韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪の雲行きが、ますます怪しくなってきた。1年9カ月後に開幕を控えるなか、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)組織委員会会長(67)が電撃辞任したのだ。平昌五輪は、スポンサー不足で資金難に陥っているうえ、競技施設の建設遅延も指摘されている。本当に開催できるのか。
大会組織委の3日発表によると、趙氏は自身が会長を務める財閥「韓進(ハンジン)グループ」傘下で、経営難に陥っている韓進海運の立て直しのために辞任するという。朝鮮日報(日本語版)は4日、「懸案収拾のため経営に専念する」との趙氏のコメントを伝えた。
趙氏は、招致委員会会長として11年に平昌大会招致に成功し、14年8月に組織委会長に就任した。趙氏は、大韓航空機内で客室乗務員のナッツの出し方に激怒して離陸を遅らせ、「ナッツ姫」として批判された趙顕娥(チョ・ヒョナ)前同社副社長の父としても有名である。
突然の辞任劇については別の情報もある。
韓国紙「中央日報」(日本語版)は4日、「開催まで2年もない時期に船長が交代…平昌五輪、不安な航海」と題した記事で、趙氏と政府側の「不和」を辞任の理由とする見方を紹介した。後任には官僚出身の元産業資源相、李煕範(イ・ヒボム)氏が内定した。