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 東京都品川区の東急大井町線荏原町駅で9日夜、13歳の女子中学生2人が列車にはねられて死亡した事故で、2人が線路に飛び降りたのは、駅のホームに来て数分後だったことが捜査関係者への取材で分かった。現場で「死にたい」などと書かれた手書きメモが見つかっており、警視庁は、2人が事前に計画して自殺を図った可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者によると、2人は9日午後7時20分ごろ、荏原町駅のホームで、急行列車が通過する直前、手をつなぐ格好で線路に飛び降りた。2人がホームにいたのは数分間だったという。ともに普段は徒歩で通学しており、駅は利用していなかった。

 荏原署や品川区教育委員会によると、亡くなった2人は区立中学2年の同じクラスの女子生徒。9日朝は通常通り登校し、部活を終えて午後6時過ぎに一緒に学校を出たという。

 署によると、現場のホームと線路上にあった2人の通学かばんの中に、それぞれ複数の手書きのメモが入っていたという。一部はA4サイズで、それより小さいものもあった。「死にたい」などと書かれていたが、いじめなどを確認できるような記述はなく、友人への感謝を伝える文言があったという。メモの宛先はなく、内容の趣旨から、2人がともに人間関係の悩みを抱え、自殺を計画したとみて署が調べている。

 2人が通っていた中学校では10日朝、生徒に事故の説明があったという。同じ中学に通う2年生の男子生徒は「2人は演劇部で仲が良かった」と話した。

 区教委は同日、臨床心理士を中学校に派遣。今後、学校でのトラブルやいじめの有無を調べるとしたうえで、「同じ学年や同じ部活動の生徒に個別で面談するなど、心のケアに努める」としている。