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実は明治30年築でした 御嵩「松屋山田家住宅」

屋根裏から見つかった棟札を手にする藤岡さん=御嵩町伏見の松屋山田家住宅で

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 御嵩町の中山道伏見宿にある国の登録有形文化財の町家「松屋山田家住宅」が、これまで建築年代とされた一九一七(大正六)年より二十年古い一八九七(明治三十)年の築とみられることが分かった。屋根裏から、上棟式のころの棟札が見つかった。

 住宅は木造二階建てで延べ床面積約三百四十平方メートル。山田家はもともと、造り酒屋を営んでいたという。一階に格子戸、二階にガラス窓を備え、近代的要素を取り入れながらも宿場町の名残を残す。東側には、洋風の旧郵便局舎が併設されている。

 老朽化が進んでいた住宅は昨年九月から今年三月まで、公開に向けて屋根や壁などの修復工事が行われた。屋根裏を調査していた大工が十月、西側の天井に張り付けてある棟札を発見した。

 棟札は二枚あり、高さ約一メートルと約八十センチ。いずれも「明治三十年五月二十三日調記」などとあり、施主の山田礼造氏や大工棟梁(とうりょう)らの名が墨で記されていた。

 住宅は、山田礼造氏の子孫の藤岡マリ子さん(68)=御嵩町伏見=が代表を務める団体「中山道ゆったり伏見宿」が管理している。藤岡さんは「修復には多額の費用がかかり、一時は壊そうと考えた。より古い歴史があることが分かり、保存を決めたことは間違っていなかったと感じた」と喜んだ。

屋根、壁などの修復工事が終わった松屋山田家住宅=御嵩町伏見の松屋山田家住宅で

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 現在は月、火、金、土曜の午前十時から午後三時まで内部を公開している。

 団体は内壁の塗り直しや建具の修理といった内装工事を進め、地域の拠点として整備したい考え。ただ、資金面で課題があり、着工のめどは立っていない。

 (神谷慶)

 

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