「龍馬の愛刀」本物だった 暗殺時に所持、京博が調査
幕末の志士・坂本龍馬が京都の近江屋で暗殺された際に持っていたとみられる京都国立博物館(京都市東山区)所蔵の刀が本物だったと、同博物館が11日までに発表した。龍馬の愛刀「陸奥守吉行(むつのかみよしゆき)」は真偽が定かではなかったが、スキャナーによる調査や古記録との照合で伝承通りの刀と断定された。
刀は龍馬の愛刀として伝わり、坂本家の子孫が1931年に同館に寄贈した。しかし、刃文や刀のそりが「吉行」の特徴と異なる部分があったため、真偽が断定できずにいた。
刀は同博物館の展示会でもたびたび公開されてきたが、改めてスキャナーで刃紋を調べると吉行の特徴となる刃文がかすかに残っていた。また、昨夏に見つかり、刀の由来を示す坂本家の資料には、火事の影響でそりがなくなり、刃を研ぎ直したとの記録があった。その結果、刃文が見えにくくなったとみられる。
同博物館の宮川禎一上席研究員は「スキャナーでの調査と子孫の記録から本物と判別することができ、長年の疑念が晴れたことは喜ばしい」と話している。
【 2016年05月11日 22時30分 】