「処刑された李永吉氏」は健在、韓国情報当局またもや大恥

「処刑された李永吉氏」は健在、韓国情報当局またもや大恥

 韓国の情報当局が今年2月に「電撃処刑された」と伝えていた朝鮮人民軍の李永吉(イ・ヨンギル)前総参謀長(朝鮮人民軍序列3位)が、朝鮮労働党第7次大会において「政治局候補委員」として名前が上がった。処刑されていたはずの李永吉氏が朝鮮労働党の重要な地位に就いたのだ。ここ最近、韓国の情報当局は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のモスクワ戦勝記念行事出席、朴正川(パク・チョンチョン)朝鮮人民軍総参謀部副総参謀長解任など、誤った情報を国会情報委員会などに何度も報告してきた。これでは韓国政府の内外から「裏付けのない情報を公表し、あるいは情報を読み違えて自ら信頼を失っている」といった指摘を受けるのも当然のことだ。

 政府が李永吉氏処刑のニュースを最初に公表したのは、開城工業団地閉鎖が発表された2月10日だった。当時、政府は「李永吉氏は2月2日か3日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記主催の党中央委員会・軍党委員会連合会の前後に処刑されたようだ」とする資料を公表した。韓国軍の合同参謀議長に相当する地位にあった李永吉氏処刑のニュースは、開城工団閉鎖を前に金正恩政権の残酷さを改めて認識させる効果があった。とりわけ李永吉氏は昨年、非武装地帯で地雷を爆発させた当事者の一人として注目され、また金正恩氏の信頼も厚かったことから、処刑のニュースに伴う衝撃は一層大きかった。

 韓国の情報当局が当時伝えた李永吉氏の罪状は「分派活動および派閥勢力・不正」だった。要するに金正恩氏に反対する派閥の構築および権力乱用ということだが、専門家はこれらの罪状について「最高尊厳(金正恩氏)の権威に傷を付ける結果をもたらすため、これは処刑の理由になり得る」との見方を示していた。ところが李永吉氏の健在が明らかになると、「分派活動」の容疑が掛けられたとする情報当局の判断能力自体が非常に疑わしいものとなった。ちなみに韓国政府関係者は李永吉氏の現状について「階級を降格させた上で、再び仕事を任せたようだ」との見方を示している。ただし北朝鮮は李永吉氏の姿を公表はしなかった。

ヤン・スンシク記者
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