージン諸島)を使うのは普通のこと。特に感想はありません」と、いかにもホリエモンらしいコメントを残していたことを除くと、いずれも騒動が過ぎ去るのを待っている印象だ。

「パナマ文書」が提起した問題は、二つに分けるべきだろう。

タックスヘイブン利用を断じて退けるべきなのは、政治家と官僚である。プーチン・ロシア大統領、習近平・中国国家主席、キャメロン・英首相などは、当人であれ、親族や友人知人であれ、疑われる立場にいること自体がおかしいのであって、徹底調査もやむを得ない。それが「税を徴収する立場」の人間の責任だ。

一方、合法的節税は、誰にでも認められた権利であり、それがタックスヘイブン利用であっても許される。日本国憲法第84条は、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」と、定めていて、これを「租税法律主義」という。

株式会社において、株主の利益の最大化を図るのが資本主義社会の原則であることを考えれば、「節税」は経営者の務めである。

また、「ヒト、モノ、カネ」の流動化が進んで国家の垣根が低くなり、テロの脅威にさらされることも多くなった現状を考えると、国家が国民の生命財産を守り切れるわけでもなく、国民が自らの資産を分散逃避するのは自然の摂理だろう。

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