問題の発覚を受けてUSTは研究倫理委員会を招集し、4カ月にわたる調査を行った上で、パク・ソクチェ氏の解任を議決した。USTの文吉周(ムン・キルジュ)総長は「研究者にとって研究倫理は何よりも重要だ。この点を考慮しかなり厳しい処分を下した」とした上で「明らかにはできないが、品位をおとしめる別の理由もあった」と説明した。この決定を受け、ソン君の指導教授は韓国天文研究院で大型望遠鏡事業チームのリーダーを務めるパク・ピョンゴン氏に変更された。ちなみにパク・ソクチェ氏はUSTから解任されたが、韓国天文研究院の研究員としての身分は今後も維持される。パク・ソクチェ氏は朝鮮日報との電話インタビューで「すでに結論が出た問題であり、特にコメントはない」としか語らなかった。
一方でソン君も問題の論文で筆頭著者となっていたため、USTはソン君に対しても何らかの処分を下すことにしている。処分の内容についてUSTの関係者は「2週間の謹慎処分を下した上で、反省文を書かせることになりそうだ」と説明した。これに対してソン君は「処分を受けることは不当」との意見をすでにUST側に伝えているという。
ソン君は中学と高校に通わず高卒検定考試(高校卒業程度認定試験)をパスし、8歳で仁荷大学に入学したことで大きな注目を集めた。ところが大学生活に適応できず退学し、その後はパク・ソクチェ氏の勧めでUSTに進学。航空宇宙工学の修士・博士統合課程(一貫制博士課程)に在学している。