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【大相撲】

ピンクまわしの宇良が関取初白星

2016年5月10日 紙面から

宇良(左)が押し出しで鏡桜を破る=両国国技館で(平野皓士朗撮影)

写真

◇夏場所<2日目>

(9日・両国国技館)

 ピンクの締め込みの新十両、宇良(23)=木瀬=が関取として初白星。鏡桜を押し出して、星を五分に戻した。2連覇を狙う横綱白鵬(31)=宮城野=は先場所敗れた宝富士を寄り切り、魁皇を抜いて単独史上1位の幕内880勝目を挙げた。横綱、大関陣がそろって初日から2連勝するのは、2007年夏場所以来9年ぶりとなった。

 季節外れの桜が咲いたように国技館が明るくなる。ピンクの締め込みをした宇良がアクロバチックな相撲を封印。正々堂々の押し相撲で鏡桜を押し出し、記念すべき関取初白星をもぎ取った。

 一方のモンゴル出身の鏡桜は、所属する鏡山部屋の「鏡」と、4月に来日したので「桜」をしこ名に使っている。「ピンクって桜色だよな。それ、俺だろ!」とお株を奪われ苦笑いしたが、「新十両に負けたのはねえ」と悔しがった。立ち合いで警戒したのか、「ちょっと見すぎたな。失敗したな」と反省した。

 ピンクには攻撃的な感情を抑える色彩効果がある。米国など海外の一部の刑務所では壁をピンクに塗ったり、囚人にピンクの下着を着用させていて、実際に効果も証明されている。プロ野球・ヤクルトの捕手として活躍した古田敦也さん(現野球評論家)は現役時代に青と赤のミットを使っていたが、それも投手の集中力などを高めるためだったといわれている。

 ピンクは好きだという宇良。だが、謎めいたように「締め込みについてはノーコメントで」と答え、その話題に触れたがらない。「(負けた翌日だが)切り替えも何も常に平常心で、一喜一憂しないように。押しで勝っても引きで勝っても変わらない。形もきれいにいけた。引かれることも頭に入れながら」。そういえば、宇良の締め込みについては白鵬も「どうしたんだろうねえ。女性が好きそうな色だよね。何を狙ったのか分からないけど」と不思議そう。色彩効果を狙ったかどうかは定かではないが、新十両ながら心理戦でも勝利を収めていたように見えた。 (岸本隆)

 

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