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米アマゾン、動画共有サービス開始 ユーチューブに対抗

2016/5/11 6:26
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 【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムは10日、米グーグルの動画共有サービス「ユーチューブ」の競合サービスを始めた。動画制作者がアマゾンの会員向けに動画を配信して広告やコンテンツ課金などで稼げる仕組みで、展開地域は米、英、独、日本など。有料化を進めるユーチューブとの競合が激しさを増しそうだ。

 新サービスの名称は「アマゾン・ビデオ・ダイレクト」。動画提供者は広告をつけて無料にするか、アマゾンの有料会員向けにして試聴時間に応じて報酬を得るかなど、自由に設定できる。ダウンロードの可否も設定が可能。登録した視聴者に対し、有料の定期配信にすることもできる。

 試聴時間、収益の見通し、登録視聴者数などのデータがアマゾンから提供され、視聴者の反応をすぐに制作に反映させることもできる。読者の反応がよかった上位100の動画の提供者には、アマゾンが毎月100万ドル(約1億1千万円)の賞金を分配する。

 時間単位の報酬は米国の場合、試聴1時間につき15セント、米国外では6セントになるとみられる。ユーチューブ同様にアマゾンは無料動画の広告収入の45%、配信収入の半分を受け取るもよう。米出版大手コンデナスト、英紙ガーディアンなどが参加する。

 利用者が10億人以上で、年率5割以上の成長が続く競合のユーチューブは、昨年から月9.99ドルの有料サービスを始めた。すでに数十億ドル規模に達した広告収入に加え、プロの映像作家にも参加を促すなどしてコンテンツ収入も増やそうとしている。

 一方、アマゾンは年99ドルを払えば早期配達に加え、音楽、動画などが追加費用なしで見放題になる会員サービスを展開。物流からコンテンツサービスに顧客を誘導してきた。有料会員は世界で少なくとも5千万人以上いるといわれる。4月からは動画配信のみの月8.99ドルのプランも始めた。先行するユーチューブより価格を低くして攻勢をかけている。

 アマゾンは新サービスによって独立系の作り手などを集め、動画コンテンツをさらに充実させる狙いがある。同社は14年にはグーグルとの競合の末、ゲームのプレー動画中継サービス「トウィッチ」を買収していた。

 同社はネット流通の覇権を握る書籍では、すでに個人が編集作業をネットで外部委託しながらネット上で出版し、印税を得られる仕組みを整えている。

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