蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【大相撲】「ホウッ!」なし 琴勇輝負けた2016年5月9日 紙面から
◇夏場所<初日>(8日・両国国技館) 仕切り前に叫ぶ「ホウッ!」を今場所も続けるかどうか注目されていた新関脇の琴勇輝(25)=佐渡ケ嶽=は、その絶叫を封印した。その初日は黒星。ファンからは「やってくれ」という声が相次いだ。2場所連続37度目の優勝を狙う横綱白鵬(31)=宮城野=は小結隠岐の海を寄り倒し、魁皇に並ぶ史上1位の幕内879勝目。初日に横綱、大関陣が全員勝つのは昨年初場所以来となった。熊本県出身の天鎧鵬(てんかいほう、31)=尾上=とホープ宇良(23)=木瀬=の対決は天鎧鵬に軍配が上がった。 ◇ ファンに浸透していたルーティンを宣言通りに封印した。時間いっぱいで仕切る前に「ホウッ!」と絶叫して気合を入れるのが琴勇輝の代名詞。先場所までファンがドッと沸いた場面も、この日ばかりは違った。 「ホウッ!」。声を上げたのはファンだった。琴勇輝をマネる雄たけびが飛び交う。「やってくれー、頼む」と懇願するファンまでいた。時間いっぱいで琴勇輝は口を閉じたまま、腰を下ろす。両手をついて立って前に出たが、碧山にはたき込まれた。 「やってほしいという感じは分かった。(雄たけびを)消しただけで仕切りや動作をする時に変というのはなかった。(ルーティンをやらない)空気感は味わえたからね」。三段目から続けていたルーティンを絶っても、影響はないと言い切った。 琴勇輝のルーティンには以前から物言いをつけられていた。昨年春場所前の力士会で白鵬から注意されたが、独特の動作を貫いてきた。“決定打”は場所前の力士会。審判部から「土俵上で雄たけびを上げるとは、昔なら考えられない。目に余る」と厳しく指摘され、封印を決断した。 ルーティン消滅で複雑な心境を抱く人もいる。国技館内の売店では、バッグやTシャツなどに雄たけびを上げる姿をデザインした琴勇輝グッズが並ぶ。販売員の女性は「今後、どうなるんでしょう」と少し残念がったものの「『ホウッ』っていうデザインだと思っていただければ」と販売は続ける予定という。 雄たけびを期待していたファンに、琴勇輝は「相撲で返していくしかないですね」と12勝を挙げた先場所のような気っぷのいい相撲を見せる覚悟だ。新関脇の場所はルーティンよりも相撲でファンの視線をくぎ付けにする。 (永井響太) PR情報
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