「処刑された李永吉氏」は健在、韓国情報当局またもや大恥

 韓国政府の情報当局が北朝鮮関連情報を読み違えるのは今回が初めてではない。 昨年4月、情報当局は国会に「金正恩氏は5月にモスクワで行われる戦勝記念行事に出席する」と報告したが、その翌日に北朝鮮がロシアに不参加を通知し大恥をかいた。情報当局による立て続けのミスを受け、米国ワシントン・ポスト紙は「韓国の情報機関が主張する内容は、正しいことと同じくらい間違うケースもある」と指摘したほどだ。

 さらに昨年11月、情報当局が国会に「解任されたとみられる」と報告した朴正川朝鮮人民軍総参謀部副総参謀長兼火力指揮局長も、その数日後には労働新聞を通じて在任中であることが確認された。情報当局は朴正川氏について当初「8月に朝鮮人民軍が砲撃を行った際、韓国軍の反撃に対応できなかった複数の人物が責任を追及されたようだ」と指摘し、解任されたとの見方を示していた。

 問題はこの種の誤った情報発信が国内外に大きな影響を及ぼしかねないという点にある。安全保障問題のある専門家は「北朝鮮関連情報が間違っていた場合、韓国の安全保障政策に決定的な悪影響を及ぼすのはもちろん、外交問題にまで発展する恐れがある」と指摘する。

 情報当局は今年2月、国会情報委員会に「北朝鮮の長距離ミサイルはロシアから供給されているようだ」と報告したが、直後にロシア側から「韓国の情報当局は、ロシアが北朝鮮にロケット(ミサイル)部品を供給したと発表したが、これは非常に無責任でなおかつ専門性に欠けた発言だ」と激しく批判した。すると4月に情報当局は国会に「北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)技術はロシアのものに近いが、ロシア政府とは関係ない」と改めて報告した。上記の韓国政府関係者は「北朝鮮関連情報でミスが見つかると、そのたびに政府に対して『北朝鮮問題を国内問題に利用している』といった批判の声が高まるだろう」と警戒した。

ヤン・スンシク記者
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