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教科書検定 4社が小、中で予定 10日から申請

 2018年度から小学校で正式教科となる「道徳」の教科書検定が今年、初めて実施される。10日には文部科学省が1、2年生用教科書の検定申請の受け付けを始める。文科省は「読む道徳」から「考え、議論する道徳」への転換をうたうが、他教科のように客観的な学術知識で正誤を判断するのが難しいだけに、どんな検定意見が出るのか注目される。

     毎日新聞が教科書会社や教材会社計24社に道徳の教科書の発行予定を聞いたところ、4社が「小学校、中学校とも予定している」と答えた。4社の中には、既に道徳の副教材を発行している会社もある。このほか「未定」や「回答できない」が計7社あった。

     この結果について文科省幹部は「ほぼ予想通り。初回は様子見で、17年度に検定がある中学校教科書から参入しようと考えている会社もあるのではないか」と話した。小学校の他の教科書の発行会社数は、国語5社▽算数6社▽社会4社など。

     道徳は14年10月に中央教育審議会(中教審)が教科化を答申し、15年3月に学習内容の基準になる学習指導要領が、15年9月に教科書検定の基準がそれぞれ作られた。これに基づき各社が教科書を作り、今月に文科省に申請して検定が始まる。

     検定基準は「生命の尊厳」「伝統と文化」など現代的課題を取り上げる▽討論を主体とした「課題解決型学習」や体験学習ができる構成にする▽環境問題など多様な見方ができるテーマを取り上げる際は特定の見方に偏らないよう配慮する−−などを求めている。

     検定は、文科省の教科書調査官が担当するほか、教科書1冊につき3人程度の「専門委員」が内容を調査する。専門委員は道徳教育に精通した教員らから任命される。

     小学校の教科書は17年度に各自治体による採択を経て、18年度から授業で使われる。中学校は17年度に検定、18年度に採択の予定で19年度から使われる。【佐々木洋、高木香奈】

    教科書検定

     出版社が作る教科書の内容が適切かどうかをチェックする制度。検定に合格した教科書が学校で使われる。文部科学相が諮問機関「教科用図書検定調査審議会」に諮問し、教科ごとに検定基準や学習指導要領に基づき調査される。検定は校種別におおむね4年ごとにあり、2013年度は小学生用と高校3年生用▽14年度は中学生用▽15年度は高校1年生用−−が対象だった。16年度は高校2年生に加え、教科化に伴い小学生の道徳も対象になる。

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