出稼ぎ先のモスクワで仕事を失った中央アジア出身者は、イスラム過激派の餌食になりかねない。
モスクワで過激派組織「イスラム国」(IS)に戦闘員を勧誘する拠点の一つとみられているのが、モスク(イスラム教礼拝所)の周辺だ。近くのハンバーガーチェーン店「マクドナルド」には、ロシア経済が低迷する中で仕事を失った中央アジア出身者たちが身を寄せていた。
午後11時過ぎに入ると、2階の隅のテーブルで男性5人がじっと座っていた。
横顔で、彼らが中央アジア出身だと分かる。テーブルの上には水が入ったコップが一つだけ。トレーや紙くずなど、ハンバーガーを食べた形跡はない。にぎわう店内でそこだけが浮き上がっているように見えた。
その中の1人、オレクさん(45)はタジキスタン人だった。6日連続でマクドナルドに泊まっていた。
モスクに近いこの店舗で午前0時の閉店まで過ごした後、30分ほど歩いて、24時間営業の別のマクドナルド店舗に移る。「同じ中央アジアのキルギス人が働いていて、コーヒーを無料でくれる」からだ。
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朝日新聞国際報道部
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