こんにちは、いわたです。
ぼくは今、就職活動をしているので電車に乗る機会が多いです。
今日も選考へ行った帰りにいつものように電車に乗って帰ってきたのですが、その車内で少しもやもやする出来事が起こりました。
斜め前に立っている女性は…妊婦さん?
ぼくは渋谷から千葉の家まで帰るのに約1時間電車に乗ります。
電車に乗ったのは21時頃と、サラリーマンの帰宅ラッシュと被ってしまったので車内は混雑。
前の席が空いて座れたのはもう少しで千葉県に入るくらいのタイミングでした。
しかし全員が座れる訳ではなく、車内には手すりにつかまって立っている人もたくさんいる。
その状況の中で事件は起こりました。
ドアが開いて乗ってきたのは見た目が30代くらいの女性。
小さなバッグを持って少しうつろな表情で電車に乗ってきました。
ぼくが座っている席の前には人が立っていたので、その方はドア付近に。
ふとお腹を見ると大きくて「もしかして妊婦さんかな」と考えるぼく。
「それなら席を譲ろう」そう思っていたのですが…。
あの女性は太っているだけなのか?
その女性はぼくの目の前に立ちはだかるポールを左手で掴んでいる。
が、その薬指には結婚指輪がありません。
もしかして…この方は妊婦さんではなく太っているだけの女性なのか?
だとしたら「妊婦さんですよね、どうぞ座ってください」
なんて言葉をかけるのはとんでもなく失礼なことです。
ぼくはバッテリーの少ないスマホを取り出して「妊婦さん 見分け方」と検索するとヤフー知恵袋に同じようなことを考えている人の質問がひとつ。
しかしそれは全く参考になりませんでした。
目の前には死んだ目をしたサラリーマン
妊婦さんか、太っているだけの女性なのか本当にわからない。
周りを見渡しても誰ひとりとして席を譲る人はいないし、席が空いても真っ先に座るのはサラリーマン。
奥さんが妊娠している姿を見た経験もあるはずのオッサンが席を譲らないということは、この方は本当に太っているだけ?
ぼくは気になりすぎて妊婦さん?太っているだけ?な女性の顔をずっと見ていたのですが、心なしか少し辛そうな顔。
けれど左手の薬指とヤフー知恵袋を見てからは単に太った女性が眠そうにしているだけにも見える。
判断がつかないのでさりげなく席を離れようとも考えました。
しかし、そうすれば座るのは間違いなくぼくの目の前に立っている死んだ目をしたサラリーマン。
周りにいたどのオッサンもレディーファーストどころか、席が空けば真っ先に座っていたのでそれは確実でした。
そうこうしている内に女性は電車を降りていた
そんな考えからぼくは何もできず、もやもやしながら座っていること約10分。
少し先の席が空いたのを見てその女性はそこに座りました。
ただ太っていただけかもしれない。
けれど妊婦さんだったら辛いだろうから、席に座れて本当によかった。
安心して気が抜けたぼくはぼーっとしていました。
気が付けば家の最寄り駅に着いていたので降りようと立ちあがると、その女性はもう車内にいない。
どうやらぼくよりも先に電車を降りていたみたいです。
日本の「察する」文化の気持ち悪さを感じた
電車を降りてからは何だか情けないし悔しいし、不甲斐ない気持ちになったぼくは帰宅してから母親にその話をしました。
母親には「嫁もいない20代の学生に妊婦かどうかの見分けなんてつかない」
と言われてしまったのですが、果たしてぼくと同い年の他人にもそう見えるのかな。
「本当に見分けが付かなかったなら、気付く優しさと言わない優しさがあるんだよ」
女性の心を傷付けないためならそれはそうだと思いました。
が、ぼくはそこに日本の「察する」文化の気持ち悪さを感じたのも事実です。
妊婦さんを軽蔑した目で見る社会がどうかしてる
今日出会った女性が妊婦さんだったのか、単に太った女性だったのかは永久に不明です。
しかし仮にあの女性が妊婦さんだったとしたら?
なぜマタニティマークを付けない妊婦さんがいるのかを疑問に思って調べてみました。
「『妊婦が電車なんかのんなよ!タクレばいい』スーツ着てるサラリーマンがドア横の手すりにつかまっていたときに吐いたセリフです」
「故意に足をかけられて転けました。
30ぐらいの女性が足かけたのですが『でき婚のくせに!』って言われました」
「ホームで電車待ってたら見たこともない年上の女性に、『若いくせに!この変態!』とか怒鳴られて、突き落とされた事あります」
上記の引用文はネットで少し調べただけでも出てきたマタニティマークを付けた妊婦さんに対する軽蔑の言葉です。
この他にもこういった被害は山ほど起きているみたいです。
「妊婦ですが、もしもの時の為にマークは付けてますが基本は隠してます!お腹も。お腹が大きいだけで、かなり弱い立場になる気がしています」
「マークを見て暴力を振るう人がいると聞いていたので、子どもを守るためにも私も妊娠中は一度もつけませんでした」
こういった被害が発生していることを聞いてマタニティマークを付けない妊婦さんも多数。
本来は周りの人が妊婦さんに対して配慮するために付ける物なのに、これを付けると悪い意味で目立ってしまう。
だから妊婦さんはマタニティマークを付けることをためらってしまう。
まず妊婦さんを軽蔑する社会がどうかしています。
こんな日本のどこが「思いやりの国」と言えるんだろう。
あまりにもおかしな社会だと思いませんか?
妊婦さんにマタニティマークの着用を義務付けるべき
確かに酷い被害は起きている。
しかしぼくは妊婦さんにマタニティマークの着用を義務付けるべきだと考えます。
これからの日本を担う希望をお腹に秘めた、誰よりも社会に貢献している妊婦さんを傷付ける行為は立派な犯罪です。
そうじゃなくても妊婦さんは普通に生活することすら大変なのだから、周りの人は全員で協力をしてあげる。
助けが必要な妊婦さんのためにマタニティマークでその状況を可視化して、この国に蔓延する気持ち悪い「察する」文化を消し去る。
そのためのマタニティマークで、これは絶対に着用を義務付けるべき。
少なくともぼくはマタニティマークを見たら絶対に妊婦さんに席を譲りますから。
仕事帰りでどんなに疲れていたって、サラリーマンのオッサンも席を譲るべきだ。