人生においては、小さなものから大きなものまで伝え方で変わってくる。人の心に届く伝え方とは何か。それを学び、身につけるにはどうしたら良いか。コピーライターとして博報堂で勤めた著者が伝え方の技術を伝授する一冊。
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1. 「イエス」に変える3つのステップ
自分の頭の中をそのままコトバにしないーストレートに自分の思いを伝えることで、うまくいくことも世の中にはあります。ただ、うまくいかないことも同様にあります。(中略)なんでもかんでもストレートに言うのは、バクチと一緒です。もしかしたら人生を左右するかもしれない大切な場面で、白か黒かのルーレットに任せてしまっていいのでしょうか?可能性が50%なら、その可能性を少しでも上げたいですよね、それを、コトバはできるのです(P.56-57)。
相手の頭の中を想像するーぐっと、そのまま口にするのをこらえ、(自分の相手への)お願いに相手がどう考えるか、ふだん相手は何を考えているか、相手の頭の中を想像します。(中略)何が好きか?何がキライか?どんな性格か?わかりうる相手の基本的な情報を思い出してみましょう(P.58-59)。
相手のメリットと一致するお願いをつくるー相手の頭の中をもとに、コトバをつくっていきます。ここで、大切なのは相手の文脈でつくることです。つまりお願いを相手に、「イエス」となるものにします。結果的にあなたの求めていることが達成できればいいのです(P.59-60)。
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2. 「イエス」に変える「7つの切り口」
「相手の好きなこと」ーあなたの求めることをストレートに言うのではなく、「相手のすきなこと」から(コトバを)つくることにより相手のメリットに変えるのです(P.64)。
「嫌いなこと回避」ー相手の嫌いなことから(コトバを)つくることもできます。「こちら嫌いでしょ、だからやらない選択をしましょう」という切り口です(P.69)。
「選択の自由」ーこちらは(上記の)「相手の好きなこと」からの応用です。2つ以上の相手の好きなことを並べることで、前向きに相手が選べるようにする技術です。選択の自由があること自体が、相手にとってのメリットとなります(P.72)。
「認められたい欲」ー相手の頭の中に、「他人に認められたい」とか「いい顔を見せたい」ときに効果を発揮する技術です。もともと人は誰も認められたいという本能があります。(中略)人間のDNAには「認められたい欲」が組み込まれていて、それを満たすためにちょっとくらい面倒なことでもやろうと思うのです(P.75)。
「あなた限定」ー相手が「寂しがりや」とか「自分が好き」というときに効果を発揮します。もともと人は「あなた限定」に弱いです。(中略)使うときには、良心のもとに使っていただきたい技術です(P.78)。
「チームワーク化」ー相手が「面倒くさいと思っている」「やる必要性がそこまで見つからない」ときに効果を発揮します。お願いを相手任せにするのではなく、「いっしょにやりましょう」とあなたと相手をチームワーク化するのです。人はひとりだったらしないことをするようになります。人はもともとコミュニティを大切にし、集団行動する動物です。誰かがやるなら自分もやりたくなるのです(P.80-81)。
「感謝」ー人と接するときの基本ともいえます。太古の昔から人はお願いをかなえてもらうために「感謝」をしてきました(P.85)。
「ノー」を「イエス」に変える技術の答えは、相手の中にあります。(中略)「お願い」は、あなたのコトバではなくあなたと相手の共作なのです(P.88)。
著者紹介
佐々木 圭一(ささき けいいち、1972年9月30日 - )は日本のコピーライター。神奈川県出身。『伝え方が9割』(ダイヤモンド社刊、2013年)の著者。
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