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ものぐさ姫のキリトリ線

140字のストレスからの解放

昭和と平成の狭間に行ってきた ~「声かけ写真展」訪問記~

5/4-5/8に開催され、無事閉幕を迎えた「声かけ写真展」に行ってきました。

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koekakephoto.strikingly.com

声かけとはなんぞや?っていうのは、

30年前にあったひとつの写真文化で、公園で遊んでる少女と仲良くなって(多分ここ重要)、その被写体の許可をとって遊んでるとこやポーズを撮る文化。
今残ってる『声かけ』はコスプレイベントでの「写真撮ってもいいですか?」と声かけ事案ぐらいですね。

それの複合型という、ほぼロストされた文化のことです。

会場もまた厳選された、廃校になった学校教室。
昭和×一般少女×ブルマ×廃校の小学校という今の感覚で言えば国士無双みたいなイベント。

一体どんなものだろうと行ってみました。
まず入場の際1000円の入場料が掛かるのですが、払うと同人誌のような入場カタログがいただけました。全28P。
いやこれだけで500円位取っていいでしょ。

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平成に作られたとは思えない昭和感ある表紙。
中を開いてみると、少女たちの写真と展覧会を開いた関係者方がたのコメントが載っていました。

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おそらく当時の、その界隈でトップな方達の寄稿なのでしょう。
熱い思いが文章から伝わってきます。

会場内には机が並べられ、様々な少女の写真がありました。
めっちゃ笑顔の少女、すまし顔でポーズを決める少女、運動会でグッbな少女。

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綺麗。そして温かい。
打ち解けているいい笑顔。
この被写体との良い関係が伝わってくる。
展覧会の教室内は撮影OKだった。
写真からもレギュレーションからも昭和の懐の深さが伺える。

そして教室外の校庭からはサッカー教室のレッスンで駆けまわる子どもたちの声。
でも、それは撮影できない。

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この教室の外は平成27年なのだ。もう声かけ『事案』になってしまうのだろう。
窓一枚隔てた昭和と平成。時空の歪みのような展覧会だった。

撮影者の4人プロフィールが貼ってあったので各々を見ると、世界的スタジオ写真家、失明して引退、正体不明の撮影家、45歳にて亡くなった方とみんな波乱万丈。

行った時はお客も少なく、主催者の方とお話ができた。
とても素晴らしかったことを伝えたら、「君も声かけを始めてみよう」と誘われた。
正直やりたいと言いたかったが、現実的な問題的に難しいだろうなと考えてしまって曖昧な返事をしてしまった。
それだけが悔やまれる。
主催者の方が言うには家族連れや女性もいたらしい。
こういう文化の良さが伝わって広まって復権して欲しいなとも思うが、現実は厳しい方向に進んでいる気がする。
親の心情を考えるとしょうがないけど世知辛い。

そしてこの展覧会最大の特徴的物販として、展覧されてる写真ほか180枚ほどの写真を各個注文すれば、焼き増されて後日配達されるシステムがあった。

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昔で言う、遠足の後の壁にはられた写真の番号を紙に書いて提出してお金を払うと、後で届けられるものだ。
教室の壁一面に、写真のサンプルが貼ってあった。
懐かしい。
好きな子の写真を恥ずかしくて注文できなかった思い出が蘇る。

話を聞くと180枚全て注文した人がいるらしい。大人買い凄い。
私ももう大人になり、思春期特有の茶々入れる友達もなく恥ずかさも薄らいでしまったので、遠慮無く注文してしまった。

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一目惚れした笑顔な子の写真。
きっと彼女もアラサー以上になってるのだろう。

これらを注文して主催者に挨拶して退出。
こんな感じの展覧会でした。

以上手放しで賛同した感想。
こっからは否も入った感想。
写真のほぼすべてが昭和だろうし、もちろん当時は緩かったのでその時の感覚でいろんな権利やその他を取ったなぁなぁのとこはあるだろう。
(逆に全ての子の今の個人情報握ってて、今許可をとってたらそれはそれで凄い)
また自分の感覚が平成を生きて汚れてしまった大人なので、少女とかのブルマや水着に後ろめたさが無いとは否定出来ない。でも表現手法や少女特有の美しさも有る。
手放しで褒められない、自分の中でバランス取りが正直難しいなと思ってしまった。

時勢的に吹けば飛ぶ可能性はある。でも温かい。
ろうそくみたいな展覧会でした。

ぜひ次回も開いて欲しいが、開いたら開いたで大々的に宣伝したらきっと色々横槍も入りそうで難しいなと思ってしまった。

なぁそう思わないか?北田。(誰だよ)

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