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BOWの98画像初心者用講座
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今年(1991年)の1月から2月にかけて「98画像初心者用講座」を連載しましたところ、嬉しいことにかなりのご好評を頂戴しました。ただ最初の部分はメールで差し上げた内容そのものだったため、後から見直してみると不充分な点が目に付きます。そこでこれを補足修正して再度書き込むことに致しました。その結果、第1話から第5話までの情報量は大幅に増えています。そのほかに付録として実用的CRT撮影法を加え第11話としました。
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内容概略
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第1話:ハードとソフト
PC98とその互換機ユーザーでこれから画像を始めよう、作ってみようと 思っていらっしゃる方に現在一番お勧めのハードとソフト等を書きました。
第2話:主要画像関連PDSなどの所在
NIFTYにある主要画像関連PDSなどの所在をまとめました。
第3話:画像ファイルの一口解説
重要な画像ファイル形式(フォーマット)について一口解説をしたものです。
第4話:画像関連PDSなどの一口解説
画像関連PDSとPDDの一口解説です。現時点での最新バージョンは第2話に書いたものがそれで、取り上げる順序もそれに合わせました。
第5話:FBとPC間の画像の転送
PC(G−VRAM、T−VRAM)とFB(ハイパーフレーム+)との間の画像データの転送の方法をPDSの活用を中心にまとめました。
第6話:Kid98とアウトラインフォント
Kid98はVer3にバージョンアップされてからアウトラインフォントが直接使えるようになったので、見本のGIF画像を付けて紹介しました。
第7話:FB画像への文字入れ法(αその1)
FB画像に文字入れを行う方法を具体的に書いたもので、Kid98とアウトラインフォント、ハイパー彩子、LDIMG.EXEを活用しています。
第8話:FB画像への文字入れ法(簡便法)
ハイパー彩子を使わないで、PDSだけで文字入れを行う簡便法の具体的な方法を2種類紹介しました。
第9話:画像合成の実習(αその2)
α情報付きHPIファイルとLDIMG.EXEを使い画像の合成の仕方を実習していただくことを目的として、その教材と手順を述べたものです。
第10話:α情報をうまく設定するには(αその3)
α情報の最後の話としてハイパー彩子でαフィルター曲線をうまく設定するコツを紹介しました。
第11話:実用的CRT撮影法
CRT画面を普通のカメラでうまく撮影する方法を紹介しました。
第12話:おわりにあたって
以前に書き込んだ画像関連文書などの簡単なご案内と謝辞。
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第1話:ハードとソフト
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画像にこれまで関わって来た経験から、PC98とその互換機ユーザーに現在一番お勧めのハードとソフトについてまとめてみました。もちろん他にも色々ありますが、差し当って必要なものはこんなところかと思います。これから画像を始めようと思っていらっしゃる皆様にお役に立つことを願っています。ただ単に画像を見るだけなら★マークを付けたハードとソフトで間に合います。
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8色画像に必要なハード >>
1.すべての98 ★
2.98用のすべてのカラーディスプレイ ★
3.マウス
4.GT6000・GT4000・などのイメ−ジスキャナ
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16色画像に必要なハード >>
1.VM以降の98、またはエプソンのデスクトップタイプの全機種 ★
2.98用のアナログディスプレイ ★
3.マウス
4.GT6000・GT4000・などのイメ−ジスキャナ
<<
256色〜フルカラー(1670万色)画像に必要なハード >>
1.VM以降の98、またはエプソンのデスクトップタイプの全機種 ★
2.アナログディスプレイ ★
3.フレームバッファー ★
(PDSを使うならハイパーフレーム プラスを推奨)
4.マウス
5.GT6000またはGT4000
スピードの点からパラレルインターフェースで接続するものが望ましい。
6.ファイルが大きくなるので40MB以上のHDDが望ましい。
7.ハイパー彩子を使うためには最低2MB以上のEMSが必要。
<<
フルカラー(1670万色)圧縮画像に必要なハード >>
1.〜7.256色〜フルカラー(1670万色)画像に必要なハード
8.高岳製作所のDCT画像圧縮ボード Image Engine ★
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8〜16色画像(VRAM上の画像)の代表的ファイル形式 >>
1.KID98のベタファイル 拡張子がB1、R1、G1、(E1)
2.KID98のZIMファイル 拡張子がZIM(圧縮、非圧縮)
3.WCGIの自動表示ファイル 拡張子がCOM、EXE
4.QLDのGRAファイル 拡張子がGRA(8色)
5.QLDのQ4ファイル 拡張子がQ4(16色)
6.GIFファイル 拡張子がGIF
7.MAKIファイル 拡張子がMKI(16色)
<<
256色〜フルカラー画像(FB上の画像)の代表的ファイル形式 >>
1.RGBファイル 拡張子がRGB(FALファイル付き)
2.Q0ファイル 拡張子がQ0
3.256GIFファイル 拡張子がGIF
4.TIFFファイル 拡張子がTIF
5.PICファイル 拡張子がPIC
6.ハイパー彩子のHPIファイル 拡張子がHPI
<<
フルカラー(1670万色)圧縮画像のファイル形式 >>
1.イメージ・エンジンの
NPGファイル 拡張子がNPG
PGD/PGAファイル 拡張子がPGDとPGA(通常ペア)
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<<
8〜16色画像操作に必要なソフト >>
1.ファイルローダー(デコーダ) ★
ベタファイル BLD.EXE(FQLD1)
BLD6.EXE(EQLD1)
:.E1と.RGBをロード
GRAファイル QLD.EXE(FQLD1)
Q4ファイル XLD4HS.EXE(FQLD1)
:高速表示版
XLD4.EXE(FQLD1)
ZIMファイル ZIMLOAD.EXE(Kid98 Ver.3付属)
ZDISP.EXE(FGALAV)
:640×400専用
ZEUS.EXE(FGALAV)
:640×900、640×400兼用
GIFファイル GIF98.EXE(FPICS)
DEGIF510.EXE(FSKY2)
MAKIファイル MAKI.EXE(FGALAV)
Q0ファイル Q0V98.EXE(FGALAV)
Q0LD4.EXE(FQLD1)
2.画面操作用ユーティリティ
テキスト画面表示、表示停止 TON.COM, TOFF.COM(FSKY2)
グラフィック画面表示、表示停止 VON.COM, VOFF.COM(FSKY2)
G_ON.COM, G_OFF.COM(Kid98付属)
グラフィック画面消去 G_CLS.COM(Kid98付属)
画面制御全般 SC.COM(FQLD1)
3.ファイルセーバー(エンコーダ)
ベタファイル BSV.EXE(FQLD1)
GRAファイル QSV.EXE(FQLD1)
Q4ファイル XSV4.EXE(FQLD1)
GIFファイル ENGIF510.EXE(FPICS)
MKIファイル MAKI.EXE[-s](FGALAV)
4.パレット関連ユーティリティ
a.パレットファイルの取りだし
汎用 TRCPAL.COM(FGALAV)
Q4ファイルから XLDSH.COM(FQLD1)
ZIMファイルから ZPAL.EXE(FGALAV)
GIFファイル(16色)から DEGIF510.EXE(FSKY2)
HPIファイル(16色)から HPI2BRGE.EXE(ハイパー彩子付属)
HPICONV.EXE(FSKY2)
MKIファイルから MAKI.EXE(FGALAV)
b.パレットファイルの変換
ALGとRGBとPAL(WCGI) PALCON.EXE(FGALAV)
ALG→RGB XSV4.EXE(FQLD1)
RGBとALG PALBAR.EXE(FQLD1)
PAL(WCGI)とALG IPKPE.EXE(FGALAV)
:WCGI TOOL群の一つ
PAL(エスキース)→RGB PAL2RGB.EXE(FGALAV)
RGB→PAL(エスキース) RGB2PAL.EXE(FGALAV)
5.イメージカッター GSS.COM(WCGI)(FGALAV)
:WCGI TOOL群の一つ
6.複合型(1.2.3.4.6.が混在) WCGI TOOL 群(FGALAV)
7.スキャナソフト GTSCAN.EXE(FGALAV)
:8,16,フルカラー対応
8.画像制作修正加工用ソフト
2Dペイントソフト Kid98 Ver.3
似非キース(v1.40)(FGALAV)
アウトラインフォント 書体倶楽部
ベクトルエース
9.ファイル操作ユーティリティ FD.EXE(FGALBT)
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<<
256色〜フルカラー(1670万色)画像に必要なソフト >>
1.ファイルローダー(デコーダ) ★
多種ファイル LDIMG.EXE(FPICS)
:RGB,GIF,HPI,PICファイル
GIFファイル FGIF.EXE(FPICS)
TIFFファイル TIFLDHF.EXE(FGALAV)
2.画面操作用ユーティリティ(HyPER FLAME+付属)
FB画像表示 HFON.EXE
HFDISP.EXE[2]
FB画像表示停止 HFDISP.EXE[0]
FB画像消去 HFCLR.EXE
FB+8色 → 16色 HFANDG.EXE[0]
16色 → FB+8色 HFANDG.EXE[1]
HFON.EXE
HFDISP[2]
初期設定 HFON.EXE :ボード使用開始宣言
HFSORE.EXE[1] :FBとして使用
HFBNIO.EXE[1] :I/O方式でアクセス
HFDISP.EXE[2] :FB+PCの8色
HFCLR.EXE :FB画像データ消去
3.ファイルセーバー(エンコーダ)
フルカラー(FALファイル付き) LDIMG.EXE(FPICS)
FALLIO.EXE(FPICS)
256色GIF MKPAL.EXE(FPICS)
FENC3.EXE(FPICS)
4.ファイルの変換
フルカラ− →256TIFF Q02TIF.EXE(FGALAV)
256TIFF →256GIF TIF2GIF.EXE(FPICS)
5.PCとFB間の移動
a.PC→FB PC2FB.COM(FNEC)
:8色画像→FB画像
16TORGB.EXE(FPICS)
:16色ベタファイル→RGBファイル
TXT2FB.EXE(FNEC)
:テキスト画面→FB画像
ハイパー彩子
b.FB→PC Q0V98.EXE(FGALAV)
Q0LD4.EXE(FQLD1)
:フルカラーRGB(Q0)ファイル → GーVRAM
GIF98.EXE(FPICS)
DEGIF510.EXE(FSKY2)
:256GIFファイル → G-VRAM
ハイパー彩子
6.スキャナ取り込みソフト
FSCAN.EXE(FPICS)
GTSCAN.EXE(FGALAV)
GT4HPQ.EXE(FQLD1)
GT4MPQ.EXE(FQLD1)
7.画像制作修正加工用ソフト
2Dペイントソフト ハイパー彩子
FIMGE.EXE(FPICS)
HFZOOM.EXE(FPICS)
8.ファイル操作ユーティリティ FD.EXE(FGALBT)
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<<
フルカラー(1670万色)圧縮画像に必要なソフト >>
1.〜6.256色〜フルカラー(1670万色)画像に必要なソフト
7.圧縮ボード(イメージエンジン)付属ユーティリティ
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第2話:主要画像関連PDSなどの 所在
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★★★ NIFTYにある 主要画像関連PDSなどの 所在 ★★★
<< FPICS DL#1 >> 主要ファイル名など
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GAA01001 91/01/19 30880
HFZOOM11.LZH HyPER-FRAME+用画像調整器具 HFZOOM.EXE
QFF01417 91/01/14 56308
FSCANV42.COM (フレームメモリスキャナ取り込み)FSCAN.EXE
SDI00533 91/01/01 59665
LDIMG132.LZH PC9801+ FRAME MEMORY専用 LDIMG.EXE
PFH01447 90/12/19 19840
16toRGB.LZH 16TORGB.EXE
QFF01417 90/11/17 130088
FIMAGESM.EXE (FIMAGE お試し版) FIMAGE.EXE
SGB01651 90/10/27 11335
TIFGIF10.LZH TIFFファイル→GIFファイル変換 v1.0 TIF2GIF.EXE
QFF01417 90/10/17 98064
GIF98V43.EXE (PC9801用GIFデコーダ) GIF98.EXE
APPLE.EXE
SDI00457 90/06/30 31748
FENC3V1.COM (フレームメモリ256色エンコーダ) FENC3.EXE
SDI00457 90/05/06 40872
FGIFV3.COM(フレームメモリGIFデコーダー) FGIF.EXE
APPLE.EXE
PDC00543 89/12/17 20864
MKPAL120.LZH (256色エンコーダ) MKPAL.EXE
SDI00457 89/02/15 17152
ENGIF510.ARC (GIFエンコーダ) ENGIF510.EXE
<< FGALAV DL#6 >> 主要ファイル名など
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MHC02441 91/03/05 47744
MAKI9840.LZH MAKIローダ/セーバ ver1.40 MAKI.EXE
NBE02263 91/03/04 15092
ZEUS011A.LZH 900ライン 対応 zimローダの決定版 ZEUS.EXE
NBD00022 91/02/26 88888
PSTEXE40.LZH 似非キース(v1.40) 似非キース(v1.40)
QGA00236 91/02/03 19501
Q0V98100.LZH パレット最適化Q0ローダー 98用 Q0V98.EXE
NCC00751 91/01/24 38784
GTS143.LZH GTシリーズ・スキャナー 読込み Ver 1.43 GTSCAN.EXE
GGA00161 91/01/14 16512
PCON100.LZH パレット変更ツール palcon100 PALCON.EXE
NBC02533 91/01/13 157568
WCGI302.EXE WCGI VER 3.02 画像TOOL集 WCGI TOOL群
NBE02263 91/01/04 17571
ZPAL100 .LZH パレットコンバータ ZPAL.EXE
NBE02263 90/12/31 23424
ZDISP274.LZH zim 用画像ローダ ZDISP.EXE
QGA00236 90/12/09 130088
FIMAGESM.EXE (FIMAGE お試し版) FIMAGE.EXE
SGB01651 90/10/27 11335
TIFGIF10.LZH TIFFファイル→GIFファイル変換 v1.0 TIF2GIF.EXE
QGA00236 90/10/20 12492
TIFLDHF.LZH ハイパーフレーム用TIFFローダー(正式版) TIFLDHF.EXE
QGA00236 90/10/11 16927
Q0TIF256.LZH 256色TIFFファイル生成(Ver 1.23) Q0TIF256.EXE
NBD00616 90/07/18 26225
PALTOOLS.LZH パレットファイルをテキストで扱う PAL2RGB.EXE
RGB2PAL.EXE
NBD00616 90/06/16 16416
TCPAL101.LZH 98用アナログパレット取得ツール TRCPAL.COM
<< FNEC DL#1 >> 主要ファイル名など
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TCC00604 90/08/17 6639
TXT2FB.LZH テキストVRAM→HyPER-FRAME TXT2FB.EXE
NAG01764 90/08/09 2304
VRAM−>FRAME BUFFER PC2FB.COM
<< FQLD1 DL#1 >> 主要ファイル名など
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SDI00559 91/01/10 17233
XSV050C.LZH 新XSV4(Ver.0.50C)98用 XSV4.EXE
SDI00559 91/01/03 33153
QLD090.COM QLDローダー/セーバー QLD.EXE
QSV.EXE
PDE00520 90/12/02 5002
XLD4HS2B.LZH XLD4HS.COM V0.44.2B [PC98] XLD4HS.COM
PAG01265 90/12/02 16896
BLD.LZH PC9801用ベタファイルローダ,セーバー BLD.EXE
BSV.EXE
PFD00266 90/12/02 26821
PALBAR.EXE(16色パレット設定) PALBAR.EXE
<< FQLD1 DL#2 >> 主要ファイル名など
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QGA00236 91/02/03 19501
Q0V98100.LZH パレット最適化Q0ローダー 98用 Q0V98.EXE
NCC00751 91/01/24 38784
GTS143.LZH GTSCAN.EXE
NBH01232 90/10/16 46027
GT4000,3000,1000用取込ソフト基本セット GT4HPQ.EXE
GT4MPQ.EXE
PAG01265 90/04/02 19375
Q0LD42.LZH Q0LOAD98 ver.0.42 [PC98] Q0LD4.EXE
PFD00266 89/07/10 10581
SC.COM Ver504 / 画面制御ユーティリティ SC.COM
<< FSKY2 DL#6 >> 主要ファイル名など
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MGG02232 90/12/02 12133
FD_CFG.LZH 画像のためのFD.EXE活用法 FD.EXEの活用法
SDI00374 90/09/27 9760
HPICONV.LZH HPICONV.EXE
SDI00374 90/06/02 22656
GIF510H.LZH DEGIF510.EXE
MGG02232 90/05/20 2301
ハイパーフレーム+ユーティリティ(HFP_UTT.LZH) HF+ユーティリティ活用
MGG02232 89/07/26 16123
画像ミニ・ユーティリティ CGUTIL.COM TON.COM
TOFF.COMなど
<< FGALBT DL#6 >> 主要ファイル名など
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SDI00544 90/11/12 54893
FD221.LZH ファイル管理ツ-ル FD Ver2.21 FD.EXE
<< FCASE DL#10 >> 主要ファイル名など
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MGG02232 89/11/19 22144
実用画像通信(本文) 8、16色画像の解説
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第3話:画像ファイルの一口解説
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先に取り上げた画像ファイルについて一口解説をします。できるだけ客観的に書きたいとは思っていますが、誤解と偏見が入ることは避けられないでしょう。そのことを念頭に置いてお読み下さい。
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8〜16色画像>
1.ベタファイル
G-VRAMのデータをそのまま各プレーン毎にファイルにしたものです。構造が単純で圧縮が全くされていないためファイルのサイズが大きく8色で96KB16色で128KBにもなります。基本的な画像ファイルなので多くのPDSやアプリケーションソフトがこれをサポートしています。今は他のファイルに変換する際の中間ファイル(テンポラリファイル)となりつつあります。
2.ZIMファイル
Ver.2から登場したKID98の標準ファイルです。圧縮がされているだけでなく、Ver.3からはこのローダー ZIMLOAD.EXEや、多彩な表現が可能な ZIMSLIDE.EXE も提供されたことで重要なファイルになりそうです。PDSも充実し、ZDISP.EXEのほか900/400 ラインの対応の ZEUS.EXEも提供され急速に重要な画像フォーマットになりそうな気配です。これまでは一時備蓄的に使われるか他のファイルへ変換の中継的な存在でした。
3.WCGIの自動表示ファイル
これは佐渡のWAI-WAI NET で作られた独創的な画像形式で、その中心は画像ローダーを内蔵した実行型ファイル(つまりCOM、EXEファイル)です。98ユーザーであれば、画像の知識を全く持っていなくても、ファイル名を入力するだけで瞬時に画像を表示できます。FD.EXEを利用すると矢印キーとリターンキーの操作だけでファイル名の入力も可能で便利です。
今回ヴァージョンアップされ、バッチファイルでG−VRAMデータからのファイル作製や、既成のファイル形式からの変換も可能になりました。
4.GRAファイル
NIFTYのFQLD、PC−VANのQLDSIGの故「魔女」さんが作られたフォーマットで、本来は8色デジタル画像用です。画像表示速度が非常に早く、表示が線順次で見やすく、圧縮もかなり高度に行なわれています。次のQ4ファイルと同様に、関連画像ユーティリティーが極めて豊富ですし作品も豊富で多彩、音楽や紙芝居などにも使われ熱気にあふれています。
5.Q4ファイル
日本のパソコン通信の中で現在最も多くの人に使われている画像形式がこのQ4ファイルです。故「魔女」さんが作られもので、現在もQLDグループが次々と発展させています。圧縮率は最高の部類に属しますが、表示速度の遅いのが欠点でした。しかし迅速表示ローダー XLD4HS.COM が提供されたので、その欠点も無くなりました。
6.GIFファイル
アメリカのCompuServeが開発した機種依存性のない画像ファイル形式です。98やその他のMS−DOSマシーンの他にMacでも同じファイルの画像が鑑賞できること、圧縮が高度であること、256色から8色迄サポートしていること、256色の画像を8〜16色のハードでも鑑賞することが可能であることが長所です。多機種のパソコンが使われる通信の世界では共通の画像形式として存在価値が大きくなって来ました。
7.MAKIファイル
MAKIフォーマットは、草の根ネット「まきちゃんNET」において開発されたアナログ16色画像のデータファイル用フォーマットです。圧縮率はQ4フォーマットより少し劣りますが、表示速度が素晴らしく早くパレットファイルは拡張子がQ4やGIFと同じRGBです。
8.パレットファイル
8色画像はパレットを必要としないので簡単ですが、16色画像では同時にパレットファイルを必要とします。画像ファイルの中に内臓されているものもあれば、画像ファイルとは別個にするものもあり、そのファイル形式や標準(デフォルト)のパレット内容も画像ファイルの形式が違えば一般的には異なります。16色画像で最も理解に苦しむのはこのパレットに関する所ではないかと思うのですが、適当な解説書が見あたりません。私が一昨年にまとめた「実用画像通信」をお読みいただければお役に立つかと思います。
パレットファイルの形式は .RGB .ALG .PALが代表的です。RGBはQ4やGRAなどのQLD画像、16色GIF画像、MAKI画像などで使われているバイナリファイルです。ALGはZ'sSTAFFのKid98で使われ同じくバイナリファイルです。PALは先のものと違ってテキストファイルで、WCGIの自己画像表示型のファイルや「エスキース」などで使われています。ただし同じPALという拡張子ですが、パレットの内容(配列)がWCGIと「エスキース」では違うので注意が必要です。
第1話の「8〜16色画像操作に必要なソフト」のところで、4.パレット関連ユーティリティとして、パレットファイルの取りだしとパレットファイルの変換に役立つPDSをまとめておきました。
9.画像ファイルの変換
ある画像フォーマット(A)で保存されている画像のデータを別の表示形式(B)に変換することは簡単に行えます。それにはまずA形式の画像ローダでG−VRAMにその画像データをロードし、そのG−VRAMのデータをB形式の画像セイバーで保存するだけでよいのです。
8色画像ならこれで良いのですが、16色画像の場合はパレットファイルの問題があるので少し複雑になります。パレットが取り出せるとか、分かっている場合は保存する際に一緒にパレットを組み込んでおけば良いのですが、もしもこれがが不明の場合、試行錯誤でパレットを作らなければなりません。幸いなことに最近多くのパレット関連ユーティリティがPDSとして公開されるようになり状況がよくなりました。
<
256色〜フルカラー画像>
1.RGBファイル
フルカラー画像の標準的なファイル形式で、RGBそれぞれ8ビットづつ合計24ビットの情報を持った点が水平方向に点順次で並ぶフォーマットです。市販ソフトや画像のプロの方は通常「RGBベタファイル」とか「フジカラーフォーマット」とか呼んで、拡張子を.RGBとしています。
98ではフルサイズで 640×400=256,000ドットなので、98フルサイズのRGBファイルは256000×24÷8=768,000バイト(768KB)もの大きなサイズになり、1MBのフロッピーに1個しか収納できません。
FPICSの前SysopのマジックさんがこのRGBファイルのサイズと表示位置情報を持つFALファイル形式を作られ、多くのフルカラー対応のPDSがこれをサポートしているので非常に便利になりました。これと同じ働きをするものにIPRファイルがあり、ハイパー彩子で採用されています。
2.Q0ファイル
RGBファイルと全く同じフルカラー・ベタ・フォーマット・ファイルです。この形式をFQLDではQ0フォーマットと呼んで拡張子に.Q0を使用しています。
G−VRAM画像から出発したQLDグループが他機種への画像フォーマットの変換を通してフルカラー画像に到達されたことに興味と感慨を覚えます。RGBファイルというのはG−VRAMの世界ではパレットファイルの名前であるため、それと区別する意味でQ0という名を使ったのでしょう。
3.256GIFファイル
8〜16色画像の所で書いたのに付け加えますと、256色のカラー画像は8〜16色カラー画像とは月とスッポンの違いがあり、フルカラーと見間違う場合がしばしばあります。しかしエンコーダー(セーバー)の性能や画像との相性によってはフルカラー画像に見劣りすることも時には起こります。
これがモノクロになりますと16階調でも画質はかなり優れたものになり、CTやMRI、USなどの画像は16色でもほぼ満足できます。256階調のモノクロになりますとフルカラーに近い画質が得られるので、X線写真や印刷用の写真などはこれでフルカラーの代用が可能です。
GIFファイルの最大の長所は機種依存性がなく、沢山のマシンで画像を見ることができるということでしょう。
4.TIFFファイル
FM−TOWNSは高度なAV機能を持っていて、3万2千色同時発色が可能です。その標準的な画像フォーマットの一つがTIFFファイルです。TIFF規格はAldus社とMicrosoft社間で制定された規格ですが、ソフトによって細かい仕様が違い方言が多いといわれています。
5.PICファイル
X68000で使われている画像形式の一つです。ただX68000と98とではドットの縦横比が異なるので、98で表示するにはそれ相当の工夫が 必要になります。
6.HPIファイル
ハイパー彩子の固有ファイル形式で、フルカラー以外にも対応していますが中心はフルカラーです。このファイルが便利なのはα情報を持ったファイルを作れることで、画像の合成に威力を発揮します。LDIMG。EXEというPDSがこのファイルをサポートしているので一層便利になりました。
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フルカラー圧縮画像>
1.NPGファイル
イメージエンジンという高岳製作所の圧縮ボードに対応しているファイルの一つで、フルカラー画像がそのまま1/20〜1/30のサイズに圧縮されしかも表示速度が256GIF画像などと比べてかなり速いという願ってもないファイル形式です。(NPG=NonProGressive)
欠点は人工的な画像の場合、時には画像の劣化が見られることです。自然画の場合はCRTで識別できる程度の画像の劣化は認められないので、自然画を利用する機会の多い医療関係で問題になるのは自然画に文字入れをする場合でしょう。
文字が白か黒であれば全く支障はないのですが、その他の色の場合その文字が劣化する可能性があり、注意が必要です。
2.PGD/PGAファイル
これもイメージエンジンのファイルですが、PGDという概略表示用のものとPGAという詳細表示用のファイルの2階層からなっています。PGDは圧縮率が高く(1/100)、単独あるいはPGAとペアで画像の概略表示に使います。PGAは単独で画像表示はできず、PGDと組んで詳細画像の表示に用いますが、ファイルサイズが原画の1/10程度の低圧縮率である点がNPGファイルに劣ります。
NPG画像よりも画像の劣化は少ないのですが、自然画に限ればディスプレイ上で見る限りほとんど区別はつかず、NPG画像でほとんど間に合います。
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第4話:画像関連PDSなどの一口解説
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今度は画像関連PDSとPDDについて一口解説をします。今まで実際に使用してきた経験に基づき書いて行きますが、ここでも誤解と偏見が入ることは避けられないと思います。現時点での最新バージョンは前々回のPDSの所在のところで書いた通りで、取り上げる順番もそれに合わせました。
1.HFZOOM.EXE
このソフトはフレームバッファー「HyPER−FRAME+」上に表示されている画面を、1)拡大 2)スクロール 3)明暗調整 4)階調変化させることができる便利なトゥールで、FPICSに「おそまき」さんが公表されたものです。機能はすべてHyPER−FRAME+の表示用ハードウェアー制御によって行なわれているため、画像定着を実行しない限り、画像データ自体は変化しないのが嬉しいです。
2.FSCAN.EXE
FPICSの前のSysopの「マジック」さんの作られた傑作で、スキャナ取込みソフトの中の最高のものだと思います。使いやすさ、機能のいずれをとってもこれに勝るものを知りません。エプソンのGT4000かGT6000のパラレルインターフェース専用で、フレームバッファーは「HyPER−FRAME」のみサポートなのでご注意下さい。
3.LDIMG.EXE
FPICSの今のSysopの「WATA」さんが作られた非常な傑作で、FB上の代表的なファイルをプルダウンメニューで表示できます。例えばフルカラーRGB、256GIF、ハイパー彩子のHPIファイルなどがサポートされ、中でもHPIファイルはα情報をとりこんだものも処理できるし、RGBファイルはマジックさん作のFALファイルとコンビで利用できるので非常に便利です。X68000のPICファイルも表示できます。
このPDSは画像の表示だけでなく、移動、拡大、縮小、左右上下反転、その他多くの編集機能を持ち、コメント表示も可能で、もちろんファイルの保存もできます。
FBとしては元々 HyPER FRAME を対象としていますが、SUPER FRAME用に変更するためのトゥールも付属しています。
4.16TORGB.EXE
アナログ16色データ(Z’sSTAFF形式のベタファイル)をフルカラーのRGBベタファイルに変換するユーティリティで、FGALAVに「nezumi」さんが公表されたものです。8色からの変換は行えません。変換したいファイルをまとめて一ヵ所のディレクトリーに入れプログラムを実行すると同じディレクトリーにフルカラーのファイルが作成されます。サイズは640×400固定で、パレットの形式はもちろんALGです。
5.FIMAGE.EXE
これは「マジック」さんが作られた「画質の調整用」のPDSで、写真やCGの最後の仕上げに使用すべきものです。未だ完成品ではないと断りが入っていますが、画質調整のおよそ考えられる殆どの機能を備えています。完成の暁にはこれの4倍近い画像処理能力が与えられるということなので、呆れるばかりです。前のPDSに劣らずこちらも非常に使いやすくできていて、制作者のユーザー重視の気持、それを可能にする優れた能力をひしひしと感じます。これをPDSで使える私たちは何と幸せなことでしょう。
対象とするFBは HyPER FRAMEだけなので、ご注意ください。
6.TIF2GIF.EXE
これはFPICSのサブSysopである「SHU」さんの作品で256色のTIFFファイルをGIFファイルに変換するのに使います。
何故このようなFM−TOWNS用のTIFFファイルが98の画像に関係するのかと言いますと、1)機種依存性のないGIFファイルに変換してFM−TOWNSの画像を見る場合に使う、2)本当の目的はフルカラー画像(RGBファイル)を一旦256色のTIFFファイルに変換し、これを256GIFに変換する中継ぎに使うためです。
フルカラーRGBファイルからTIFFファイルを作成するPDSとして11。Q0TIF256。EXEがあります。
7.GIF98.EXE
これも「マジック」さんの作品で、本来は16色(8色)GIFのローダですが、256色のGIFファイルをFB無しで疑似的に鑑賞する機能が付いています。この機能はFBを持っていなくても、256GIF画像を16階調モノクロか8色カラーのいずれかで見ることができてありがたいのですが、FBを持っている場合にも別の有用な使い道があります。
それはFB上の256GIF画像をPCのG−VRAMに転送する道具とする場合です。ハイパー彩子などを使わなくても256GIFファイルをGIF98で表示させ(G−VRAMに画像が残ります)これを希望する画像ファイルのセーバーで保存すれば、FB画像がPC画像に落せます。
このPDSはメニュー形式とコマンドにオプションを付ける形式の両方がサポートされています。沢山のファイルを見るときはメニュー形式を選び単一のファイルを見る時はコマンド形式を選べるので便利です。
8.APPLE.EXE
MacバイナリーでアップされているGIFファイルには128バイトの余分な情報がついている場合があります。もしも98でうまく画像表示ができない場合はこの余分な情報が付加されていると考えて、カットを試みる値打ちがあります。そのためのユーティリティがこれなのです。
GIF98.EXEやFGIF.EXEなどのGIFローダーには、この「マジック」さんの作られたこのソフトが梱包されています。
9.FENC3.EXE
これも「マジック」さんの作品で、フルカラーRGBファイルから256GIFファイルを作るためのエンコーダーです。以下のような多くの変換モードを持っているのにもかかわらず使いやすいPDSです。
変換モードとしては256色カラーではNモード、Hモード、Sモードの3種類が選べますし、モノクロ256諧調、モノクロ16諧調、レントゲンモード(ネガポジ変換)などもサポートされています。
変換の方法もメニュー画面からFB上のデータを使ってGIFファイルに変換する普通の方法と、データを自動的にFBにロードしてGIFに変換するバッチ処理モードが選択できます。これは沢山のGIFファイルを作る場合に便利です。
対象とするFBは HyPER FRAMEだけなので、ご注意ください。
10.FGIF.EXE
これも「マジック」さんの作品で256色GIF画像を表示させるローダ(デコーダ)です。2のLDIMG.EXEが提供されるまでは、98で256GIF画像を見るための唯一のトゥールでした。
LDIMGがメニュー形式でファイルを選択するのに対して、FGIFはコマンドラインでパラメータとしてファイルを選ぶオーソドックスなものです。単に1個の256GIFファイルを表示させるだけでよいの場合はこのFGIF.EXEをFD.EXEのマクロに組み込んでおいて、矢印キーでファイル選択をして画像表示するのが便利です。
対象とするFBは HyPER FRAMEだけなので、ご注意ください。
11.MKPAL.EXE
「WATA」さんが作られた256色GIFエンコーダです。FENC3と異なる点はDIZA処理を選択できることです。フルカラーから256色に減色した場合に時々モアレという縞模様が表れることがありますが、このDIZA法で疑似中間調処理を行うとその現象が表れ難くなります。
FENC3と違って変換モードはDIZA処理をするかしないかの2種類に限られる他、コマンドラインからRGBファイルを自動的にFBに読み込みエンコードする変換方法もサポートされていません。
256色GIF画像を無難に作りたい場合には、まずはこのMKPALでDIZA処理を選ぶことをお勧めします。
12.ENGIF510.EXE
これはPC−VANの「510」さんが作られた8色、16色のGIFフォーマットの画像ファイルを作るエンコーダーです。
G−VRAMに画像データがある場合に以下の様にして作ります。
ENGIF510 ファイル名(拡張子省略)<cr>
ENGIF510 -M ファイル名(拡張子省略)<cr>
ENGIF510 -A パレットファイル名(拡張子.RGB) ファイル名(拡張子省略)<cr>
上から順に、8色、モノクロ16階調、16色GIFができあがります。
パレットファイルのフォーマットはQLD画像のそれと同じです。
13.MAKI.EXE
「まきちゃんネット」の「ひろふみ」さんが作られたMAKIファイルのローダーで、画像の高速表示のほか、セーバーも兼ね、なおかつパレットの取り出しもできるという勝れものです。パレットは .ALG, .RGB, .PAL, の3種類の形式に対応しています。
14.ZEUS.EXE
1991/3/4に公開されたばかりのKid98のZIMファイル用ローダです。圧縮/非圧縮、900/400 ラインに対応し、可変速スムーススクロール機能輝度調整機能、モノクローム化機能、色相反転機能をサポートしています。FGALAVのDL#7にあるMOONLESSをロードしてスムーススクロールしてみるとこのソフトと900ライン画像の素晴らしさが良く分ります。ただし900 lines のデータをロードしスムーススクロールするには、メモリーに 370K bytes 以上の空き領域が必要です。このPDSは「だおだお City NET」の「黒蕎麦システム開発」によって作られたものです。
15.似非キース(v1.40)
Kid98と双璧をなす?「エスキース」をもじったペイントツールです。アスキー版マウスドライバが必要なので、Kid98 ver2 付属のzmouse を使うのがいいと書かれています。「まきちゃんネット」の「野村 広」さんの作品です。
16.Q0V98.EXE
FGALAVのSysop「戦うクラリス」さんが作られた、フルカラーベタファイル(拡張子:Q0)を16色に減色しCRTに表示するソフトです。ESCキーを押すとG−VRAMにデータを残して終了します。またこのソフトはマジックさんのFALファイルをサポートしています。
このソフトはファイル名の拡張子を省略して表示させた場合、同じ名前のRGBパレットファイルを生成するようになっています。もしもフルカラーベタファイルの拡張子がRGBなら、RGBをQ0にリネームしなければなりません。そのようにして同名のRGBパレットファイルを作った後Q0ファイルをRGBファイルに戻すことを不用意に行うと、折角作ったRGBパレットファイルを壊してしまうことになるので注意が必要です。
Q0V98 TSTA
→ TSTA.Q0 を表示し、TSTA.RGB を生成する。
Q0V98 TSTB.RGB → TSTB.RGB を表示するが、パレットファイルは生成しない。
16色画像ファイルを作るには、G−VRAMのデータとこのパレットファイルを使って望むファイル形式の画像セーバーで保存すればよい訳です。
このソフトによって作られた16色画像は非常に高画質ですが、時には減色結果に満足できないこともあります。そのような時にも画質を改善できるように多くのパラメタが用意されていて、自身の価値を高めています。
17.GTSCAN.EXE
「MOON-NET」の「にゅうたいぷ」さんが作られたPDSで、フレームバッファを持たない人でもフルサイズ、フルカラーのQ0ファイルを作ることができるようにしたスキャナソフトです。GT6000の他GT4000などにも対応しています。
HyPER FLAME+にも対応していますが、マジックさんの作られたFSCAN.EXEの方がはるかに使いやすく高機能だと私は思います。
18.PALCON.EXE
「wai・wai-net sado」の「DoRa」さんが作られたパレットファイルのコンバータで、WCGIのPALファイル(エスキースのPALではない)Kid98のALGファイル、GIFやQLD、MAKIなどで使われているRGBファイルを相互に変換します。
19.WCGI関連 TOOL群
「Wai・Wai-Net Sado 」の「int86x」さんが作られた「自己解凍自動画像表示」型のCOMまたはEXEファイルを作製するグラッフィック・トゥールの集合体です。CGの「幕の内弁当」といわれるほど多くのユーティリティを内臓していますが、その中心になるソフトがIPK.EXEです。これはイメージカッターGSS.COMによってファイルに落した画像データを素材にして実行型ファイルを作ります。
機種が98に限定されていますが、ファイル名を入力するだけで8〜16色の画像が迅速に表示できるということは素晴らしいと思います。
WCGI300にバージョンアップされて、より機能が豊富になりました。例えば、これまで対話型でこの画像ファイルを作る方法しか与えられていなかったのが、コマンドラインからオプションや引数を使って作製することができるIPKSV.EXEも提供されました。
素材にできるデータもイメージカッターGSS.EXEで取り込んで作るIMGファイル以外にベタファイルにも拡大されたので便利になりました。
20.ZPAL.EXE
これはKid98のZIMファイルからアナログパレットを様々な形で抜き出すユーティリティーです。圧縮/非圧縮、大きさの違いなどは関係ありません。仮にアナログパレットが記録されていなくても、自動的に標準値をセットします。
現在対応しているのは RGB、PAL(ESQUISSE)、ALG(KID)、の3種類のアナログパレットファイル形式です。「Banana−NET」の「うみちゃん」の作品です。
21.ZDISP.EXE
これも「Banana−NET」の「うみちゃん」の作品で、Kid98の標準画像フォーマットであるZIMファイルのローダーです。400ラインにのみ対応で900ラインの画像は表示できません。Kid98には今回のVer.3からZIMLOAD.EXEというZIMファイルローダーが提供されるていますが、こちらの方が高機能で使い易いでしょう。
22.TIFLDHF.EXE
FM−TOWNSは3万2千色同時発色が可能で、その標準的な画像フォーマットの一つとしてTIFFが採用されています。このソフトウェアはハイパーフレームを使用することにより、FM−TOWNSの画像を98で表示可能にします。対応は、32k色モード、256色モード、カラーパレット付き256色モードです。FGALAVのSysopである「戦うクラリス」さんの作品です。
23.Q0TIF256.EXE
FGALAVのSysop「戦うクラリス」さんの作品です。フルカラーQ0ベタファイルを減色して、パレット付きの256色TIFFファイルを作るプログラムで、FALファイルもサポートしています。
このソフトで作られたTIFFファイルを98で見るためのPDSもありますが、TIFFファイルを中継して256色GIF画像ファイルを作製するのに利用しようというのが、本当の使用目的だと言えば作者に叱られるかも知れません。これに連動するのが4のTIF2GIF.EXEです。
24.PAL2RGB.EXE
「metys / Kleenex 」さんが作られたPALTOOLに含まれているユーティリティで、エスキース形式のPALL型パレットファイル を一般のグラフィックソフトや画像圧縮ツールで標準的に使われているRGB型パレットファイルに変換します。
25.RGB2PAL.EXE
上とは逆にRGB型パレットファイルをPAL型パレットファイルに変換します。
26.TRCPAL.COM
「ASCII−PCS」の「NCC−1701A」さんの作品で、98のアナログパレット情報を取り出すトゥールです。起動すれば常駐します。常駐させた後<GRPH>キーを押してる間トレースモードになり、離すと解除されます。<CTRL>+<SHIFT>でアナログパレットデータとグラフィック画面をセーブします。まずアナログパレットのファイル名入力となり、ファイル名を入力するとセーブが行われ、RGB型のパレットファイルが作られます。続いてグラフィック画面のファイル名入力となりますが、必要がない場合は単に<cr>でスキップします。
27.TXT2FB.EXE
これはFNECの「sect」さんの作品でテキスト画面(T−VRAM)のデータをFBに転送するソフトです。文字は16ドットに限られていますが、FB上の画像に文字入れをするのに便利で、エスケープシーケンスを使えば8色が選べます。
KID98やベクトルエースで作ったG−VRAM上の文字をFBに取り込むのは比較的簡単ですが、これをFB上の画像の文字入れ用に使うにはα情報を持たせなければならず、ハイパー彩子などを必要とします。
その点、FB画像を表示した状態でエディターなどを起ち上げてテキストファイルを作り、このPDSを使ってFBに転送すると、文字の背景部分は透明で文字だけがFB上の画像に表示され、合成が完了します。
通常の文字入れはほとんどの場合これで間に合うと思います。
28.PC2FB.COM
これはFNECの「Alice」さんの作品で、98のG−VRAM上にあるデータをFBに転送するユーティリティです。PC2FB<cr>とするだけで実行されます。
ただし8色に限られていてRGBの3面のデータだけが転送される訳です。PC8色画像をFBに転送する最も簡単な方法として利用価値は大きいと思います。
29.XSV4.EXE
FQLDのSysopだった 故「魔女」さんの作品で、Q4ファイルのセーバーです。以下14から19までは魔女さんを中心とするQLDグループによって作られ、発展してきたソフトです。
30.QLD.EXE
これは 故「魔女」さんが作られた8色GRAファイルのローダーです。
31.QSV.EXE
これは 故「魔女」さんが作られた8色GRAファイルのセーバーです。
32.XLD4HS.COM
これは 故「魔女」さんが作られたXLD4.EXEを高速表示版にしたもので、Q4ファイルの弱点だった表示速度の遅さを克服しています。
33.BLD.EXE
これは 故「魔女」さんが作られた8色ベタファイルのローダーです。.B1、.R1、.G1ファイルが対象となります。
34.BSV.EXE
これは 故「魔女」さんが作られた8色ベタファイルのセーバーです。オプションで /E を指定すると E1ファィルを同時に作成します。
35.PALBAR.EXE
これは 故「魔女」さんが作られたパレット操作ユーティリティです。KID98などのパレットファィル(拡張子 ALG)とQLD画像ファイル群のパレットファイル(拡張子 RGB)との変換にも利用できます。
36.GT4HPQ.EXE
これは「M.MATSUDA」さんと故「魔女」さんが作られたものです。エプソンのスキャナーGT1000、3000、4000用の16色専用読み込みソフトで、GT6000でも動作するとのことです。RS232C、パラレルポート どちらにも対応しています。8/16色を面順次で16色標準パレットまたは、オプションで任意のパレットに取込みます。
他にパラレルインターフェース専用で、線順次に8/16色を取り込む、GT4HLQ.EXEがあります。
4096色中16色モードのスキャナー読み込みのソフトは他にほとんどなく、かっては愛用したPDSでした。
37.GT4MPQ.EXE
これはGT4HPQ.EXEのモノクロ16階調取込み版です。パラレルポート専用で、線順次取込み用のGT4MEQ.EXEもあります。
38.Q0LD4.EXE
これはフルカラーのQ0ファイルをPC9801のG−VRAMにロードするソフトで、「M.MATSUDA」さんと故「魔女」さんの作品です。以前Q0LOAD98.EXEという名前だったのが、Ver.0.42からQ0LD4.EXEに改名されました。フルカラーベタファイルから8色、16色、モノクロ2階調、モノクロ8階調、モノクロ16階調の画像に変換できます。パレットはQLD画像の標準パレットになっています。
16色に関してはQ0V98.EXEによるものの方が、よりフルカラー画像に近いような印象を受けますが、選択肢が増えるのは嬉しいことです。16色以外の画像(8色、モノクロ2、8、16階調)に変換する場合はこのソフトが有用です。
8色GRA画像から出発したQLD画像が発展して16色Q4画像になり、それらの原点としてフルカラーQ0画像に到達した経過を思う時、本質的にアカデミックだったこのグループに対して深い敬意を抱きます。
39.SC.COM
PC9801のグラフィック画面を2枚持つマシンに対し、これら2枚の画面の合成、反転等が簡単に行うことができるように作られたものです。非常に勝れた画面制御ユーティリティで「TakuYa」さんの作品です。
40.FD.EXE
これは「出射 厚」さんの作られたPDSで、その素晴らしさは今更説明するまでもないと思います。これほど役に立つソフトを他に知りません。私にとってもうこれ無しの98は考えられない存在になりました。
41.画像のためのFD.EXEの活用法
FD.EXEをカスタマイズしてマクロ機能をフルに使うと機能がアップします。例えば、各種の画像ファイルを矢印キーで選んで単独に表示させたり、画面のクリアー、表示停止、表示再開などの処理を行う場合には、<GRPH>キーとアルファベットの1文字を同時に押すというワンタッチ操作だけで可能になります。その具体的な方法と関連バッチファイルを紹介したものです。
42.HPICONV.EXE
ハイパ−彩子の16色HPIファイルより、パレット情報とG−VRAMベタファイルを読み出します。パレットはエスキ−スで利用できるPALファイルとWCGIのIPKで利用できるPAWファイルを出力します。「YUH」さんのPDSと書かれています。
PALファイルにはエスキースのものとWCGIのものがあり、テキストファイルであることは同じですが、構造が異なります。そこでWCGIのPALファイルをPAWとしたのだと推定されます。
43.DEGIF510.EXE
多機種との互換性をもった数少ない画像フォーマットであるGIFファイルのローダ(デコーダ)です。初期値はデジタル8色モード、オプショにでアナログ16色も表示可能です。「510」さんのPDSです。
使いやすさから言えばマジックさんのGIF98.EXEの方が断然上だと思います。
44.HF+ユーティリティ活用法
HF+に付属のユーティリティの説明はお世辞にも親切だとは言えません。しかしこれもうまく使えばかなり便利な代物です。そこで<初期設定>と<便利なバッチファイル>についてまとめてみました。多くは試行錯誤によって知ったものです。
45.画像ミニ・ユーティリティ
これは通信を始める前、画像を独習していた頃に必要に迫られて泥縄式に自作したユーティリティです。テキスト画面の表示と表示停止などは実用上必要なことがりますが、余りにもマイナー過ぎるためか他には見当たりません。その他ファンクションキーの表示、非表示とか小さなことでお役に立つこともあるかも知れません。FSKY2のDL#7の医用画像独習記とペアでアップロードしたものです。
46。実用画像通信(本文)
これは平成元年10月の「医療におけるパソコン通信シンポジウム」で担当した「実用的画像通信」の講演ために準備した資料をまとめたものです。
8、16色画像の基礎的な解説書が見当たらないので、この時点での私なりのまとめを書き、説明用の21個のCGと各種のパレットファイルを同時にUPしました。これを最後に私はフルカラー画像に進みましたがPC画像(8、16色)ではその後余り大きな変化はないようです。
41、44〜46は、私BOWがNIFTYのFSKY2とFCASEにアップロードしたものです。
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第5話:FBとPC間の画像の転送
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PC(G−VRAM、T−VRAM)とFB(ハイパーフレーム+)との間で画像データの転送を必要とする場合が実用上時々出てきます。この方法としてハイパー彩子の「PC GRAPHICS」を利用するオーソドックスなものの他に、PDSを活用するのも便利です。ここでは後の方法を書いてみます。
<< PC→FB >>
1.PC2FB.COMの利用
1)FB画面とPC画面のスーパーインポーズの状態にしておきます。
2)98の8色デジタル画像を表示します(VRAMのRGB3面のデータ)
3)PC2FB<cr> (FB上にデータが転送される)
4)G−VRAMの画像を表示停止にします(VOFF、G_OFFなど)
5)FB上の画像のみが表示されます。
注:8色画像のFBへの転送の方法としては最も簡単です。ただし透明度の情報を欠いていますので、それが必要な場合はハイパー彩子を使って加工することになります。
2.16TORGB.EXE
1)同一ディレクトリに TST.B1, TST.R1, TST.G1, TST.E1, TST.ALG を置き、
2)16TORGBとすると、
3)同じディレクトリに TST.RGBというフルカラーベタファイルが作られます。
3.TXT2FB.EXEの利用
1)FB画面とPC画面のスーパーインポーズの状態にしておきます。
2)FBの画像を表示します。(RGBでもNPGでもGIFでも可)
3)その状態でエディターを立ち上げます。そうするとこの画像にスーパー・インポーズしてエディターの編集画面になります。
4)画像に合わせて文字を配ります。この時文字の水平の位置は変わらないが垂直の位置はどの様にしても最終が24行目になり、25行目にはならないことに注意する必要があります。だから24行目が文字入れ可能な最終行であることを念頭におき、ファイルも24行で終らせるのが計算し易いでしょう。
5)これを例えばTXT。DOCのファイル名でセーブします。
6)もしも文字を黒色にしたいなら、このファイルの文字の前に黒色を表示するエスケープシーケンス(^[[30m)を付けて、例えばTXTB.DOCという名前でセーブします。
7)以下の内容のバッチファイルを作ります。
ECHPO OFF
CLS
FKY OFF
TYPE TEXT.DOC
TX2FB
ただしFKY.COMは25行目のファンクションキーの表示、非表示に使うユーティリティ(BOW作)でエスケープシーケンスで代用可能です。この内容のファイルを仮にTXT.BATという名前でセーブします。
8)TXT<cr>
上記のテキスト画面の文字だけがFB画像に転送されます。しかし背景は透明度が高い状態として処理され転送されません。そのためFB画像上に直接文字入れが可能なのです。
注:TXT2FBは文字の大きさが16ドットに固定され、位置もテキスト画面と同じであるという制約はありますが、このように極めて簡単な方法でFB画像に文字入れをすることができるので便利です。
文字の色もエスケープシーケンスを活用すれば8色の文字や反転文字も可能ですが、将来圧縮ボードを利用する予定であれば、文字は白または黒に限定しておくと圧縮画像にしても崩れません。
4.GIFファイルとFGIF.EXEの利用
1)ENGIF510.EXEを使ってGIFファイルを作ります。その要点は第4話に書いておきました。これを仮に PC.GIFとします。
2)FGIF PC<cr>
FB上にPC.GIF画像を表示されます。これでPC画像がFB画像になります。
注:FGIF.EXEの代わりにLDIMG.EXEを使っても構いません。
<< FB→PC >>
1.Q0V98.EXE
1)FB上のフルカラー画像を仮にFB.RGBとします。これをFB.Q0にリネームします。
2)Q0V98 FB<cr>
3)16色に減色されたFB画像が表示され、PCのG−VRAMのB、R、G、E、4面にデータが書き込まれます。FB.RGBというパレットファイルも同時に生成されます。
2.Q0LD4.EXE
1)FB上のフルカラー画像を仮にFB。RGBとします。これをFB.Q0にリネームします。
2)Q0LD4 FB 4<cr>
3)16色に減色されたFB画像が表示され、PCのG−VRAMのB、R、G、E、4面にデータが書き込まれます。パレットはQLDの標準パレットになっているので、新たに作られることはありません。
また Q0LD4 FB −16<cr>で モノクロ16階調画像
Q0LD4 FB 2<cr>で 8色画像が表示されます。
3.GIF98.EXE
1)FB上の256GIFファイルを仮にFB.GIFとします。
2)FB上の画像を表示停止にするかクリアします。(HF+ユーティリティ)
3)GIF98 FB<cr>
4)モノクロ16階調を選択すると画像が表示され同時にPCのG−VRAMのBRGE4面にデータが書き込まれます。この時FB画像とPC画像がスーパーインポーズで表示されるようになっていると、当然モノクロ8色で画像は表示されますが、データはモノクロ16階調になっています。
8色画像を選択するとデジタル8色画像が表示され同時にG−VRAMのRGB3面にデータが書き込まれます。
GIF98を終了してもG−VRAMの内容は消去されず残っています。
DEGIF510.EXEを使って256色GIF画像を表示することもできますが、アナログ16色はうまく表示されず、モノクロ16階調とデジタル8色でのみ表示になります。
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第6話:Kid98とアウトラインフォント
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Kid98はVer2まではアウトラインフォントが使えなかったので、これまではベクトルエースというアウトラインフォントプロセッサーを使って一旦ベタファイルに落したものをKid98に取込んで使ってきました。
しかしこの度のバージョンアップでKID98でも「書体倶楽部」というアウトラインフォントシリーズを購入すれば、各種タイプのアウトラインフォントがKID98の上で直接使えるようになりました。
ベクトルエース・スーパーは48000円ですが、「書体倶楽部」の方は各種のフォントがそれぞれ9800円なので、値段的にもこちらの方がお徳だし、それよりも無駄なステップが無くなり、時間が1/3位に短縮され、間違いも少なくなります。
フォントの質も明朝体では互角、ゴシック体でベクトルエースの方が少し良いと思われる程度です。その違いを実際に見て頂くために8色GIFファイルでDLにUPしておきました。FONTK−V.GIFという名前です。これはもちろんGIF98でもLDIMG、FGIFのいずれでもご覧になれます。
Kid98には本来の16ドットのフォントの他に、Ver.2から加わった24ドットのフォント、今回からの明朝体、ゴシック体、毛筆体の3タイプのアウトラインフォントが用意されています。
アウトラインフォントは48ドット位より大きい文字は確かに美しいのですが、24ドット位の小さな文字では逆に醜くなります。そこで16ドットの文字はPC本来のフォント、24ドットは24ドットのフォント、それ以上はアウトラインフォントを使用することにしています。
これも実際にご覧いただくため、FONTKID.GIFの名前でDLにUPしておきました。
FB画像でこのアウトラインフォントを使う方法は第7話に書きます。
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第7話:FB画像への文字入れ法(αその1)
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FB画像に文字入れを行う方法を実際に即して書いて行きます。各ステップを以下のような括弧の中にまとめ、その補足解説を 注:で行う形式にします。
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| |
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注:
1.文字入れの対象となるFB_CG画像の表示
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| 1.文字入れの対象となるFB画像(仮に FBCG.RGBとする)を |
| LDIMG.EXEを使って表示し、文字作製のプランを立てます |
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注:画像ファイルの形式はRGBのほかHPI、GIF、PICでも可
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| 2.LDIMG.EXEを終了すると画像は表示停止の状態になるので、 |
| HyPER FRAME PLUS のユーティリティを使って表示開始に変更します。 |
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注:私は以下の内容をHON.BATとして、これをFD.EXEのマク
ロに登録、<GRPHキー>+<H>のワンタッチ操作で実行しています。
ECHO OFF 詳しいことは第2話、第4話の「画像のための
CLS FD.EXEの活用法」、「HF+ユーティリ
HFON ティ活用法」をご覧下さい。
HFDISP 2
2.PCで8色文字画像の作製
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| 1.Kid98 /N /3<cr> |
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注:/Nオプションで起動するとG−VRAMの画面を初期化しないでそのまま取込むので、Kid98の画面は黒色になり、FB画像がスーパーインポーズされます。また終了時もG−VRAMの内容を残します。
/3オプションでは8色デジタルモードで起動します。つまりBRG3画面だけをを扱えます。文字の色が8色で充分である場合、面倒なパレットを考えなくても良いだけこのモードは便利です。
Kid98はVer.3でアウトラインフォント「書体倶楽部」を組み込んだものが必要です。
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| 2.Kid98の画面には文字入れの対象となるFB画像がスーパーインポー|
| ズされているので、これに基づいて文字入れを行います。 |
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注:文字の大きさとフォントの選択については第7話で述べたように、16ドット文字は標準フォントを、24ドット文字は24ドットフォントを、32ドット以上の文字はアウトラインフォントを使うのが美しく仕上げるコツの一つだと思います。
ベクトル エースで文字入れを行う場合もFB画像とのスーパーインポーズができますが、終了時にはG−VRAMのデータを消去してしまうので、ベタファイルで一旦保存しておかなければなりません。
これをKid98で読み込み、細かい編集や加工を行うようにします。その分だけステップが増え面倒ですが、アウトラインフォント専用プロセッサだけに、Kid98+書体倶楽部に勝るものを多く持っています。
文字の色は8色いずれを使っても構いませんが、将来圧縮ボードを使用する予定があれば、圧縮フルカラー画像で文字の劣化が見られない白黒2色を選ぶべきでしょう。
文字を黒にする場合は、背景の色を黒以外の色(白など)にする必要がありますが、これは通常の「背景が黒で文字が白」の文字画像を一旦作り、Kid98のカラーチェンジ機能で変換して作製するのが便利です。
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| 3.文字画像が完成すればこれをZIMファイルで保存します。これを仮に |
| PCTXT.ZIMとしておきます。 |
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注:このファイルは必ずしも必要ではありません。というのはKid98を終了すればG−VRAMにデータは残っているからです。しかし、もし何かの間違いでこれが消去されたり、傷つけられた時の保険としてファイルで保存しておかれることをお勧めします。
3.PC文字画像をFBに転送
***********************************************************************
| 1.ハイパー彩子を起動します。 |
***********************************************************************
注:私は普通ハイパー彩子をFBの初期化を行わずに起動しています。こうすると、表示されていたFB画像がそのままハイパー彩子の画面に表示され、修正や加工に便利だからです。
また、ハイパー彩子は終了時に強制的にPCアナログモード(16色)になり不便なので、通常のFB+8色デジタルで終了するように以下の内容のHPS。BATで起動しています。
ECHO OFF
CLS
HPSAYCO RESERVE ←FBの初期化を行わない起動
HFON
HFSORE 1
HFBNIO 1 ←ハイパーフレーム+用ユーティリティ群
HFDISP 2
HFANDG 1
***********************************************************************
| 2.ハイパー彩子の[PC GRAPHICS]ウィンドウを開きます。次に|
| [DIGITAL][← PC]を選択しますとPC画像の転送範囲を求められた後|
| 画像がハイパー彩子のキャンバスに転送されます。 |
***********************************************************************
注:G−VRAMに画像データがあれば、これをハイパー彩子で取り込むことができます。この場合8色デジタル画像では簡単ですが、16色アナログ画像ではパレットを正しく扱わねばならず、少々面倒です。
4.FBに転送された文字画像の処理
***********************************************************************
| 1.ハイパー彩子の画面に表示された文字画像の文字に対してはα値を小さく|
| 背景(黒色)にはα値を大きくしたα情報を付けてHPIファイルで保存|
| します。そのステップを書いていきますと |
| |
| 1)[ALPHA FILTER]ウィンドウを開き、L曲線を選びます|
| 2)[SAMPLING]を選択します。 |
| 3)キャンバス上にカーソルを移動すると(+α)に変わります。文字の|
| 上でマウスの右をクリックし、背景(白または黒色)の上で左をクリ|
| ックします。これで文字にはα値を小さく(不透明度を低く)、背景|
| にはα値を大きく(不透明度を高く = 透明度を低く)するα曲線が|
| できあがります。 |
| 4)[IMAGE DATABASE]ウインドウを開きます。 |
| 5)ファイルを保存するドライブ、ディレクトリを[DRIVE]、[DIR]で|
| 選択し、[HPI]を選択し、[FULL COLOR]、[α]を選びます。 |
| 6)[NEW]を選ぶとファイル名の入力を求めてくるので、キーボードを |
| 使って入力します。(拡張子不要) 仮に FBTXT<cr> |
| 7)入力が終ると保存する範囲の指定を求める枠が表示されます。フルサ|
| イズならそのまま、文字を含む最小限の範囲にする場合にはそこまで|
| 範囲を縮小し、決定します。通常後者を選ぶ方が、画像の合成の際に|
| 自由度が大きく便利です。これでα情報を持ったFBTXT。HPI|
| というファイルが保存されます。 |
| 8)ハイパー彩子を終了します。 |
***********************************************************************
注:ハイパー彩子がVer1.2にバージョンアップした際、αフィルターの書き込み時の効果がこれまでのバージョンと全く逆になりました!
つまりHPIファイルにセーブする場合、α値の低い部分ほど書き込まれやすく、α値の高い部分ほど書き込まれ難いように変更されました。
これは新バージョンの方が理に叶っていますが、旧バージョンに慣れた者にとって頭の切り替えで頭が痛いことです。
また、このα情報付きHPIファイルをα情報処理をして読み出す場合α値の低い部分ほど読み出されやすく、α値の高い部分ほど読み出され難いので透明になります。以上を要約すると以下のようになります。
α値:大 = 不透明度:高(透明度:低) →書き込み、読み出し:難
以上はハイパー彩子を使ってα情報を付加したファイルを作る方法を書いてみました。α情報を取り扱える廉価なソフトは今の所これしかないのが残念です。
5.FBCG画像とFBTXT画像の合成
***********************************************************************
| 1.LDIMG.EXEを立ち上げ |
| まず文字入れの対象となる[ FBCG.RGB ]を表示します。 |
| 続いて文字画像[ FBTXT.HPI ]を選び、 |
| α情報による処理を選択、望ましい表示位置に表示枠を移動し、 |
| 文字画像を表示させます。文字の大きさもこの段階で調節可能です。 |
| 望ましい形に画像の合成ができれば、そのまま保存します。 |
| 合成されたファイル名を仮に[ FBSYN.RGB ]とします。 |
***********************************************************************
注:LDIMG.EXEは Ver 1.24 からHPIファイルがサポートされ、α情報が含まれている場合はこれに従って画像合成ができるようになりました。
画像の合成はハイパー彩子でも行えますが、LDIMG.EXEの方がはるかに使いやすく便利です。それは単に使い慣れているだけではなく対応画像フォーマット数が多い、マウスが要らない、表示位置の移動、
拡大、縮小、上下左右反転などの操作がしやすい、RGBファイルでの保存がFALファイル付きでできる、等の点で優れているからです。
ハイパー彩子の文字環境は貧弱で、16ドットフォントのみが使えるだけです。だから現時点ではFB画像の文字入れに対しては以上のようなまわりくどい方法を活用せざるを得ません。しかしハイパー彩子にアウ
トラインフォントがサポートされれば、このような面倒な手順は不要になります。
6.FB画像に文字を入れる実習
α情報付きのHPI文字画像ファイルをデータライブラリにUPしました。
ファイル名は PARCOFNT.HPIです。
「百聞は一見にしかず」です。ご自分でα情報付き画像ファイルの実際をお確かめ下さい。その手順は以下の通りです。
1)LDIMG立ち上げ、手元にあるFB画像を表示します。
2)次にPARCOFNT.HPIを選び、α情報による処理を行うことを
選択すると、HPI画像の表示枠が現れます。
3)表示したい位置までこの枠を矢印キーを使って移動します。
4)文字を拡大、縮小したい場合[*][/][CTRL]+ 矢印キーを使います。
5)文字の位置と大きさが決まれば、リターンキーを押します。
そうすると、FB画像の上に、鮮やかなPARCOという文字が焼き付けられるのをご覧になれるでしょう。
6)この合成画像をファイルで保存する場合には、f・3キーを押しますとRGB+FALファイルとしてセーブできます。
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第8話:FB画像への文字入れ法(簡便法)
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<< ハイパー彩子を使わない文字入れ簡便法 >>
その1.テキスト画面の文字焼付け法
ハイパー彩子を使わずにFB画像に文字入れをする方法の一つとして、第6話:「FBとPC間の画像の転送」の中で TXT2FB.EXEの利用法を紹介しておきました。詳しくはそちらをご覧下さい。
注:この方法によるFB画像への文字入れは、文字の大きさが16ドットに固定され文字の位置もテキスト画面と同じであるという制約はあります。しかし極めて簡単な方法でFB画像に文字入れをすることができるため使いやすく、状況に応じて活用する価値があると思います。文字の色もエスケープシーケンスを活用すれば8色の文字や反転文字も可能です。
その2.G−VRAM画像取込み、上書き合成法
これもハイパー彩子を使わずFB画像に文字入れをする方法ですが、文字のの背景を透明にしないで、文字画像をFB_CG画像に上書きします。
第7話:「FB画像に文字を入れる方法(αその1)」と1〜2のステップでは作業は同じですが、3〜5では異なります。
1.文字入れの対象となるFB_CG画像の表示
第7話と同じ作業
2.PCで8色文字画像の作製
第7話と同じ作業
3.PC文字画像をFBに転送
***********************************************************************
| 1.PC画像(G−VRAM)の画像表示停止の状態にします。 |
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注:Kid98終了時はFB画像とPC画像のスーパーインポーズの状態になっています。次のステップでPC画像をFBに転送しますが、その際転送された画像が良く分るように、PC画像を表示停止にする訳です。私は自作のVOFF.COMをFD.EXEのマクロに登録して使っています。(Kid98のユーティリティG_OFF.COMでも同じ)
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| 2.PC2FB<cr> |
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注:PC2FB.COMについては第5話:FBとPC間の画像の転送で紹介しました。またその所在は第2話:主要画像関連PDSなどの所在に記して置きました。
これは8色PC画像をFBに転送する最も簡単な方法で、転送前のFB画像をクリアした後、FBにPC画像を転送します。これをFBTXTと仮にしておきます。
他にPC画像をFBに転送する方法として、8色ないし16色のGIFファイルを作り、これをFGIF.EXE(LDIMG.EXE)等でFBに読み込む方法もありますが、少々面倒です。
4.FBに転送された文字画像の処理
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| 1.LDIMG.EXEを立ち上げ、FBに転送された文字画像を保存します|
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注:このハイパー彩子を使わない方法では、α情報が扱えないため文字の背景を透明にして文字だけをFB_CG画像に書き込むことはできません。
そのためFB_CG画像の背景と文字画像の背景が同じ色である場合を除いて、背景を持った矩形の文字画像をFB_CG画像に重ね書きする方法をとらざるを得ない訳です。簡単に言えば画像の上に文字プレート
を置くような方法です。
そこで文字画像の保存は幾つかの矩形の文字画像に細分して行うことになります。それらを仮に以下の様なファイル名にします。
FBTXT1.RGB + FBTXT1.FAL
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
FBTXTn.RGB + FBTXTn.FAL
5.FBCG画像とFBTXT画像の合成
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| 1.LDIMG.EXEを立ち上げ |
| まず文字入れの対象となる[ FBCG.RGB ]を表示します。 |
| 続いて文字画像[ FBTXT1.RGB ]を選び、 |
| 望ましい表示位置に表示枠を移動し、文字画像を表示させます。 |
| 必要なら文字の大きさもこの段階で調節します。 |
| 他に文字画像があれば[ FBTXTn.RGB ]を選び、 |
| 望ましい表示位置に表示枠を移動し、文字画像を表示させます。 |
| 必要なら文字の大きさもこの段階で調節します。 |
| 望ましい形に画像の合成ができれば、そのまま保存します。 |
| 合成されたファイル名を仮に[ FBSYNB.RGB ]とします。 |
***********************************************************************
注:これでFB画像の上に矩形の文字プレートを置いた形で文字入れがされた合成画像ができあがります。背景の色や文字の大きさを工夫すれば、それほど見劣りするものではないと思います。
6.FB画像に文字を入れる実習
これは第7話で使ったPARCO.HPIファイルをα情報処理をしないでLDIMG.EXEで表示した場合に相当します。
<< FB画像文字入れ方法の変遷とまとめ >>
私のFB画像に対する文字入れ法はソフトの進展とともに以下のように変わりました。2.と4.はFSKY2の医用画像の部屋にUPしました。
今回の書き込みは3.と5.と6.に当たります。7.が実現するのは何時の日でしょうか?
1.ハイパー彩子の16ドットフォントの利用 '89.12
2.G−VRAM画像取込み、上書き合成法 '90. 5
(FALLIO.EXEによるRGB+FALファイルを利用)
3.G−VRAM画像取込み、上書き合成法 '90. 6
(RGB+FALファイルをLDIMG.EXEで活用)
4.テキスト画面の文字焼付け法(TXT2FBを利用) '90. 9
5.アウトラインフォント文字のFB画像への書き込み '90.10
α情報付きHPIファイルとLDIMG.EXEの活用
(ただしフォントはベクトルエース →Kid98 →ハイパー彩子)
6.アウトラインフォント文字のFB画像への書き込み '91. 1
α情報付きHPIファイルとLDIMG.EXEの活用
(ただし フォントはKid98のもの →ハイパー彩子)
7.アウトラインフォント文字のFB画像への書き込み '91. ?
α情報付きHPIファイルとLDIMG.EXEの活用
(ただし フォントはハイパー彩子のもの)
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第9話:画像合成の実習(αその2)
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第7話:「FB画像に文字を入れる方法(αその1)」で、α情報を生かした画像合成法について書き込みました。
今回は画像の合成の仕方をα情報付きHPIファイルとLDIMG.EXEを使って実際に幾つか実習していただこうと思います。非常にたやすく画像合成ができることを体験されれば、とっつき難いα情報がぐっと身近な存在になることでしょう。その後はご自分でいろいろ研究してみて下さい。
実習のマテリアルは PARCO.HPIと PARCOFNT.HPIという二つのα情報付きHPIファイルで、ALPHA.LZHの中に梱包されています。
PARCOというのは第7、第8話の文字入れの実習の所で出てきましたね。これはNIFTYのあるフォーラムでSigOpをされている、美しい女性のハンドルネームです。PARCOFNT.HPIはその名前をアウトラインフォントで作りα情報を持たせたもので、PARCO.HPIはその方のポートレートに同じくα情報を付加した画像ファイルです。
それでは幾つか画像合成をしてみます。LDIMG.EXEを起動して下さい。
1.鏡の中のPARCOさん
*****************************************
| | 1)f2キーを使ってFB
| ******************* | 画像をクリアする。
| | | . | | 2)(1) の位置で表示する。
| | | . | | 3)f4キーを使ってサブ
| | (1) | . (2) | | メニューを出し、
| | | . | | 「MIRROR1」 を選択して
| | | . | | 左右を反転さる。
| ******************* | 4)α情報処理を選択し
| | (2) の位置に表示する。
| | ((1)と(2)は一部重ねる)
| | これで鏡に写るPARCOさんと実際像が合成される。
*****************************************
2.前と後のPARCOさん
*****************************************
| | 1)f2キーを使ってFB
| *********** | 画像をクリアする。
| ******|** | | 2)(1) の位置まで表示枠
| | | . | | を移動する。
| | (1) | . (2) | | 3)[/] を使って縮小し
| | | . | | それから表示する。
| ******|** | | 4)α情報処理を選択し
| *********** | (2) の位置に表示する
| | ((1)と(2)は一部重ねる)
| | これで後ろに離れている像
| | と前の像が合成される。
*****************************************
3.3人のPARCOさん
***************************************** 1)f2キーを使ってFB
| | 画像をクリアする。
| *********** *********** | 2)CRTの(1)の位置で
| | *********** | | PARCO.HPIを表示する。
| | | | | | 3)次に(2)の位置で
| | (1) | (3) | (2) | | PARCO.HPI を表示する。
| | | | | | 4)α情報処理を選び、
| | | | | | (3)の位置でPARCO.HPI
| ********| |******** | を表示する。
| *********** | ((1)〜(3)は一部重ねる)
| | これで3人のPARCO
| | さんが出来上ります。
*****************************************
4.3人のPARCOさんに文字入れ
*****************************************
| | 1)上の3人のPARCO
| *********** *********** | さんの画像を表示し
| | *********** | | 2)PARCOFNT.HPIを選び、
| | | | | | 3)(4)の位置で表示する
| | ********************* | |
| | | (4) | | |
| | ********************* | | これで3人のPARCO
| ********| |******** | さんの画像に文字入れが
| *********** | できました。
| |
| |
*****************************************
その他にもいろいろ実験をしてみてα情報を活用してみてください。
美しいポートレートを画像講座の教材として使わせて下さいましたPARCOさんに心からお礼申し上げます。
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第10話:α情報設定のコツ(αその3)
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α情報の最後の話として、ハイパー彩子でαフィルター曲線をうまく設定するコツを書いてみようと思います。
αについて最初は α曲線、αチャンネル、α情報、それ等と環境設定による透明度との違いなどに頭が混乱しました。それが何とか理解でき、実際に使い始めてみると今度はαフィルター曲線をうまく設定するのが難しいのでした。
マニュアルには設定のコツは「設定する色要素の選択方法とキャンバス上のサンプリングポイントの選び方です」と書いてあります。確かにそうなのですが、これだけでは不親切で、試行錯誤で選ばなければいけない感じがしました。
しかし, TRIAL AND ERROR ばかり繰り返すのは苦痛なもので、何らかの法則性を求めて私なりに見つけたコツは以下のようなものです。
1.[COLOR]ウィンドウを開く
1.画面(キャンバス)上の画像のα値を大きくしたい部分にカーソルを移動させ、右クリックをします。これでその部分のカラーがピックアップされ、表示枠内にその色が表示され、同時に COLOR BARにその色の成分がRGB指定で示されます。次にRGBの文字のどれかの上で左クリックしますとHLS指定でその色の成分が表示されます。[RGB]指定と[HLS]指定はトグルモードになっています。
2.次にα値を小さくしたい部分へカーソルを移動して、右クリックします。これでその部分のカラーが取り出され、表示枠内にその色が表示されます。同時に COLOR BARにその色の成分がHLS指定で示されます。次にHLSの文字のどれかの上で左クリックしますと、RGB指定でその色の成分が表示されます。
3.以上の作業を幾つかのポイントで実行し、α値を大きくしたい色と小さくしたい色の成分について変化の大きい色要素を見つけます。これはRGB指定に限らず、HLS指定の方の色成分の変動に注目する必要があります。変動の大きい色要素が見つかれば次のステップに行きますが、この色要素の数は少ない方が良い結果を得られるようです。
2.[ALPHA FILTER]ウィンドウを開く
1.1.3.で見つけた色要素をR G B H L S の中から選択します。文字入れなどで背景が黒色または白色の場合は[L]単独が良いでしょう。
2.以下はマニュアルと同じですが、[SAMPLING]を選択しキャンバス上にカーソルを移動させると (+α)に変わります。α値を高くしたい部分で左クリック、低くしたい部分で右クリックします。これを必要なら幾つかのポイントで行います。これでαフィルター曲線が作られます。[TSTS]を左クリックして、αフィルタをテストします。小さな正方形の枠が現れるので、これをテストしたい部分の上に移動し左クリックするとα値の高い部分は白く、低い部分は黒く表示されます。αフィルタが目的通りなら[TEST]を解除して終了、駄目なら[RESET]し最初に戻ります。
結論として「αフィルタ曲線をうまく設定するコツは色要素のうまく選ぶこと」だということで、そのためには1.[COLOR]ウィンドウを開くで述べたステップが大切だということになると思います。
色要素をうまく選ぶステップの意味を考えてみます。話を分りやすくするため色をデジタル8色に単純化し、色要素を一つだけ選んでαフィルターを作る場合を想定します。下の表からお分りのように白を区別するには[L]、黒にも[L]が適当であり、赤には[R]、緑には[G]、青には[B]が適当であることが分ります。無彩色と有彩色を区別するのなら[S]が適当ということになります。
しかし黄を区別するには[R]+[G]、水色は[G]+[B]、紫は[R]+[B]の2要素が必要になります。
---------------------------------------------------------
| | 白 黄 水 緑 紫 赤 青 黒 |
---------------------------------------------------------
| R | 255 255 0 0 255 255 0 0 |赤
| | |
| G | 255 255 255 255 0 0 0 0 |緑
| | |
| B | 255 0 255 0 255 0 255 0 |青
---------------------------------------------------------
| | |
| H | 不定 60 180 120 300 0 240 不定 |
| | |
| L | 255 128 128 128 128 128 128 0 |白、黒
| | |
| S | 0 255 255 255 255 255 255 0 |無彩色
---------------------------------------------------------
R=赤、G=緑、B=青、H=色相、L=明度、S=彩度
###############################
第11話:実用的CRT撮影法
###############################
スライド作りは難しいものですがパソコンを利用すると簡単で、安く、美しく作ることができます。それはCRT画面をスライド用フィルムを入れた普通のカメラで撮影するだけで良いからです。ここでは今までの講座の付録として、CRT画面をカメラでうまく撮影する方法をご紹介します。
1)CRTはPC−TV451(現在はTV455)を専ら使っています。
このCRTは画面の弯曲が比較的少なく、画面の縦の長さを自由に変えることができるので便利です。画面サイズは 横x縦 が26.5x16.5ですが、縦は13.5〜19.5まで調節することができます。私はこれを17.5に設定し、スライドと同じ比率にして使っています。
他にN5913を所有していますが、こちらは画面サイズが 24X15 に固定されています。スライドの比率からいうと 24x16 が必要ですから、この場合は縦が1cm短いことになります。
ご参考までに、スライド画面サイズは34.5x23mm(実測)です。
2)カメラはオリンパスのOM2にマクロレンズ(ズイコーMC135mm)とエクステンションチューブ65〜116をつけて使います。50mmの標準レンズでは直線の弯曲化が目立つので、中程度の望遠レンズが適当です。
3)レリーズと三脚を用います。手押しでシヤッターを切るとカメラが僅かづつ次第にずれて行くからです。
4)CRTを横からみて正しく垂直になるように傾斜を調節し、その中点の高さを測定します。中点の決定は紙テープを両隅から対角線上に張り、その交点として求めます。
ョ「「「「「「「「「イ
、 、
、 、
、 + 、
、 、
、 、
カ「「「「「「「「「コ
5)カメラを三脚に載せ、光軸を水平にし先のCRTの中点の高さにレンズの中点の高さを合わせます。
レリーズ
、
ョ「「「イ カメラ 、
ョ「ニ 、 ョヨ「イ
、 、 、 .......................ョニ 、
、 、 、中心点の高さを一致させる カニ 、
カ「ニ 、 カ「「コ
カ「「「コ /\
CRT側面 / \
/ \
三脚
6)CRT画面が完全にファインダーの中に収まるまでカメラの位置と高さを微調整します。これは上下だけでなく左右の平行性にも充分気をつけます。
具体的には、まずCRT画面の中点とファインダー視野の中点を一致させ、CRT画面の全部が過不足なくファインダーの視野に収まるようにカメラ移動をさせます。しかしCRTの画面サイズがスライドと同じ縦横比でなければそれは不可能なので、通常はCRT画面の1周り小さい部分(点線部分)がファインダーの視野に収まるようにカメラの位置を移動させます。
そのため原画像は上下1.5cm、左右は2cm程度の余分の空間を持たせて作っておくとうまく行きます。
ョ「「「「「「「「「イ
、 ョヲヲヲヲヲヲイ 、 ア」」」」」」」オ
、 ィ ィ 、 ・ ・
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、 カヲヲヲヲヲヲコ 、 ・ ・
カ「「「「「「「「「コ ケ」」」」」」」ス
CRT画面 ファインダー視野
以上の事柄は非常に大切で、ここがずれると例えば長方形が台形になったり、一部が欠けたり不用なものが写り込んでいたりで後から泣くことになります。
7)原則として夜に電気を消して撮影します。これはCRT表面に現れ易い反射を防ぐためです。昼に撮影しなければならない時には黒いごみ用のビニール袋をガムテープで連結し、これをCRTからカメラの上まで、天井の様に載せてCRT画面の余計な反射を除きます。
8)フィルムはフジのスライド用ASA100のカラーフィルムを使います。
コダックのエクタクロームなども試みましたが、余り変わり映えがしないし、フジの方が現像も早く取り扱っているDPE店が多いというメリットがあります。
9)Kid98で作った全面ブルーの画面を表示し、カメラを手動モードにしシャッタースピードを1秒にして、適正露出を決定します。通常f5.6ないしf8くらいになります。これが標準露出(絞り)です。
大事なスライド作りの場合は標準絞りの他にその前後1段階上と下の絞りも使うことがありますが、たいていは上記の条件で失敗しません。
露出時間を1秒にするのは、カメラ自体で計量できる最長時間がOM2の場合1秒だからで、露出を長くすることで絞りをしぼって焦点深度を深くして、ピンボケの部分を少なくする効果を狙っています。
適正露出を決めるというのは、露出時間を一定にしていますので、つまり絞りの値を決めることになります。これは、手動にしてファインダーを覗くと、絞りの値に応じて指針が動き適正絞りを教えてくれますが、これを適正露出といったわけです。内蔵の露出計を使うともいえましょうか。
ブルーの画面で適正露出を決めるのは、青地白文字のスライドを作る事が多いということが大きな理由の1つです。
もう一つの理由はCRTの画面が白地の場合も真っ黒の場合も、露出は同じでなければ人間の目がCRTを見ている状態とは同じとは言えない訳ですが、白と黒のいづれでも明るさが極端すぎて適正露出が決めにくいので、中間色としてのブルーを選び、それが経験的に適当だったという次第です。
決して自動露出で撮影してはいけません。自動露出の場合は黒地の画面は露出を増やすように、白地の画面に対しては露出を減らす様に調整してしまいます。その結果、片やうすボケ、片や汚れた白地の画面になります。
10)以上が決定すれば後はこの条件で次々に画面を撮影していきますが、通常露出条件は変更しません。ただファインダーの中にピッタリ画像が収まり余分な部分を取り込んでいないか、チェックすることを怠りません。
ここでファイル名や撮影条件をメモしておくことが将来役に立ちます。
11)撮影したフィルムをDPEに出しますが、DPE屋によって仕上り時間がかなり違うので、一番早くできる店を選択し且確認しておくのが安全です。スライドフィルムの現像は結局はフジで行われるので問題は時間なのです。
スライドの枠入れまでDPE屋に頼むと、望ましくない箇所で切断される場合が時に起こります。だから枠入れは自分で行うことをDPE依頼の際に伝えておきます。もちろんその場合にも枠は付いてくるのでご心配なく。
##############################
第12話:おわりにあたって
##############################
ある方からのメールでの画像に関する質問にお答えしている間に、一度自分の知識や経験をまとめてみる気持になりました。そしてこれまでがそうであったように、あくまでも実用的な、作る者の立場から書いて行きたいと思いました。
今、書こうと思ったことの多くを何とか書き終えた気持です。これまでに画像に関連して書き込んだものと合わせて、これで一応自分の画像に対する締めくくりができた、PC9801上の2Dペイント系画像に関する主要な情報(主にPDS)をまとめることができたと思っています。
以前に書き込んだものもよろしければお読みいただければ嬉しく存じます。
1.医用画像独習記(NIFTYのFSKY2のDL#7)
通信を始める前に画像を独習していた時の記録で、GT3000の発売から、Kid98が発売されるまでの期間にほぼ相当します。8色画像の総決算と言える記録です。
2.画像ミニ・ユーティリティ(NIFTYのFSKY2のDL#6)
通信を始める前、画像を独習していた頃に必要に迫られて泥縄式に自作したユーティリティです。テキスト画面の表示と表示停止などは実用上必要なことがりますが、余りにもマイナー過ぎるためか他には見当たり
ません。その他ファンクションキーの表示、非表示などを含んでいます。
3.実用画像通信(本文)(NIFTYのFCASEのDL#10)
通信を始めてから体得した8、16色画像のまとめです。説明用の21個の説明用画像と各種のパレットファイルを同時にUPしました。これを最後に私はフルカラー画像に進みました。
4.HF+ユーティリティ活用法(NIFTYのFSKY2のDL#6)
HF+に付属のユーティリティはうまく使えば便利な代物です。そこで<初期設定>と<便利なバッチファイル>についてまとめてみました。フルカラーを始めた時に最初にぶつかった問題に対処した方法です。
5.圧縮画像表示システム(FDとして一部の方に差し上げました)
フルカラー圧縮画像が増えるに従って、これをリアルタイムに表示するシステムが必要になってきました。これに対し8色16色画像で行ってきたのと同じ方法を採用して作ったシステムです。その要点はメニュー
画面に30個のファイルのタイトルを番号付きで表示し、テンキーだけで画像の選択、表示、表示停止などができるようになっています。
6.画像のためのFD.EXE活用法(NIFTYのFSKY2のDL#7)
FD.EXEをカスタマイズしてマクロ機能をフルに使う方法です。例えば各種の画像ファイルを矢印キーで選んで単独に表示させたり、画面のクリアー、表示停止、表示再開などの処理が<GRPHキー>とアルファ
ベットの1文字を同時に押すというワンタッチ操作で可能になります。その具体的な方法と関連バッチファイルを紹介しました。
WATAさんがα情報を生成できるPDSを試作中との噂を聞きます。また、α情報を抜出して、他の画像に抜出したα情報を埋め込んでしまうトゥールも制作途上とのことです。これでハイパー彩子を持っていなくても簡単にα情報を使った画像合成ができるようになり、PDSだけで画像処理の大切な部分が実行可能になることでしょう。
PC9801もいよいよWindows3.0時代に突入します。画像の世界にも大きな改革と発展がもたらされることでしょう。PC9801だけが画像のサイズを640×400で押し通せるのでしょうか?
< 謝辞 >
私を通信に導いて下さった高橋 徳先生、何時も最新の画像関連情報を教えて下さった梶原 賢一郎先生、素晴らしいPDSを提供して下さった海老原 一之様、渡部 桂一様、懇切ていねいなご指導を下さった楜沢 順様に心からのお礼を申し上げます。
(1991年3月16日、記)