「目の付けどころがシャープでしょ。」をキャッチフレーズに数々の挑戦的な商品を発売してきたシャープが、またも“問題作”を世に問うてきた。それが、同社が2016年5月26日に発売する「RoBoHoN(ロボホン)」である。ロボットとスマートフォン(スマホ)が合体したというロボホンはどのような経緯で誕生したのか。その存在は、我々の生活にどのようなイノベーションを生み出すのだろうか。
「ロボット+スマホ」がCEATECで注目を集める
ロボットにスマホが付いたと考えるべきか、それともスマホがロボットになったというべきか。「スマホ」と「ロボット」が合体したというコンセプトで「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月に千葉・幕張メッセで開催)にお目見えしたロボホンは、テレビや雑誌、ウェブサイトなどのメディアの話題をさらった。
ソフトバンクが2015年6月に「Pepper(ペッパー)」の一般販売を開始するなど、コミュニケーションロボットが身近になってきた折の登場。しかし、店頭コミュニケーション端末などBtoB用途のイメージが強いペッパーとは違い、ロボホンは持ち歩けるロボットで、しかも電話としても使える。ある意味で“究極のコンパニオン(人に寄り添う)ロボット”といえるかもしれない。
CEATEC JAPANでのデモは、来場者にかなり強烈なインパクトを与えた。クラウド経由で音声認識することによって会話が可能で、内蔵プロジェクターを使って写真をテーブル上や壁、スクリーンなどに投写することもできる。10万馬力や空を飛ぶ能力はないが、人に寄り添うロボットとしては魅力的だ。
だが、ロボホンを手に持って電話をする姿は、映画『キングコング』のような異様さを感じさせた(もちろん、ハンズフリー通話も可能だが……)。
経営不振で明日をも知れぬ当時のシャープが、ここまで“振り切った”製品を世に送り出すとは……そう思わせるのに十分だった。