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介入の用意…麻生氏が異例の明言、米「監視」に反発

2016/5/9 22:11
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 麻生太郎財務相が9日、為替市場で進む円高に「当然介入の用意がある」と語り、直接的な表現で円売り介入をちらつかせた。強い言葉でけん制したのは市場だけではない。財務相の念頭には、4月末の報告書で日本の為替政策を「監視リスト」に入れた米国への反発があったとみられる。しかし、実際の介入が難しいことは市場が見透かしている。

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 異例の発言が飛び出したのは9日昼の参院決算委員会。民進党の小川勝也氏から「米国の監視リスト入りをどう理解しているか」と問われた場面だ。麻生氏は「米国が日本の為替政策を不当に考えているわけはない。制約を受けるわけではない」と応じた後、為替介入に自ら言及した。

 為替市場では大型連休中に最大6円も円高・ドル安が進んだ。日銀が4月28日の金融政策決定会合で追加緩和を見送り、一部市場の期待を裏切ったのがきっかけ。その流れに追い打ちをかけたのが29日公表の米国の半期為替報告書だった。

 米国の貿易相手国の通貨政策を分析した同報告書は日本や中国、ドイツなど5カ国・地域を「監視リスト」に指定。大規模な為替介入などを続ければ米国側から対抗措置をとれる、と位置づけた。不当な通貨安誘導を試みる「為替操作国」を制裁する仕組みは従来あるが、その前段階として各国をけん制する効果を狙ったとみられる。

 「我々の対応を制限することは全くない」。米報告書を受けて麻生氏は外遊出発前の30日に羽田空港で記者団に強調。日本が動きづらくなる、という市場の思惑を打ち消した。それでも為替介入については「必要に応じて対応する」とほのめかすにとどめていた。東京市場が本格的に再開する連休明けの国会答弁でボルテージを上げた。

 麻生氏と米ルー財務長官にはちょっとした“因縁”がある。4月中旬にワシントンで開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でルー氏は「最近は円高が進んだが、為替市場の動きは秩序的だ」と指摘。「偏った動き」と市場をけん制した麻生氏と認識の違いを見せつけた。

 来週には主要7カ国(G7)財務相会合が仙台で開かれ、麻生・ルー両氏は再び顔を合わせる。会合をにらんだ市場参加者の駆け引きも活発になりそうだ。

(上杉素直)

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