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matonomatono  - ,,,,  11:00 PM

AppleやGoogleに大きな影響を与えた知られざる偉人「ビル・キャンベル」の生き様

AppleやGoogleに大きな影響を与えた知られざる偉人「ビル・キャンベル」の生き様

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Inc.:先日、ビル・キャンベルが癌で亡くなりました。75歳でした。シリコンバレーでもっとも影響力がある人物のひとりで、あらゆる面で常識では測れない人でした。生前は、IntuitのCEOであり役員で、コードは一行も書けないのにみんなから"コーチ"と呼ばれていました。

ペンシルバニアで生まれ育ち、父がコロンビア大学のアメフト部のコーチと知り合いだったからという理由だけでコロンビア大学に行き、その後コロンビア大のアメフト部のコーチになりました。しかし、ある時から人生の矛先が変わり、Appleで働くことになりました。

キャンベルはベンチャーキャピタルになり、IntuitのCEOになり、最終的にはスティーブ・ジョブズやエリック・シュミット、ラリー・ペイジ、ジェフ・ベゾス、ベン・ホロウィッツなど、テック業界のそうそうたるメンバーから信頼されるアドバイザーになりました。

キャンベルの死は悲しく、大きな損失です。しかし、これまでに彼が残した言葉から学ぶことはできます。


1. 何よりも人を大事にする


キャンベルは、自分がコーチをした人とその人が経営している会社の社員、両方を、心から気にかけていました。今や伝説的なVCで、Andreessen Horowitzの共同創業者でもあるベン・ホロウィッツは、2002年自身が共同創業したウェブホスティング会社LoudCloudを救うために、Electronic Data Systems(EDS)と取引をしました。取引によって会社は存続できますが、それは3分の1の社員がリストラで解雇されることを意味していました。

しかし、EDSと共同記者会見をするためニューヨークに向かっていたホロウィッツに、キャンベルがそれをやめるようアドバイスしたと、ホロウィッツはフォーチュン誌に語っています。

会社の人間はみんな自分のことしか考えていない。君が社員につらい知らせを伝えなければならない。1日中会社にいなさい。解雇された社員が荷物を運び出すのを手伝いなさい。

ホロウィッツはニューヨーク行きをキャンセルし、そうして本当によかったと言っています。「やり直すことができました。あれをやってから、それがすべての自分の基本になりました」。

キャンベルが亡くなった日のMediumの記事の中で、ホロウィッツが一番上の子どもがトランスジェンダーで、ホルモン治療と手術を受ける予定だとキャンベルに伝えたときのエピソードを書いていました。キャンベルは目に涙を浮かべ、ハグをしていつでもそばにいるよと伝えたいから、すぐにその子に会いたいと言ったのです。「もうキャンベルに電話できないなんて、最悪の日だ。彼がいなくなってとてもさみしいよ」とホロウィッツは書いています。


2. 従来の指標以外にも評価基準を持っている


シリコンバレーはデータで動いていることで有名です。しかし、会社の役員たちは、身の回りの人の生活を困難にすることで、そのデータや数字をつくっています。キャンベルはこのことを理解していたので、4つの指標で社員を評価するシステムを考案しました。従来の指標、仲間との人間関係、社員を向上させるためにどのような貢献をしているか、どれくらい革新的であるか、の4つです。


3. 現実離れしたビジョンを立てない


経営もビジョンもどちらも本当に必要なものだとキャンベルは言っていました。だから、GoogleやAppleを含む多くの会社で、COOを立てないようにとキャンベルはアドバイスしたのです。キャンベルは、ビジョンはとても大事で、実行できるものが最高だと考えていました。CEOとCOOがいると、COOは幹部から受けた報告をCEOに伝える役割なので、CEOが社内の現実から離れてしまいやすいのです。


4. イノベーションに価値を置く


キャンベルに指導してもらったトップ経営者たちは、彼は常に研究開発の予算を増やそうとしていたと言います。キャンベルの提案で、Intuitは毎週エンジニアに、何か新しい製品を生み出すために使える、予定の決まっていない時間を4時間与えています。キャンベル自身は技術的なことはわかっていませんでしたが、彼をよく知る人たちは、キャンベルはエンジニアをとても高く評価しており、素晴らしいイノベーションを生み出せるように、自由な時間やリソースを与えていました。


5. 全幅の信頼を置かれている


多くのトップ経営者たちがキャンベルをメンターとして頼っていたのは、キャンベルが自分たちに教えてくれることは、完全に信頼できるとわかっていたからです。だからこそキャンベルは、ある意味ライバルであるAppleとGoogleの役員を、利害でもめることなく何年も勤めることができたのです。(ジョブズからは文句を言われていましたが)


6. 表彰も称賛も要らない


キャンベルは表舞台に出たがりませんでした。YouTubeでも、キャンベルの動画はそんなに見つからないでしょう。YouTubeの役員たちに助言するのが、Googleでのキャンベルの役割だったのは皮肉なことです。しかし、キャンベルはメンターとして助言した人たちの成功を、喜ばなかったわけではありません。

キャンベルは、表彰や称賛を辞退した理由の説明として、フォーチュン誌のJennifer Reingoldにメールでこのように言っていました。「人は(メディアの多くは)、CEOや創業者の意思決定を助けたことを称賛したがりますが、それはまったく公正ではありません」。


7. ありのままの自分でいる


シリコンバレーの常識をかなり無視して、キャンベルはピカピカのオフィスではなく、パロアルトの古いスポーツバーで仕事をしていました。("コーチの場所"というプレートもありました)キャンベルは、そのバーから世界に名だたるテック界の経営者たちにアドバイスをしていました。キャンベルは、ハグも口汚くののしることもどちらも大好きで、どちらも惜しみなく与えていました。

そんなキャンベルのことをみんな愛していました。誰でも自分らしく、生きたいように生きていい、ということを証明しているような人でした。


7 Leadership Lessons From the Coach Who Mentored Steve Jobs, Eric Schmidt, and Jeff Bezos|Inc.

Minda Zetlin(訳:的野裕子)
Photo by Christopher MichelFlickr

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