「赤プリ」跡地の複合ビル あす一部商業施設が開業

「赤プリ」跡地の複合ビル あす一部商業施設が開業
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「赤プリ」の愛称で親しまれた東京都心のホテルの跡地に、地上36階建ての複合ビルが建設され、一部の商業施設が10日にオープンするのを前に、9日、内覧会が開かれました。
東京都心の高級ホテル「グランドプリンスホテル赤坂」は、「赤プリ」の愛称で親しまれてきましたが、施設の老朽化や採算性などを理由に5年前の平成23年に閉館しました。
跡地には、地上36階建てで商業施設やオフィス、それにホテルなどが入る複合ビルと、地上21階建てで135戸の賃貸住宅が入るマンションが建設されました。
このうち10日にオープンする複合ビルの1階と2階部分の商業施設と、9日から利用が始まっているオフィスなどが、報道陣に公開されました。
ビルの1階と2階には、飲食店を中心に18の店舗が入っています。このうち2階部分は地下鉄の永田町駅と直結していて、オフィスで働く人たち向けのカフェやレストラン、それにコンビニエンスストアなどが並んでいます。
また、5階から28階のオフィスフロアは、四方が全面、窓ガラスに囲まれ、明るく開放的な造りになっています。
複合ビルにはこのほか、3階と4階に飲食店などの商業施設、30階から36階にはホテルが入っていて、ことしの7月27日にオープンする予定です。
また同じ敷地内には、東京都の指定有形文化財になっている「赤プリ」の旧館の建物が保存されています。一部を増築してレストランやバー、それに結婚式などで使える多目的ホールなどを備えた施設として、同じく7月27日にオープンします。
開発を担当した西武プロパティーズの齊藤朝秀取締役は、「ホテルだけでなく、レストランなどの施設も充実しているので、ぜひまた多くの人たちに昔の『赤プリ』の敷地に戻ってきてもらいたい」と話していました。
赤坂プリンスホテルは東京都心の赤坂に昭和30年に開業し、昭和58年には建築家の故・丹下健三氏の設計で、地上40階・地下2階建ての新館がオープンしました。
「赤プリ」の愛称で親しまれ、バブル期には若者の憧れの象徴として人気を集めたほか、芸能人やスポーツ選手の結婚式などにも利用されてきました。しかし、建物の老朽化や近隣に新しい高級ホテルが相次いで建設され、採算が厳しくなったことから、5年前の平成23年に閉館しました。
閉館後、新館など多くの建物が取り壊された一方、昭和初期に建てられ旧朝鮮王室の邸宅として使われたこともある旧館は、歴史的な価値が高い建物として、同じ敷地内に移して保存されています。
また、閉館直後には福島第一原発の事故で福島県から避難している人たちを受け入れる避難先として活用されました。