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五話 風呂
魔法店から出た俺は少し路地に入り、梱包された商品をマジックバッグに収納した。便利すぎるぞマジックバッグ。
しかし、良い買い物をした。そしてロロットちゃん可愛すぎた。お蔭で金がほぼ全て飛んで行った。これはキャスに頼んでまた宝石を売らせないと今日の宿屋がダメになりそうだ。
とはいえ、まだ大銀貨十枚は残っている。残ってはいるのだが、今の段階では買い物をしたくても出来ない。何故なら買いたい物が大きいのでマジックバッグを使ってじゃないと運搬できないからだ。
まあこれは倉庫か何かを借りて如何にかするとして、やるとしても明日以降の話だ。
これから如何しようかと悩みながら歩いていると、視線の先には喫茶店の様な店があった。
あぁ、ここで読書タイムにでも入るか。
俺は一度路地に入り、マジックバッグから買ったばかりの本を取り出そうとしたが、足音が聞こえてきたので急いで止めた。街に入ってからは探知の範囲を狭くしているので、危うく見られるところだった。
この街に来るまでの道中はずっと探知を付けたままだったのだが、街に入ってからは探知の範囲を狭くしている。何故なら、人が多すぎて物凄くウザったいのだ。少しの範囲でも広げていると、壁越しでも人の気配を感じて、気になって仕方なくなり今では俺の一メートル以内に収めている。
この街に入った最初の頃はスキルが上げ放題じゃねえかと、喜んでいたのだが、付けたままにしていても一向にスキルは上がらなかった。魔物や亜人でしか上がらないんだろう。
そう言った理由もあり、今では自分の周りだけに収めている。当初、切ろうとは思ったのだが、常時付けていたので切ったら切ったで落ち付かなくなり、切る事だけは止めたのだ。
一時的に少しだけ、探知の範囲を広げて確認後に本を取り出す。
脇に本を抱えて喫茶店に入り、オープンテラスの席に座って、果物のジュースを頼む。
まだ若い男の子が運んできたのは、柑橘系の甘いジュースだった。
机の上に乗せた本を開き一ページ目から見ていく。
そこには、魔法の知識が書かれており非常に興味を引く。それはまさに入門と言うべき知識で、この世界における魔法と言う存在とは何か等、この世界を構成する知識の一部が書かれていた。
先に進んでいくと、魔法がどのような物なのか書かれている。
ファイヤーアロー、プロテクション、ウォールオブストーン、ヒール、スリープと、様々な魔法の名前が挙がっている。
名前の段階で大体の効果は分かったが、本を見てみると大体その通りで、ゲームや漫画から得た知識がそのまま使えた。
一枚一枚丁寧に読んでいると、目の前の道を歩く一人の男が目に入った。項垂れた様に歩くその男は、見るからに落ち込んでいて、金髪イケメンが台無しであった。
俺は思わず声を掛けてしまう。
「ランドルさん、大丈夫?」
声を掛けてみると、ゆっくりとこちらを見る。俺が誰だか分かると、無理に作った様な笑顔になり返事をしてくれた。
「やあ、昨日の子じゃないか。は、はは、どうしたんだい?」
二日酔いって感じでも無さそうだし、どうしたんだろう? あっ、あれかー……失敗したかこれ……。
「ランドルさん、もしかして振られたの?」
「そ、そうだね……。振られたのかな?」
おいおい、現実分かってないみたいな受け答えだな。
俺はランドルに席に着くよう促してみると、素直に椅子に座りそのまま机につっぷしてしまった。
店員を呼びランドルの分の飲み物を、何かお願いしますと頼むと、出された物は薄い紫色をした何かだった。軽く匂いを嗅いだ所ワインだと分かる。たぶんワインを水で薄めた物を出されたのだろう。
ランドルに飲んでくれと言うと、小さな声でお礼の言葉を言い、ちょびちょびと飲みだした。
「僕が昨日教えたお店がまずかったですか?」
「いや、あの店は良かったよ。品物の性能は兎も角、装飾は素晴らしいからね。ただ、彼女は気に入らなかったみたいでね……」
性能求めちゃったら、あそこはどうかと思うからなあ。堅実な人だとお気に召さない可能性は大きいなあ。
「ランドルさん、ごめんなさい。僕が教えたばかりにこんな事になって」
「いやいや、君は謝らないでくれ! あの店は僕はとても気に入ったよ。僕も気に入って一本買ってしまったからね。この街に来たのは最近だけど、気付かなかったなあ」
ランドルが小さいナイフを取り出して見せてくれた。宝石がちりばめられた綺麗な装飾が素晴らしい逸品だ。
「まあ、彼女とは趣味が合わなかったけど、それ以上に僕みたいな男は駄目だってさ。はぁ~、戦士だったら行けてたのかな~」
戦士だったらって事は、マッチョな男が良いって言われたのか……。ランドルは魔法使いだけあって、肉体派にはとても見えねえからなぁ。
「落ち込んでても仕方ないし、次の恋を探しましょうよ」
「そうだね。冒険者ならば失敗したら、次の目標に突き進まないとね!」
元気が出たみたいで、俺も安心だよ。あの店を薦めた手前、少しだけ罪悪感あったからね。
その後、俺が持っている本に気付いたランドルに、内容の補足何かを貰いながら一緒に昼も食べた。彼は暇だし、一人で居ても嫌な事を考えそうだと言い、俺に付き合ってくれている。
俺も先生を得た様な物なので、物凄くうれしいのだが、店の支払いを全てしてくれる事だけは申し訳なかった。
まあ、ランドルとしたら子供に払わせるのはあり得ないだろう。俺だって逆だったらそうするしな。
「んじゃあ、ランドルさんは魔法技能をレベル二にするのに、五年掛かったんですか?」
「そうだね。当然毎日練習をした訳では無いよ。担当教師が来る週、一日か二日って所だね」
ランドルは元貴族だけあって子供の頃から、自宅で教育を受けていたらしい。その中には魔法に関する授業もあり、子供の頃から練習をしていたとの事だ。
話を聞く限り、スキルの習得には結構な年月が掛かっている。昨日のおっさん冒険者もそうだったが、あの年齢で剣術はレベル三だと言っていた。十年単位の成果がレベル三だと、俺の成長速度は異常なんだと改めてわかる。
俺には転生したボーナスでもあるのだろうか? それとも別の原因があるのかも知れない。今の段階では何とも言えないのだが、俺にとってそれがプラスなら喜んで受け入れておこう。
そんなこんなで、ランドルと話をしていると、一気に時間が過ぎていく。何時の間にかキャスと約束をしていた、空が赤くなり始めた頃になってしまった。
「ランドルさん、僕もう帰らなくちゃ!」
「おぉ、そうだね。もう直ぐ陽が落ちちゃうね。よし! 送って行こう」
俺はランドルと一緒に華の乙女亭まで戻ると、宿の前ではキャスが立っており、その視線は自分が付けている剣へと向かっていた。ニヤニヤ笑いながら剣を擦る女。可愛くとも怖いです……。
「キャス姉、それ辞めなよ。怪しすぎるんだけど」
「わっ! ゼン君何時の間に! だってこの剣綺麗なんだもんって、この人だれ?」
俺の隣に立つランドルを見て首をかしげている。う~んと、唸っているが記憶の中でも探っているのだろうか。
キャスに紹介しようとランドルを見てみると、いきなり腕を掴まれて少し離れた場所まで連れてかれた。
「ゼン君あれは誰だ! 君のお姉さんなのかい!?」
「今お世話になっている家の人です。この街にも一緒に付いて来てもらってるんです」
どうしたんだランドル。いきなり挙動がおかしくなってるぞ。
ランドルが急に目を閉じて何かぶつぶつと言いだし、その目を見開くと一直線にキャスの元へ歩いて行った。
「ぼっ、僕はランドルと申します!」
「えっ!? えーっと、私はキャスです」
余りの勢いに若干引いてるキャスがおもしろい。まさか俺、恋のキューピットしちゃったか? だけど、挨拶だけして固まってるじゃねえか、仕方ねえ助けてやるか。
「ランドルさんは今日ずっと俺に、色々教えてくれたんだよ。すごい良い人なんだ!」
ははは、ランドルが俺を見て、よくやった見たいな顔してやがる。
「あらあら、お世話してもらっちゃったの? ランドルさんでしたっけ? ありがとうございます」
「いっい、いえ! 僕も楽しかったですから!」
何なんだこのあふれ出る童貞臭は……。ランドル君、君はまさか!? いや、顔は良いんだそんな事無いよな……。
面白かったので二人の会話を聞いていたのだが、ランドルの言葉が少なすぎて可哀そうになってきたので、俺の要件を済ます為にもこの辺でお開きにさせてもらった。幸いキャスはランドルの態度を気にしてる様子も無いのでまだセーフだろう。
しかし、別れ際にランドルが一言だけおっぱいと、言ってたのだけが気になるぞ……。
ランドルと別れた後は、キャスに金が無くなったので宝石を売ってこさせた。流石に今回は一割を受け取る気は無いらしい。
これで持っている宝石の半分が無くなったが、価値が高いであろう物は残してあるので、地球と価値が変わらないのであれば、三分の二は残っている計算だ。金に困らない生活とか素晴らしすぎるぞ!
しかし、キャスに金が無くなったと告げた時に言われた「ゼン君て、お金の使い方荒いわね」との一言が胸に突き刺さった。
確かに荒い。荒いのだがこれは必要経費だからしょうがないのだ。決して魔法屋のエルフが可愛かったから、衝動買いに近い事をした訳じゃない。ランドル君に値段の探り入れたら、適正価格だと言ってたもん!
まあいい、俺はこれから高級宿屋に行くのだ。そんな昔の彼女に振られた原因何ぞ忘れてやる。
金を使わなきゃ経済は回らないんじゃあああ!
と言う訳で、辿り着いた高級宿屋。
その佇まいは良くある貴族の屋敷の様だ。建物の表面は白いレンガで作られていて、三階建のその建物は左右に一段階高い塔をお持ち、そこにオレンジの瓦屋根が乗っている。窓からは光が漏れているのが見える所が、また他の店とは違った印象を与える。
流石、高級だけあって入口の前には武装した男が二人立っているのが見える。
俺はその建物に近づいていくのだが、隣を歩いているキャスがその場で止まっていた。
「どうしたの?」
「やっぱりやめようか、ゼン君」
ビビってやがる……。自暴自棄になって、森の中でボーク君に立ち向かった君は何処に行ったんだ。
「大丈夫だから行こうよ」
俺はキャスの手を取り、引きずる様に店へと向かった。入口の前まで来ると、この宿の警備であろう男が声を掛けてくる。
「坊主、この店は子供が来る場所じゃねえぞ。そのお姉ちゃん連れて他の店行きな」
「お金払っても入れないんですか?」
「だから、ガキが払える金額じゃねえんだよ」
「幾らですか?」
「あぁ!? お前みたいなガキが金貨出せるってのか?」
「それ位なら余裕ですね。はい、どうぞ」
「っ!」
まあこの男の気持ちは分かる。少し態度は悪いがこの世界じゃこんなもんだろ。
俺が金貨を取り出し警備の男に渡そうとすると、男は宿の中に入って行き一人の男を連れてきた。
「支配人、この坊主でさぁ。入れて良いんですかい? 金は持ってるようですが、靴も履いてないんですぜ?」
この警備の言うとおりだな。靴も履いてない奴が、高級店に来たらそりゃこうなるわ。
「お客様、お支払いの方は御出来になるのですね?」
「この宿の値段は知りませんが、金貨程度なら問題ありません」
「畏まりました。お入りください」
そう言って支配人と呼ばれた男は、俺とキャスを宿屋に招き入れてくれた。
中に入った俺たちはカウンターの近くにあるソファーへと案内されるのだが、キャスがその場から動かずにいる。確かにこの店の内装はすごい。キャスはそれに圧倒されているのだろうが、正直この程度は、現代日本では、中クラスの宿程度だ。
ここまで西洋的な内装は日本に少ないとはいえ、今座ったこのソファーも目の前にある机も、作りや装飾は確かに良いのだが、精巧さや座り心地は日本のその辺にあるデパートの物の方がよっぽど良い。
まあ、手作りだとかデザインとかを言われたら、何も言えなくなるけどさ。
てな訳で俺にしたら全く緊張する要素が無い。そもそも金持ってるんだからお客様しとけばいいのだ。
キャスを引っ張ってソファーに座らせると、タイミングよく紅茶が用意される。支配人自ら持ってくるとは、これには恐れ入った。
「私、当宿の支配人をしております、アルドーと申します。お客様、お名前を伺っても宜しいでしょうか?」
「はい、ゼンと申します。お店の前ではお手数をかけて、すみませんでした。あっ、この人はキャスです。固まってますが放って置いてください」
「いえいえ、こちらこそ無礼があった様で、申し訳ありません。それでは料金のご説明をさせていただきます。まずは――」
アルドーさんの説明を聞き今日のプランは決定した。
一泊夕食付、二人で金貨三枚。大体三十万円相当か、結構なお値段だ。まあ、何をやる訳でもない、ただ風呂に入って飯を食って寝るだけだ。キャスがずっと固まっていたので、悪戯で一つプランに追加して見たがどんな反応をするか楽しみだ。
風呂の準備が出来るまですることも無いので、一先ず部屋に通される。赤い絨毯を敷いた通路を歩き、二階の部屋へと案内されると、中はこれまた豪華な作りで、質の良い家具一式と共に天蓋付きベッドが設置され、こじんまりとしているが物語で出てくる貴族や王族の部屋を思い立たせる。
「良い部屋ですね。でもベッドが一つだけなんですが、他の部屋にしてもらえます?」
「これは申し訳ありません。今すぐご用意いたします」
「まって! この部屋で良いです! 良いですから!」
「キャス姉良いの?」
「ゼン君、もう止めて。ここで良いから、もう止めて」
完全にテンパってやがる。庶民丸出し恥ずかしいから、辞めてくれよ!
それを聞いた俺はアルドーさんに頷き、この部屋で良いと合図を出した。
風呂の用意が出来たら呼びに来てくれるらしいので、部屋を一通り物色した後でソファーに座ろうとすると、ソファーの前にある卓にベルが一つ置いてあった。
何だと思い一振りしてみると、その音色は綺麗に澄み渡り、少しすると部屋のドアがノックされ、失礼しますの一言の後に、部屋にメイド姿の女性が入って来た。
入口に突っ立っていたキャスにメイドさんが驚いていたが、どうやらこのベルは呼び鈴らしい。呼んで置いて何もさせないのも悪いので、飲み物でも持ってこさせることにした。
何時までも突っ立っているキャスをソファーに座らせて、三十分ほどで風呂の用意が出来たと知らせが来た。
タオルなどは全て用意して貰っているので、メイドに浴室まで受け着の身着のままで案内された。キャスは悩んでいたが結局一緒に入ると言いだして、俺に着いて来ている。流石に一緒に入るのは問題ある気がするのだが、一人でいるのが嫌らしい。まあ、タオルを付けさせて俺も極力見ないであげよう。
メイドが扉を開けた浴室は入口付近に脱衣所があり、その奥にはそれ程大きくは無い良くある銭湯の半分位の大きさの湯船があった。石をくり抜いて作っただろう浴槽は、滑らかな表面をしていて、肌が触れても擦れる事は無さそうだ。張られた湯も透明で、価格に見合う浴室だろう。
早速服を全て脱ぎ浴槽に向かい、体に湯を掛けて綺麗にしたらお湯に飛び込む。ダンジョンを出てから一度も湯に浸かっていなかったので、猛烈に気持ちがいい。
「あぁああーあぁあぁああー」
「ゼン君、変な声出さないでよ……」
俺が気持ちよさの余り魂の声を出していると、キャスが浴槽に入ってきた。当然タオルは巻いているが、濡れて体に張り付いている。凄い。
キャスも大分慣れてきたようで、リラックスして湯に浸かっている。
俺は湯を出て頭を洗おうと、タオルが引いてある床に座り、用意された石鹸を手に取ろうとしたら、メイドさんが洗ってくれるらしい。普段はしないが子供だからやってくれると言う。その後、体まで洗ってもらい再び湯に戻ると入れ違いでキャスが湯から出て体を洗っていた。
俺はそれをちゃんと見ない様に、背を向け湯を楽しむ。村の雑貨屋で買った石鹸よりこちらの方が質が良いみたいなので、帰る前に忘れずに買おうと考えていると、体を洗い終わったキャスが戻ってきた。
「キャス姉、俺先出るね。帰りはメイドさんの指示に従ってね」
「えっ? 何それ。何かあるの!?」
別に大した事は無い、この後は大銀貨二枚分のマッサージでも受けてくれ。フロントで上の空だったキャスに無断で入れて見たのだが、この反応が見れただけで満足だ。
俺は先に一人で浴室を出て、用意されていたパジャマの様な服を来てフロントに向かった。着ていた服は洗って明日の朝には着れるように準備してくれるらしい。素晴らしいぞ。
キャスが戻ってくる頃には、食事の用意も出来ているだろと思い、フロントのソファーに座り、果物のジュースを飲んでいると、支配人のアルドーがこちらに向かってきた。
「ゼン様、湯加減は如何でしたでしょうか?」
「とても満足のいく物でした。部屋もそうでしたが、この後の食事も楽しみですよ」
「それはようございました。お食事もキャス様がお上がりになる頃にはご用意いたしますので、今しばらくお待ちください」
この対応に日本の旅館の女将さんの様な印象を受けて、少しだけ日本が恋しくなってしまった。アルドーは当分俺の相手をしてくれる様なので、他愛も無い会話をしていると、先程一悶着あったこの宿の警備の男の話になった。
どうやら彼は元兵士らしく、十年前に起きた戦争で職を追われたらしく、少し腐ってしまっているらしい。戦争の事を少し聞いてみると、簡単な説明をしてくれた。
現在この街はシーレッド王国に所属しているが、以前は今いるウェロー領を含め複数の地域を支配していたラングネル大公国と言うものが存在しており、戦の末に併合されたとの事だ。
最近まで戦争してたとか、おっかない世界だわ。
その他にも俺の知りたかった食べ物の話や、工芸品の話などをしていると、他の客だろうか若い団体の客がフロントに降りてきた。
「アルドー! 飯はまだなのか。早くしろ!」
「これはベイル様。今すぐご用意させて頂きます。ゼン様、申し訳ありませんが、失礼させていただきます」
はい、と俺は返事をしてアルドーとの会話を終えた。
ベイルと呼ばれた青年が俺を一瞥し、何食わぬ顔で食堂へと向かっていった。取り巻きの男らが、その後ろに付いて行ってるが柄が悪い。どこかの坊ちゃんご一行と言う感じだろうか。
しかし、連れている女たちがエロかった。こんな人目のあるフロントであんな薄い服を着るなんて怪しからん!
それから暫くすると、パジャマ姿のキャスがフラフラと歩いてきた。香料が入ったオイルでも使ったのか、やたらと良い匂いがして来る。本人も天国だったわと言って良い顔をしているので、喜んでもらえた様だ。
その後はキャスに合わせたかの様に、食事の時間となり大銀貨五枚分の料理を堪能した。中心は肉料理なのだが、川魚で作られた料理や地球でも出てきそうなサラダなどに舌鼓を打つ。素材の所為か、それとも料理人のスキルのお蔭か、値段が高いだけあって、この世界に来てから一番の味を楽しめた。
食事も終わり部屋に戻り、キャスと食事の話やマッサージの話などをして時間を過ごしてから寝る事にした。
ベッドは一つなのだが、二人が横になっても余裕で寝ることが出来る。暗い部屋の中でキャスと明日の予定などを話し合い、今日の長い一日は終わったのだった。
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