韓国戦争(朝鮮戦争)中に発生した「保導連盟事件」のうち、慶尚南道晋州市で虐殺された犠牲者46人の遺族185人が韓国政府を相手取り、「国家の誤った公権力行使により家族を失った」として損害賠償を求めた訴訟で、大法院(日本の最高裁判所に相当)第3部(朴炳大〈パク・ピョンデ〉裁判長)は10日「国は犠牲者44人の遺族156人に対し、1人当たり27万-1億3000万ウォン(約2万5000-1211万円)を賠償するように」と命じる判決を下した。1950年に家族が犠牲になってから66年にして、賠償を得られることになったというわけだ。
「真実・和解のための過去史整理委員会(過去史委)」は2009年10月、晋州市で犠牲になった77人を保導連盟事件の犠牲者として認定する決定を下した。だが、遺族はそれから2年8カ月後の2012年6月に訴訟を起こし、損害賠償の「消滅時効」をめぐって論議を呼んだ。
大法院は「過去史委の決定以降、国が適切な措置を講じるだろうと期待して待っていたが、思うような成果が得られず、国を相手取って訴訟を起こしたものであるため、損害賠償の消滅時効が成立したとは見なせない」と説明した。
国民保導連盟は、韓国政府が1949年、左翼系の人物を転向させた後、管理・統制するために組織した団体で、数十万人が強制的に加入させられた。保導連盟事件とは、韓国戦争が勃発した後、国民保導連盟の加入者が大量に虐殺された事件で、晋州市では晋州警察署が管内の保導連盟加入者たちを集め、銃殺した。当時の生存者の証言や遺族の求めにより事件の顛末(てんまつ)が明らかになり、過去史委は2年にわたる調査の末、2009年10月に77人を犠牲者として認定した。