地震保険の支払額、阪神上回る見通し
日本損害保険協会は11日、熊本地震で被災した建物や家財に対する地震保険の支払いが9日時点で約4万件、約610億円に達したと発表した。受付件数は15万件を超えており、今後審査が進めば支払額が大幅に増える見込み。阪神大震災で支払った約783億円を上回る見通しとなった。
1995年1月の阪神大震災をきっかけに地震保険への加入が増え、94年度末に9.0%だった世帯加入率が2014年末時点では28.8%へと3倍以上に高まったことが背景にある。11年の東日本大震災では余震などを含めると約1兆3061億円を支払った。
熊本地震の保険支払額は、国内で地震保険を扱っている29社を集計した。県別に見ると熊本が約564億円、大分は約23億円、福岡は約19億円、佐賀は約3億円だった。長崎、宮崎、鹿児島は現時点ではそれぞれ1億円未満となっている。
損保協会によると、津波で家屋が流される被害が目立った東日本大震災とは違い、熊本地震では損壊の程度を個別に査定する必要がある場合が多いという。各社が調査の担当者を増やして対応に当たっている。(共同)