今夜のフジテレビ系ネット放送ホウドウキョク『真夜中のニャーゴ』では、昨晩炸裂したパナマペーパー問題について続報も踏まえて語りたい… のですが、同時に、今回問題の根幹を担ったICIJという国際的なジャーナリスト団体が前のめりになりすぎて、いろいろとやらかしていることがかなりわかってきたので、このあたりも含めて説明などしてまいりたいと思います。


ホウドウキョク
http://www.houdoukyoku.jp/pc/archive/0005/ 

 簡単にいえば、タックスヘイブンを使った租税回避には、完全な合法で、二重課税を防いだり、為替予約などの平準化をしたり、ファンドの組成地であって租税回避そのものをしていないケースがあったりで、いろんな役割があります。最たるものは、内外の価格移転税制の適法な調整機能なんですけど、このあたりの問題をすっ飛ばしてあたかも「パナマペーパーに名前が挙がっているから全部違法」であるかのような報道が行われたり、脱税の意図がある前提になっていたりします。

 また、登記ですんなり名前の挙がる会社や個人というのは、パナマで名前を隠す意図のなかった、ある意味でまともな投資家や事業者であるということです。下手すると、国際的な連結グループ決算にもパナマ法人の名前が書いてあるにもかかわらず、租税回避を試みたと報じられてしまっているケースさえもあります。

 まあ、知恵も金もない人からすれば、途方もない問題のように思われても仕方がない部分はありますし、国税はかなりがんばって対応してきた世界ですので、これを気にしっかりと問題提起をして網の目をかけたいと思う気持ちはあるでしょう。

 しかしながら、実際には日本企業や日本の投資家がタックスヘイブンを使って租税回避するよりも、アプリ開発会社や通販事業者が恒久的施設(PE)がないのでいままで日本で事業を行っておきながら日本に法人税を支払ってこなかった問題のほうが、実ははるかに大きいわけであります。これは、イギリスやアイスランドなどでも同様の問題を起こしているわけでありますが、それについて、もう少しきちんと解説したいと思います。

 また、私事ながら、ちょっと身近で立て続けに介護問題が発生して私自身が四苦八苦するという事態に直面したこともあり、このあたりの物事について、軽く後半で触れたいです。当事者になってみると、介護って実に辛い事案であります、はい。