こんばんわ。佐伯です。
最近なにかといいニュースが少ない気がしますね。
東日本大震災や熊本地震など不安感が募る毎日です。
現代のような不安感は昭和初期でも蔓延していました。
関東大震災や世界恐慌などの背景に社会を席巻した文化「エログロナンセンス」
今日は、その「エログロナンセンス」という風俗・文化について紹介したいと思います。
エログロナンセンスとは?
扇情的で猟奇的、かつばかばかしいこと。また、そのようなもの。大正末期・昭和初期の低俗な風潮をさす語
エログロナンセンス(エログロナンセンス)とは - コトバンク
昭和の初めから6,7年ごろまで海外文化が浸透し、カフェ、演劇、映画、雑誌、広告、文学、猟奇犯罪まで、あらゆるジャンルが一世を風靡しました。
そのようなジャンルを総じて「エログロナンセンス」という造語が生まれました。
つまり「エログロナンセンス」とは、
EROTIC:色情的
GROTESQUE:猟奇的
NONSENSE:非常識
このような退廃的な社会風潮を指します。
なぜエログロナンセンスは流行ったのか?
エログロナンセンスが流行るきっかけになったのは、第一次世界大戦後に根付いたモダンな文化いわゆる「モダニズム」です。
モダニズムの特徴としては以下のようなことが挙げられます。
モダニズムの特徴として、「スピード」と「テンポ」「セックス」がある。スピードの象徴は自動車であり、テンポの象徴はジャズやチャールストンなどのダンスであり、セックスについてはいうまでもない。そこにアルコールとスクリーン(映画)が加わり、不安心理がいわば肥料となりエネルギーとなって、一大ブームになったのである。
[1]プロローグと盛り場・風俗篇 - 香取俊介|WEBRONZA - 朝日新聞社
このようなブームに洗礼された若者が年をとり、映画監督や作家、番組のディレクターなど流行を作る立場になることによって、大衆文化として根付きました。
震災などの出来事によって人々に閉塞感や不安感が高まると、必ずといっていいほど「エログロナンセンス」が流行ります。
やはり、閉塞感や不安感を感じるとそのような気持ちから抜け出し楽になりたい、楽しくいきたいなど快楽的な考えを持つようになります。
快楽だけでは飽き足らず、刺激を求めるために猟奇的ことも求めたりもします。
「エログロナンセンス」は人間の本能が必然的に流行らせる文化なのかもしれませんね。
エログロナンセンスを代表する作品
駕籠真太郎
駕籠真太郎氏の作品は万人に勧められるものではない。しかし、ハマる人には確かにハマるのだ。エロ・グロ・ナンセンス・殺人・排泄物・狂気……こういった単語にピンと来た人は、騙されたと思って一冊読んでみてほしい。気づけば、そのアブノーマルな世界にどっぷり浸かっているはずだ。
めくるめくエロ・グロ・ナンセンスの世界へようこそ コアなファンが熱狂する、奇天烈マンガ家・駕籠真太郎って? | ダ・ヴィンチニュース
駕籠真太郎さんの絵はよく見ます。かわいらしい女性のイラストをよく見るのですがやはりエロ・グロ・ナンセンスの三点拍子といっても過言ではありません。
イラストからもわかるようになにか惹かれるものを感じます。
是非とも、駕籠真太郎さんの作品にどっぷり浸って「エログロナンセンス」を感じてみてください。
夢野久作
エログロナンセンスの作家と言ったら、夢野久作というぐらいド定番で有名な作家の1人です。
代表作に「ドグラマグラ」という小説があります。
ドグラマグラの本の帯にはこんな注意書きが書かれています。
実際にこんな精神汚染があってたまるかという感じですが、読むとわかります。
この本はおかしいです。
ですが一度は読んでほしい小説です。
夢野久作がなぜここまで人気なのかがわかる作品だと思います。
漫☆画太郎
エログロナンセンスをここまで貫いてるギャグマンガ家は漫☆画太郎しかいないと思います。
画力がとても高く、エログロナンセンスの要素もうまく取り入れてます。
画力の高さで有名なのがこの画像
ばばあの表情をここまでかき分けられるのは、漫☆画太郎しかいないと思います。
そして、この画力を活かしつつうまく「エログロナンセンス」を取り入れてます。
エログロがほとんどババアしかありませんが、エログロナンセンスを貫いているギャグマンガ家としては最高の1人だと思います。
エログロナンセンスは最高の娯楽
エログロナンセンスは普段の遜色ない生活を一変させてくれるものだと自分は思っています。
しかも、一度味わってしまうとまた違うエログロナンセンスな作品を味わいたくなる。まるで劇薬のようなジャンルです。
「毎日同じ生活でつまらない…」という人は、一度エログロナンセンスの世界に浸ってみることをおすすめします。
色情的で猟奇的でかつ非常識な世界を味わうことで、普段の生活を一変させられることでしょう。
経験して損はないとおもいますので、ぜひ体験してみてくださいね。
おしまい。