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 「フランス産羽毛の原産地証明書を売ってもらえますか」。昨秋、フランスの羽毛加工会社社長の元に、中国の羽毛会社の販売担当から届いた一通のメール。パソコンを操作する手が思わず、止まった。

 原産地証明書は羽毛の産地を保証する書類で通常、金銭で売り買いできない。

 「原産地証明書を使っていったいどうしようというのか」。社長は不信感を抱いた。

 フランスの羽毛加工会社「インタープルーム」のJ・P・カティス社長によると、この中国企業の販売担当とのメールのやり取りは昨年5月13日に始まった。「久しぶりです。商売はいかがですか」とのビジネスライクな中国側のあいさつがあり、「灰色のがちょう(グース)の羽毛はご入り用でしょうか」と続いた。