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強くてニューサーガ 作者:阿部正行

第二章

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第二章ダイジェストその1

 勲章の授与式、そしてレモナス王の死亡から十日、カイル達は王都のマラッドに留まっていた。
 街は突然の王の死により静まり返っており、セランが自分たちの活躍がかすみ、タイミングが悪いとぼやく。

「……逆に考えろ、もし亡くなるのが一日でも早かったら間違いなく授与式は延期、もしかしたら中止になっていたかもしれない。待ってくれた、そう思えば感謝するしかないだろ」
 レモナス王を事故死に見せかけ暗殺しておいて自分でも白々しいな、と思いつつカイルが言った。

 武具の修理や消耗品の補給のための滞在だったのだがそれらも終わり、明日にでもマラッドを発とうとしたとき、ミレーナ王女その側近で近衛騎士第五隊隊長のキルレンがカイル達を訪ねてくる。
 ミレーナ王女が宮殿で呼んでいるとの事だ。
 心情的に会いたくはなかったが、次期女王の命令断れるものでもなくカイル達は宮殿へと向かうこととなった。


   ◇◇◇


 ミレーナ王女からの話は自身の婚姻に関係することだった。

 人族で最大の勢力を持つガルガン帝国は二年前に都市国家で鉱山都市のカランへと侵略戦争をしかけた。
 カランは昔から貴重な魔法金属を産出し、同時に優秀な鍛冶師が多数所属しておりこれまでも様々な国から支配下になるよう求められてきたが退けてきた。

 だが今回のガルガン帝国の攻撃は凄まじく、カランは陥落一歩手前まで追い込まれジルグスへと従属都市国家になるのを条件に助けを求める。
 従属都市となると家臣とほぼ変わらないが一応独立は保てる。そしてジルグスはこれを受けた。

 この為ジルグス国とガルガン帝国は戦争一歩手前の状態になるが、ギリギリのところで回避される事となる。
 その際、帝国がカランから手を引く条件として出したのはミレーナと帝国第三皇子マイザーとの結婚だった。

 この事をレモナス王はごく一部の側近にだけ伝え、当のミレーナ王女には知らせていなかった。
 まるで話す必要の無いことのようにだ。

 そこまで聞いてカイルは、そういうことかと心の中で呟いた。

 カランに関して表向きは帝国側が大きく譲歩した形になっているが、その代わりにガルガン帝国の皇帝の血筋を王配として迎えるというのが決まっていたなら話は別だ。
 これにより帝国はジルグス国中枢に影響力を持つことが出来るし、あるいはジルグス王家に帝国の血が入ったことにより、後々の侵略への大義名分にでもするかもしれない。
 これはカランを従属都市にしたとしても割に合わない、明らかにジルグスのほうが譲歩した形となっている。

 だが、もし正式な婚姻を発表する前にミレーナ王女が死亡ということになったら?
 当然ながら話はお流れとなる。
 帝国はすぐに次の、順当に行けばカレナス王子との婚姻を要求するだろうが、すぐに見合った姫を用意できる訳もなく時間がかかるだろう。
 何ならカレナス王子にはすでに正式な婚約者いたということにしてもいいし、例えカレナス王子との結婚が上手く運んだとしてもなんらかの理由をつけて廃嫡にすればいい、レモナス王はおそらくそう考えていたのだろう。

(なかなかえげつない事を考える、王女の死を利用しようとしていたようだな)

 ミレーナはこの婚約を全て先王が勝手に決めた事、と責任を押し付け断ると言うのだ。
 当然帝国側からすれば納得できるものではなく、何らかの手をうってくるはずなので、カランに都市長に同調してほしいとの使者になってくれというのがミレーナの依頼だった。

 これをカイル達に頼む理由は、現在急な王位継承の為国全体が混乱にあり、手の空いている信頼できる者がいない事。
 またガルガン帝国の何らかの妨害があるかもしれないので、腕の立つ者達ということでカイル達に白羽の矢がたったのだ。

 翌日までに決めてほしいとの事だったが、次期女王からの直々の依頼を断れるはずもないので請けようという事になる
 元々カランには手に入れた魔法金属の加工の為にも行きたいと思っていたところだった。

「気は乗らないが……悪くはないか」


   ◇◇◇


 その夜、カイルはミレーナから少しだけ夜の散歩に付き合ってくれと言われ、中庭へと二人だけで行く事となる。

 父親が死に急に国を背負って立つことになり、気落ちしているミレーナを見てカイルは悩む。
 理由はあったし、ミレーナ王女の為でもあったのだが父親であるレモナス王を暗殺したのは自分で、どう声をかけるかをだ。

「……陛下はこの国の事を想うご立派な方でした、自分の死に必要以上にとらわれずジルグスの為に働く今のミレーナ様を見れば必ず喜んだでしょう」
 言いながら口がどうにかなりそうな気分になったカイルだったがそれを一切顔にださず真剣な顔で言った。

 その後もカイルと話し、少し元気になったミレーナは自分の結婚観について話す。
 結婚を女王の職務の一つとして考えているミレーナ、恋愛をしたくなったら愛人でも作るとカイルに顔を近づける。
 動揺したカイルを見ると満足そうな笑顔で立ち去った。

「……も、弄ばれた?」
 もしかして自分をからかって遊び気分転換をしたかったのかと、ミレーナ王女の後ろ姿を見送りながらカイルは引きつった笑いをした。


   ◇◇◇


 翌朝カランに出発する前にカイル達は修理した武具や、魔法薬といった消耗品を受け取る為にフェスバの店による。
 セランの腕に見あうだけの剣も探してもらっていたのだが見つかる事は無かった。
 だがこれから向かうカランにはその土地柄良い武具の逸話が多くある事を聞き、もしかしたらと期待をするセランだった。


   ◇◇◇


 二日後巨大な山をくりぬいて作られたカランが見えてくる。
 その山自体が鉱脈を集める為に遥か昔に大魔法によって作られたものだとシルドニアが説明をする。
 感心しながら進んでいると、ガルガン帝国の紋章をつけた人の乗ったワイバーンが見える。

「……帝国が誇る飛竜騎士団だな。ワイバーンに騎乗している集団なんてあいつら以外にいない」
 カイルが空を見上げ、眉をしかめる。

 ワイバーンがカラン都市内に入っていくのを見ながらセランがカイルにどう思う? と聞く。

「……俺達の目的と無関係だといいなあ、と希望的観測を言っておこう」
 カイルはため息と共に呟くように言った後気を取り直しカランへと歩みをすすめた。


   ◇◇◇


 カランに着くとジルグスの大使であるミランダが出迎えてくれる。
 ミランダは前の人生において魔族との戦いの仲間で、カイルにとって久しぶりの再会だが、当然彼女からみれば初対面でしかなかった。

 ミランダからの説明でバックス都市長は病気の為に面会謝絶の状態だが、無理にでも会う必要があるとすぐに向かう事となった。
 ジルグスの大使館から出ると、前にあるガルガン帝国の大使館から現れたのは、先ほどのワイバーンに乗ってやってきたガルガン帝国宮廷魔導士第二位のアルザードだった。

 帝国でもかなりの大物の彼がわざとらしい理由でカランを訪れたというが、その目的は帝国がカランに新たに手を伸ばそうとしていると明らかだった。
 そしてカイルの母セライアと同門で旧知の間柄だとわかり、面白くなってきたとアルザードは笑った。

 そのままバックス都市長に会いに行くが病気を理由に結局会えず、二日後にもう一度来る、その時に会えなければ都市長を辞めてもらうと最後通告をしカイル達は戻る事となった。

 ミランダは次の都市長候補と考えている人に会いに行くと言う。
 カランで一番の鍛冶師だという事なので、所持している魔法金属の加工を頼めないかとカイル達もついて行くことになる。


   ◇◇◇


 同じころ別行動をして剣を探していたセランがゴロツキに絡まれている女の子のような容姿をした少年、ゴウを助ける。
 魔道具作りの専門家である魔技師を名乗り、詳しく話を聞くと借金の取り立て、それも自業自得のようなので助けたことを後悔するセラン。
 それでも是非お礼がしたいと言うゴウに押し切られ、自宅までついて行くことになった。


   ◇◇◇


 カイル達とセランは合流することとなる。
 ミランダが頼みに来た相手はガザスいう名のドワーフで、ゴウはガザスの義理の息子だった。

 ガザスは気難しそうな、如何にも職人という印象でミランダが次の都市長になってくれと要請するが、ガザスは断固拒否。
 話し合いは平行線となり長くなりそうなので、カイル達はゴウの工房へと移動する。

 そこでカイルはかつての大侵攻の際に人族側の大きな戦力であった魔道兵器ゴーレムの設計図を見つけ驚愕する。
 現在ゴウが復元させようとしているとの事だが、資金難で難しいと聞くと

「金なら出す! いくらでもだ! だから絶対に復活させてくれ! 量産してくれ!」
 カイルは我を忘れたかのようにゴウの両肩を掴み揺さぶった。


   ◇◇◇

 リーゼの良い一撃で何とか落ち着いたカイルは、喜んでばかりもいられないとなる。
 ゴウが復元しようとしているゴーレムは大きな、それも国家レベルの戦力になると解っている為だ。
 魔族に対抗するためには必要だが、大きな力は目立つし余計な厄介ごとを招く事になりかねない。

 とりあえずこの事は内密に進めてほしいとゴウに依頼し、資金提供を約束した。

 ガザスとミランダの話し合いはやはり平行線のままで、続きは後日となる。
 話しの終わったガザスにセランはカイルの持つ剣のシルドニアくらいの剣を作って欲しいと頼んだ。

 カイルの持つ剣のシルドニアを見てガザスは驚愕する。
 これに匹敵する剣を打つのは少なくとも今の俺には無理だ、敗北を認めるかのような、搾り出すかのような声をだした。


   ◇◇◇


 翌朝、カイルをアルザードが尋ねてくる。
 一緒に食事でもどうかね? と近所のおじさんと同じくらいの気安さだった。
 アルザードはセライアがかつては自分を超える程の才能の持ち主だった懐かしげに言う。

「今じゃただのものぐさな主婦なんですがね……」

 会食にははカイルと名目上はジルグスとガルガンの親善交流の食事会なので、大使であるミランダも招待されていた。
 帝国の大使館を訪れ帝国の狙いは何なのかと考えていると、会食を行う部屋だという正面の扉の奥から全身で感じる、かつて嫌と言うほど浴びた重圧(プレッシャー)
 全身の毛が逆立ち、心拍数が跳ね上がり呼吸が荒くなり、カイルは駆け出し正面の硬い木材でできた両開きの大きな扉を蹴破り中に飛び込んだ。

 そこは会食の場にふさわしい大きな部屋で、十人単位で席につけるテーブルには豪華な食事が並べられていた。
 そして確かにその部屋にはアルザードがいる、いやいたと言うべきだろう。

 もうそれはアルザードと呼べない、ただの肉の破片が部屋中に散らばり唯一原型をとどめた頭部が豪華な食事が盛られた皿の横に転がっている。
 更には給仕と思しき者たちの数人の遺体も同じような有様で部屋中が血と肉片で赤く染まる凄惨な現場になっていた。

 そしてテーブルの傍らに立つ人影があった。
 扉に背を向けていたその人影はゆっくりと振り返りカイルの方を見る。

 見た目の年の頃はカイルより少し上くらいの女性で、怜悧な印象を受けるが整った顔立ちの美人だった。
 身に着けているのは身体にぴったりと張り付くような薄い革製の服のため身体のラインがよくわかり、その見事なプロポーションがはっきりと見て取れる。
 街を歩いていれば男から、少なくともセランなら間違いなく声をかけるだろう艶っぽい女性だ。

 ただし人族なら(・・・・)

 額から生えている幻獣のユニコーンのような一本の角。
 それを確認し、カイルは絶叫する。



「……魔族!!」



 人族の宿敵にして永遠の敵対者がそこにいた。


   ◇◇◇


 カイルの姿を認めると、軽くため息をつき襲い掛かる女魔族。
 武装していないカイルは片腕を犠牲にした捨て身の反撃により、何とかダメージを与える事に成功する。
 反撃をされたのが意外だったのか、女魔族はすぐに退却をしたが、カイルも重傷のため追撃はできなかった

 この後すぐに確認をしたが被害は凄まじいもので、実にガルガン帝国の大使館にいた半数が死んでおり、ワイバーンもまた全滅していた。
 この事実に関係者はそろって青ざめる事になった。


   ◇◇◇


 同じころシルドニアがゴウに古代魔法王国の知識を教えに、また改めて剣の事を尋ねる為にセラン達はガザスの家に来ていた
 生憎ガザスは留守だったが、ゴウはカランに三百年前の魔族との戦いで魔王を討ち取った聖剣ランドがあり、バックス都市長が所持しているらしいと知る。

 セランは俺に相応しい剣だと、何としても手にれようと決意する。
 その時、十人程の襲撃の気配があるとセランが気付く。

 理由はわからないが襲撃してくる以上、セランが打って出て、ウルザとリーゼが迎え撃った。

 大多数はセランが引き受け、ウルザとリーゼも一人ずつ倒す。
 襲撃者はそこら辺のゴロツキなどではなく、正規の訓練を受けた者だったが息ひとつ乱さない完勝だった。

 捕虜にした襲撃者の一人を軽く脅し、正体を聞くセラン。
 自分たちは金で雇われたガルガン帝国の元工作兵で、カランで指定された奴を誘拐するのが仕事で、カランの有力者の命令で動いていたと白状する。
 そして今回はゴウを拉致してこいと命令されたようだ。
 ゴウがこのカランで少し前から行方不明事件が続いている、そんな噂を思い出す

 さらに聞き出そうとしたとしたその時 セランがビクリと身体を震わせる。
 得体の知れない、今まで感じた事のない異質な殺意を感じ、弾かれたように窓から外を見ると向かいの家の屋根の上に立つ人影らしきものを確認すると身体が反射的に動き、尋問していた男の襟首を掴み、道路に面した窓から外へと力の限り投げる。
 同時に屋根の上の人影から青白く光る光球が放たれ、投げられた男と光の球が触れた瞬間、大爆発が起こった。

 爆風が完全におさまる前にセランは跳ね起き、剣をかまえる。
 家は半壊状態となり壁も崩れているため、もうもうと立ち込める爆煙が晴れると家の前の道路と、やはり半壊しかけた目の前の家が見えたがその屋根の上にはすでに人影はなかった。

 あれは魔族だと、シルドニアが口調は軽いが表情は真剣そのもので言った。


   ◇◇◇


 合流したカイルとセラン達は互いに襲撃を、それも魔族と思しき者に襲われたと報告しあっていた。
 犯人を捕まえるために今カラン全体に戒厳令に近い非常事態宣言がしかれ、外出も制限されている。

 ミランダは魔族もさることながら自分たちが居合せた場でアルザードが死んだ外交上の問題にも頭を悩ませていた。

 またこんなところで魔族に会うなど思いもせず、そして魔族の恐ろしさを身に染みるほど知っているカイルは激しく動揺していた。
 だが、知ってか知らずか張りつめたカイルをいつもの如く軽い調子でからかい始めるリーゼ達に呆れると同時に力が抜けて冷静になる。

 そんなカイルの内心は知らないはずなのに、いいタイミングで力を抜けさせてくれたリーゼ達に内心感謝をしつつこれからすべき事をまとめる。

「……まず確認すべきはバックス都市長が本当に関与しているかだな」
 ゴウの誘拐犯達が都市長の関与を匂わすような事を言っていたのはすでに報告している。
 ミランダも誘拐事件が起こっていたことは把握していたが、バックス都市長が関与しているとは考えていなかった。何の利益もないからだ。
 だがもし本当に行方不明と都市長が関係しているなら、誘拐が突然強硬になった理由も、最近の都市長の奇妙な行動も説明がつく。

 とにかくその都市長を締め上げればわかることだな、と悩むのは飽きたのかセランが単純な答えを出す。

「聖剣ランドか……犯罪者なら財産を没収ということになっても問題ないな。黒幕でなくとも何らかの関わりがあるなら責任を取ってもらう必要はある」
 聖剣ランドの事はカイルも耳にしたことはあったがカランにあったとは知らなかったし現物は見たことがなかった。
 だが本当に都市長が所有しているなら是非とも手に入れたい代物だ。

 ミランダも責任の押し付けどころが欲しく同意し、これからすぐにバックス都市長のところに乗り込むことになった。
 ミランダが手配の為に部屋を出ようとしたとき、黙って皆の話を聞いていたゴウに話しかけ優しく労わった。

「……少し不思議なんだが、何か妙にミランダと親しげじゃないか?」
 あんな風に笑う女性じゃなかったはず……とミランダの後ろ姿を見送りそう思いながらカイルがゴウに質問する。
 するとガザスとミランダは恋人同士だとさらりととんでもない事を言い、自分に優しくしてくれるのは将来の義理の息子に対する点数稼ぎと笑いながら言った。

「だが思い出したな、確かにそんな事を言っていた」
 カイルが小声でそう呟く。

 ミランダに初めて会ったのはあの戦乱の最中で、当時はよくあることだがカイルはミランダの笑顔を見たことはかった。
 その時の彼女は補給の手配や情報収集をしてくれ戦いを支えてくれている大事な存在だったが、性格は冷徹そのもので味方はおろか助けるべき避難民も平気で切り捨てる提案をする、そんな女性だった。
 一度だけ酒に酔って(仲間の一人が無理やり酔わせて)男性遍歴を語らせた時があったのだがその時に確かにガザスらしき人物の事を言っていた。

(あの時は名前まで聞いてなかったからてっきり人間だと思っていたが……ドワーフが相手だったとはな)

 その愛した人の死がきっかけで心を閉ざしたらしいとの事だった。確かその件に自分も関わっていて守れなかったと後悔を……
 そこまで思い出しカイルがはっとなる。

「もしかしてこの件(・・・)で亡くなったのか? だとしたら……」
 ガザスの身に危険が、そう思った瞬間都市長宅から火災が発生したと報告が入った。
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