※下記はベンチャー通信36号(2008年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
【インタビュー後編】地方格差を論ずるな
― 数年前、ライブドア事件や村上ファンド事件が起こり、ベンチャー業界で不祥事が続きました。これについて髙田さんはどう思いますか?
一概に、良い、悪いという話ではないと思います。経営者にはそれぞれ経営に対する考え方があります。これは経営者の生き方の問題でもあります。その中で、売上や時価総額を追求する考え方もあるわけです。
松下幸之助氏は「企業は社会の公器である」と言っています。私もその考え方に非常に共感します。要は経営に対する考え方の違いだと思います。
―
最近、都市と地方の格差について議論されていますが、これについては?
私は地方の人が「地方の格差」を口にする時点で負けだと思います。それがすべての言い訳になってしまう。今やITや物流も発展して、地方でもビジネスはできます。50年前のビジネス環境とは違います。もちろん物理的な距離など、地方にデメリットがあるのは確かです。でも逆に地方の良さ、つまり強みもある。
北海道では、タレントの田中義剛さんが生キャラメルで成功されています。冷静に自社の置かれている状況を分析して、誠実に仕事をすることで糸口は見えてくると思います。決して悲観することはないんです。ただし、他責にしてはいけません。だから「地方の格差」と言った時点で、私は負けだと思います。
― つまり最後は自分との戦いということですね。
そうですね。どこまで自分を高めていけるか。私もどれだけ商品をお客さまに買って頂いても、さらに上を目指すようにしています。今よりもっと買って頂くにはどうすればいいか。常に悩んでいますよ。常に高みを目指して、現状に満足しない。その積み重ねが、企業としての強みにもなると信じています。小さなステップを乗り越えていけば、その積み重ねが大きな成果を生み出すんです。
― 最後に若い読者にメッセージを下さい。
あまり若いうちに自分を固めないことです。無理に夢なんて持たなくていい。若いうちはいろんな人に出会い、いろんな本を読むべきです。最初から完成形を目指さずに、徐々に変化していけばいいと思います。
あと、若いうちに論理的思考力を鍛えるべきだと思います。社会に出たら、問題解決する時に、物事を論理的に考える必要に迫られます。感性も大事ですが、そのベースに必要なのは論理的思考力です。しっかり論理的思考力を身に付けて、深く考える力を養ってください。
そして、最後に伝えたいのが“信”と“疑”という言葉。“信”とは自分を信じること。“疑”とは、自分を疑うこと。この両方を常に覚えておいてほしい。誰よりも自分を信じているけど、できないことはできないと素直に認める謙虚な姿勢も大事です。この相反する2つの言葉を常に意識しておくことです。私どもとは次元が違いますが、大リーガーのイチロー選手も同じだと思います。自分を人一倍信じているけれど、常に現状に満足せず、努力し続けている。
また、危険なのは、成長して成果が出れば“疑”を忘れることです。謙虚に学ぶ姿勢はいつまでも持ち続けるべきです。私も今年で60歳になりましたが、いつまでも謙虚であり続けたいと、常に自分に言い聞かせています。
■ 髙田 明(たかた あきら)
1948年、長崎県平戸市生まれ。1971年に大阪経済大学経済学部を卒業後、阪村機械製作所に入社。欧州駐在の後、友人と翻訳会社の立ち上げを計画するも頓挫する。その後、故郷の長崎県平戸市に戻る。1974年、父親が経営していた“カメラのたかた”に入社。1986年には独立して、株式会社たかたを設立し、代表取締役に就任。1990年にラジオショッピング事業、1994年にテレビショッピング事業に参入。その後も、通信販売事業をはじめ、新聞折込、CS放送、インターネット、ケータイサイトなどのメディア戦略を展開し、通販業界のトップクラスに躍り出る。1999年には現社名に変更。
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イシン株式会社
プロフィール
- お名前髙田 明
- お名前(ふりがな)たかた あきら
- 出身長崎県
- 身長178cm
- 平均睡眠時間7時間
- 平均起床時間7時
- 趣味愛犬(ミニチュアダックスフンド)と 遊ぶこと
- おススメ本『チェンジ・ザ・ルール』
- 購読雑誌日経ビジネス、週刊ダイヤモンド、 日経ベンチャーなど
- 家族妻、子供3人、孫3人
- 今までに訪れた国約20ヵ国
- 座右の銘夢持ち続け、日々精進
- 好きな食べ物刺身
- 嫌いな食べ物特になし
- 乗っている車ベンツ(社用車)