筋膜リリースについてインターネットで浅く調べると「筋膜をはがす(筋膜はがし)」とか「筋膜のねじれを解消する」という言葉が出てきます。
しかし、筋膜という筋繊維や筋肉の塊を覆う膜が普段の生活の中で捻じれてしまったり、外から刺激を与えて剥がして良いものなのか不思議に思いました。
とはいえ筋膜リリースについて学ぶ生徒はリハビリの専門家である理学療法士。そう簡単に騙せる相手ではありません。きっと何か深い理論があるのだろう。ということで調べてみました。
筋膜の種類
- 筋内膜:1本の筋繊維を包んでいるもの
- 筋周膜:筋繊維の束を包んでいるもの
- 筋外膜:塊になった筋肉を包んでいるもの
言葉だけでは分かりづらいので、下記のサイトから画像を引用しました。
主治医が見つかる診療所の放送内容
さて、筋膜リリースの提唱者である竹井仁先生は、今回放送された主治医が見つかる診療所では「筋膜を剥がす」「筋膜のねじれ」という言葉は使っていません。
その代わり「筋膜をほぐす」という言葉を使っています。
- 筋膜が固くなっているところの制限を解除して解放(リリース)する。
- 1つ1つの筋肉をストレッチするだけでは不十分であり、筋膜単位のつながりで全身を使ったリリースをすることで、全身の筋肉の働きを良くする。
従来のストレッチでは、例えば太ももの裏(ハムストリング)という局所的な筋肉を伸ばす方法だったのに対して、筋膜リリースでは背中から太もも裏など大きな単位で伸ばす方法を提唱しています。
筋膜単位、筋膜配列、筋膜区画
ひとつの動作をするとき、複数の筋膜単位が配列を作って動作をします。
出典:筋膜マニピュレーション理論編P81 図62
赤い点を持った灰色の線の塊が筋膜単位で、赤い線が筋膜配列です。これを三次元レベルで立体的に考えたものが筋膜区画になります。
図書館司書すげぇ。レファレンス使ったらビックリするよ
さて、今読み進めている筋膜マニピュレーション理論編。これは図書館司書に「筋膜リリースについて教えてください」ってお願いしたら引っ張り出してくれたものです。
レファレンスに書いた質問内容は
- 筋膜リリースとダイエットについて
- 筋膜の写真掲載されている本を紹介してほしい
この二つを書いたところ、返ってきた返事がコレ
1「筋膜」の写真が掲載されている資料
①『トートラ人体の構造と機能』 GERARD J.TORTORA/著 丸善出版 2012
p331「骨格筋組織」の項に筋膜の記述があります。p433に大腿の横断面の図と
写真(カラー)があり、外側から皮膚、皮下組織、筋膜の順に示しています。
②『カラーアトラス人体 第4版』 横地 千仭/著 医学書院 2013
p28に「背部の筋 浅層と中層」の写真(カラー)があり、「胸腰筋膜」と「中殿筋と筋膜」をそれぞれ示しています。
③『解剖学イラスト事典』 松村 讓兒/著 中外医学社 2011
p28~29「骨格筋と腱」の項に筋膜の記述があります。写真の掲載はありませんが簡潔な図で筋膜を示しています。
④『最高に美しい人体図鑑』奈良 信雄/監訳 エクスナレッジ 2014
p37に「骨格筋の構造」の図(カラー)があり、筋膜がどの部分かを示しています。
2「筋膜リリース」についての資料
⑤『Tarzan(ターザン)』2011年7月14日号通巻583号 マガジンハウス
p114~123に掲載の記事「自分でできる筋膜ストレッチ入門。」で、筋膜のねじれ、
リリースの方法について記述があります。
⑥『健康』2016年3月号41巻3号 主婦の友社
p51~78に「腰痛、ひざ痛が筋膜ほぐしで劇的解消」が掲載されています。
ダイエット関連の記事ではありませんが、筋膜ほぐしで体の痛みを解消する方法が載っています。
⑦『筋膜マニピュレーション 実践編』 Luigi Stecco/著 医歯薬出版 2011
⑧『筋膜マニピュレーション 理論編』 Luigi Stecco/著 医歯薬出版 2011
筋膜マニピュレーションは「基質をゲル状態からゾル状態へ移行することで、
コラーゲン線維間の癒着を除去する徒手療法」のようです。参考までに合わせて紹介します。
司書さんが筋膜リリースのブログ書いてよ!
なんで司書さん、こんな細かいこと分かるんでしょうかねぇ。しかも「筋膜リリース」について尋ねたのに「筋膜マニピュレーション」の本を紹介されたり、コラーゲン繊維間の癒着を除去する徒手療法とか、具体的すぎるでしょ(汗)
ここまで詳細に書かれると、もはや知らないことは無い。って感じがします。
司書さんの検索能力って、どうなってるんでしょうね。医学書だけで膨大な量の本があるのに、筋トレ系雑誌であるTarzanまで調べてくるなんて。これって雑誌に目を通していないと分からない内容でしょうに。