特集 週刊文春 掲載記事
特大ワイド27本 スキャンダルがとまらない

シールズ奥田君
アラーキー激写に「ヌードになる気持ちがわかった」

「僕たちは政治家の人たちに対して『ありがとう』と言ってみたいです」
 3月の民進党結党大会。その場でこう政治の現状を皮肉ってスピーチしたのは、SEALDs(シールズ)の中心メンバー・奥田愛基(あき)氏(23)だ。

被選挙権が得られるまで後2年
Photo:Kyodo

 昨夏、安保法案反対のデモを主催し、多くの若者たちを集めたことで注目を浴びたSEALDs。大学生ながら参院の公聴会にも呼ばれるなど、奥田氏は一躍時の人となった。奥田氏が語る。

「産経新聞には“奥田番”がいるらしくて、デモの発言がチェックされ、すぐにウェブ記事になる。でも文春と新潮が取材に来たときが一番ビビりました(苦笑)。新潮の記者は、僕や仲間のバイト先まで押しかけてきて……怖くないですか? 週刊ポストには『朝日新聞に内々定した?』と質問され、『いや産経狙いです』と冗談を言ったら、そのまま記事にされました」

 安保法案が成立しても、メディアの注目はやまず、2月発売の雑誌「クイック・ジャパン」では表紙を飾り、50ページに渡る奥田愛基特集が組まれたほど。撮影を担当したのはアラーキーこと荒木経惟氏だ。

「2人にされて『勝負だぞ』と言われ、最初は怖かったんです。でも照明を落としたスタジオで、レンズを付けた恐竜みたいなアラーキーさんに『おい、国会前の表情になってきたな』と煽られ、上から体を跨がれて撮られると、その気になってくる。カメラマンに脱がされる女優の気持ちがわかりましたね(笑)」

アラーキー撮影

 一方で、昨年秋には、当時通っていた大学に奥田氏と家族の殺害予告が届いた。

「最近引っ越したんですが、『奥田くんの動きで警備体制が変わるから所在を知りたい』と警察から言われました。つきあっている彼女にもいろいろと心配と迷惑をかけてますね」

 卒業論文「90年代の選挙制度改革について」を仕上げた奥田氏は、今春から、都内の大学院で学んでいる。

「政党政治とデモや市民運動がどんな関係を築けるか、体系的に勉強がしたいんです。面接で教授に『デモで忙しそうだけど授業に来れる?』と聞かれたときは、落ちるのかとビビりました。研究室には自民党の政策秘書の方もいて、『W選になったらお互い研究室に来れないね』って話してます」

 7月の参院選前に本を2冊上梓する予定だ。

「1冊は香港や台湾で学生運動を主導したメンバーとの共著です。香港のリーダーであるジョシュア・ウォン君は年下なのに、自民党よりはるかに怖い中国共産党と本気で闘っていて、政党まで作ってる。昨夏以降、政治家から長渕剛さんまでいろいろな人に会ったけど、彼が一番ハンパないっすよ」

 政界では、奥田氏が訴えてきた野党共闘が実現しつつある。

「年明けは民主党の動きが悪くて駄目だと思いました。『大人に利用されてる』と批判されるけど、僕らの訴えを実現するために野党を利用してるんです」

 全国の注目を集めた北海道5区補選では、野党統一候補の選挙応援に。

「初選挙で緊張したけど、変な話、政治家や学者が話すより反応が良かったんです。だから市民目線の演説を増やすべきと提案したら、陣営も保育士さんなどを呼ぶようになりました」

 25歳という被選挙権年齢を「下げてほしい」とも主張する奥田氏。SEALDsは、7月の参院選で解散するというが、政界進出を考えているのか。

「周りが考えているほど、政治家に興味はないです」

 それでも野党が放っておかない?

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